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@IT > メインフレームの営業管理システムをAjaxで |
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現在、企業や行政機関などにおいては、さまざまなアーキテクチャの業務システムが稼働している。その中で、Interstage Interaction Managerが提供するAjaxテクノロジの適用で高い業務効率の向上、管理負荷の削減が望める分野が大きく3つある。 まずは、クライアント/サーバシステムだ。 このアーキテクチャは、クライアントアプリケーションの高い操作性、機能性が評価され、あらゆる業界に広く普及してきた。しかし、クライアント管理の煩雑さは常に付きまとう。例えば、セキュリティの確保や他のプログラムの影響でクライアントもバージョンアップが必須となる。クライアントPCが少ない台数であったり、拠点が1カ所にまとまっていればまだいいが、それが数百台、数千台規模になったり、拠点が日本全国に広がっていたりすると、それだけでもう一大事業だ。ポイントとなる拠点に管理者を任命したり、そこに中継となるサーバを立てるなどといった施策を打たないことには、とても運用が回らない。それでも全社規模でバージョンアップを完了しようとすると、数カ月から半年かかってしまう。バージョンアップにより、利便性、セキュリティ強度の向上などが高まるのは確かなのだが、担当者の消耗の激しいプロジェクトであることも事実である。
しかし、これをAjaxを活用したWebアプリケーションシステムへと移行させれば、事情は一変する。クライアントアプリケーションのサーバ側での一元管理が実現するからだ。ポイント拠点に管理者やサーバを置く必要はない。新しいOSに対応したクライアントアプリケーションや修正パッチを“配付”する作業はなくなり、サーバに変更を加えれば、その瞬間からエンドユーザーは進化を享受できる。 2番目は、既存Webアプリケーションのユーザビリティ改善である。 すでに誰もが実感しているとおり、従来型Webアプリケーションは画面の機能性が低いため、サーバ通信、画面表示の待ち時間が長く、エンドユーザーは頻繁に“待ち”を要求される。さらに、入力ミスがあれば、待ったあげくに再入力されられる。しかし、Ajaxテクノロジ搭載のWebアプリケーションであれば、サーバ処理を必要最低限に抑える、クライアント側でしきい値などの設定により入力中に入力ミスを防止するなど、リッチクライアント化が実現、ほとんど待ち時間なく連続した入力作業が行えるようになる。
3番目は、メインフレームのフロント端末だ。 メインフレームを操作するため、専用端末を利用したり、クライアントPCにエミュレータソフトウェアを搭載して利用しているケースは今でもよく見受けられる。従来、これをオープン化する方策としてはクライアント/サーバシステムへの移行と、Webアプリケーションシステムへの移行という2つの選択肢があった。 しかし、前者はクライアントアプリケーションを管理する作業が発生し、後者ではユーザビリティが低下する。特に、後者においては専用端末やエミュレータソフトウェアで可能だったエンターキーやタブキーでの項目移動や、ファンクションキー利用ができなくなるデメリットが大きい。その点、Ajaxテクノロジ活用のWebアプリケーションであれば、それまでのユーザビリティはそのままに、サーバ側でのシステム一括管理を行うことができる。
「効果がありそうなのはわかったが、まだまだ“絵に描いた餅”なのではないか」 読者諸兄の中にはここまで読まれてそう思われた方もおられるかもしれない。しかし、Ajaxテクノロジはすでに企業情報システムで受け入れられ、業務効率向上に貢献している。ここではその実例の1つをご紹介しよう。 メーカーA社では、長らくメインフレームベースの営業管理システムを利用しており、その操作をPCに搭載したエミュレータソフトウェアを使って専用画面で行ってきた。メインフレーム内の処理効率を考え、コード入力中心で設計されていたのだが、業務に慣れない異動者や新人にとっては扱いが難しく、ミスを誘発しやすかった。また、一連の入力作業を完了させるためには、過去の受注履歴画面や在庫情報など、複数画面を立ち上げておく必要があり、それらを一々切り替え参照しながらの作業は時間のかかるものとなっていた。 そこで同社では、業務改革の一環として、営業管理システムのビジネスロジックはそのまま維持しつつ、フロント部分をWebオープン化することを決断。しかし、従来型Webアプリケーションシステムでは操作性がかえって低下してしまう。それを懸念したA社は、Ajaxフレームワーク搭載の富士通のWebフロントアプリケーション構築基盤 Interstage Interaction Managerを採用、クライアント/サーバシステム同等のユーザビリティを実現する次世代型Webアプリケーションの構築をめざした。
その結果、Interstage Interaction Managerの有している高機能ユーザーインタフェイス部品を適用したAjaxテクノロジによるリッチなWebフロントが誕生した。入力文字の自動補完や、クライアントアプリケーション側でのリアルタイムエラーチェックが可能になり、この営業管理システムを初めて利用するエンドユーザーでも容易に入力作業が行え、単純な操作ミスが大幅に減少したのである。また、通常のWebアプリケーションではポップアップで幾つも別ウィンドウを開くような操作を、画面の部分更新により、1つの画面の中で部分的に参照画面を表示させるなどといった機能が実現した。さらに、Webアプリケーション化したことで、システム管理者のクライアント管理工数も大きく削減されたのである。
上記の事例でもわかるとおり、Interstage Interaction Managerの利用により、Webフロントシステムのユーザビリティ向上を容易に実現できる。それがどのような機能によるものなのか、事例を補完する形でもう少し詳しく見ていこう。 第1は作業に合わせたフォーカス移動の実現である。これは前回も少し触れたのだが、Ajaxテクノロジ活用のWebアプリケーションではカーソルを自由自在に動かせる。Interstage Interaction Managerでは、Enterキーを押すと縦に、Tabキーを押すと横にフォーカスを移動させたり、ファンクションキーを使って、F1キーでカーソルを「表」に飛ばす、といったことができる。 第2は、クライアント側で入力支援が可能になることである。一例を挙げると、数値を入力することになっているテキストフィールドには、半角数値のみしか入力できない。間違って全角数値を入力して送信し、エラーメッセージが返ってくるといった手戻りを起こさせないようにすることができる。また、入力した値が不正である場合は、クライアントアプリケーション側でエラーチェックを行い、メッセージを出すことができる。
第3として、ファンクションキーの利用実現がある。第1の機能でも言及したが、ファンクションキーに任意の機能が割り当てられるため、業務に応じた高度なプログラム操作を付加することが可能だ。つまり、既存システムで実現されていた機能もそのまま移行できるというわけだ。 これらの機能をカスタマイズすると、例えば以下のような使い方が可能になる。 【例1】 郵便番号のテキストフィールドに郵便番号を入力する場合、1ケタ目、2ケタ目は普通に入力を受けつけるが、3ケタ目を入ると、Ajaxテクノロジにより自動的にサーバにアクセスし、住所データベースで郵便番号の前方一致検索を実行、「住所1」のテキストフィールドに入る候補一覧を表示する。 【例2】 画面の一部分のコンテンツを切り替えるといったことも可能だ。例えば、入力項目の要件に合わせ、一部のフィールドをお客様情報から商品の仕様情報に切り替える、といったことなどができる。また、ポップアップウインドウを出現させることなく、必要な情報を必要な時に表示できるため、画面の情報量が増えるとともに、効率よく入力作業が行えるようになる。 *UI部品=ユーザー・インターフェイス部品。Webアプリケーション開発時に頻繁に必要になる画面を構成する部品のこと。 ◆ どうだろう、このように具体的に見てくると、「この機能はうちのあのシステムに使えるな」と適用分野が浮かんでくるのではないだろうか。企業活動のすべてがITと直結する今日の時代、フロントアプリケーションがどうあるかは、企業のビジネス推進力を左右する大問題だ。これを機に、旬のテクノロジを駆使した次世代Webアプリケーションの構築を検討されることをお勧めする。
提供:富士通株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2007年9月30日 |
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