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効率化の鍵は、システムの使い勝手と開発の利便性
グローバル時代、今あらためて見直したい 電子帳票システムのメリットを享受する秘訣 |
市場競争の激化を受けて、多くの企業においてコスト削減と業務効率化が最優先課題となっている。その一環として、業務プロセスの遂行を支える帳票を電子化し、紙ベースの業務プロセスからの脱却を狙っている企業も多い。だが現実には、電子帳票システムを導入したものの、思うような成果を享受できていないケースが多いようだ。
アイティメディアが運営するWebメディア、TechTargetジャパンが2011年11月、 会員読者を対象に実施したアンケート「電子帳票システムに関する読者調査」(n=288)によると、65.8%の企業が電子帳票システムを「導入済み」と 回答。そのうち74.4%が「導入前に期待した効果」として「業務の効率化」を挙げている。しかし同時に、「不満だった、期待はずれだった機能」としても「業務の効率化」が28.2%でトップになるという皮肉な結果となっている。
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電子帳票システムに期待した効果(n=164)≪クリックで拡大≫ |
この背景には、「電子帳票システムを導入する際の障害」として多くの企業が挙げている「紙ベースの業務プロセスの変更」「ユーザーのトレーニング」といった、“エンドユーザーにとっての使い勝手”の問題がある。 だが、それらに続いて「既存システムとの連携」「電子帳票システムの導入/ライセンスコスト」など、導入・運用面の課題が挙がっている。また、「電子帳票 システム製品選定のポイント」として「運用管理のコスト」「ライセンスコスト」「帳票開発のしやすさ」などが上位を占めていることを見ると、“IT部門にとっての導入・運用のしやすさ”も業務効率化のポイントとなっているようだ。
事実、昨今は国内外での拠点展開を機に、帳票システムの見直しを検討する企業が増えつつある。特に近年、新興国に海外拠点を展開する動きが高まっているが、現地でのシステム展開において、帳票に関するさまざまな課題が生じているといわれている。富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部 マネージャーの山本雅彦氏は、電子帳票システムに対する企業ニーズについて次のように話す。
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| 富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部 マネージャー 山本雅彦氏 |
「よく聞かれるのは、帳票設計に時間と工数が掛かりすぎるということ。特に、帳票はシステム開発プロジェクトの終盤に位置付けられるケースも多いが、拠点ごとに取引先が異なるために扱う帳票フォーマットが異なっていたり、海外拠点展開に当たって、言語対応やバーコード対応などが問題になったりするケースも多い。その結果、プロジェクトの終盤で帳票設計がネックになってシステム開発が遅れてしまったり、帳票設計の手間からその後の運用管理コストが膨らんでしまう例が少なくない。すなわち、電子帳票システムはエンドユーザーにとっての使いやすさはもちろん、その導入・運用管理を行うIT部門にとっての扱いやすさも業務効率化の鍵を握っている」
こうした電子帳票システムの課題を見据えて富士通が開発・提供しているのが、帳票設計・生成ソフトウェア「Interstage List Creator」だ。複雑な帳票レイアウトを素早く作れる「スピーディな帳票設計」と、開発プログラムの作成や会社ロゴの変更など帳票のメンテナンスコストも最小限に抑える「シンプル・柔軟な電子帳票システム」をコンセプトに、導入・運用管理の手間とコストを低減するさまざまな機能を実装している。
まずスピーディな帳票設計を実現するツールとして、「Interstage List Creatorデザイナ」を装備。このツールは、帳票設計の一連の流れをナビゲートするツールバーメニュー、「帳票ナビ」機能を持つ。これにより、ユーザーは簡単なチュートリアルを参照しながら作業を進められるため、高度な知識を持たない開発担当者でもスムーズに帳票を設計できる。
Interstage List Creatorデザイナは、紙帳票やPDFなどの帳票イメージをスキャナで取り込む、もしくはMicrosoft Excel、Microsoft Wordなどで作成した帳票イメージをドライバ経由でそのまま取り込むことで、高い精度で文字や罫線を認識し、PC画面上で帳票レイアウトを自動生成することができる。請求書、貸借対照表など多数の帳票サンプルも装備しており、これをベースにInterstage List Creatorデザイナの案内に沿ってカスタマイズすることで、オリジナルの帳票を短時間で作成することも可能だ。
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図1 帳票設計の一連の流れをナビゲートするツールバーメニュー、「帳票ナビ」機能により、高度な知識を持たない担当者でもスムーズに帳票を設計できる≪クリックで拡大≫ |
「従来、帳票の開発担当者は多種多様な帳票レイアウト1つ1つ、いちから設計する必要があったが、これによって設計にかかる時間と手間を大幅に削減できる。特に帳票設計を外部にアウトソーシングしている企業も多いが、帳票レイアウトを少し修正するだけで、高額な作業費用を請求されるケースも少なくない。その点、 Interstage List Creatorデザイナなら専門スキルがない社内スタッフでも簡単に修正できる。加えて、Interstage List Creatorデザイナは無制限ライセンスが安価で購入できるため、帳票のメンテナンスコスト、ライセンスコストともに大幅に抑えられる点も大きなメリットだ。この点は他のベンダー製品にはない大きな強みといえるはずだ」(富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部 マネージャーの宮坂剛朗氏)
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| 富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部 マネージャー 宮坂剛朗氏 |
業務アプリケーションと印刷処理を分離できる点もInterstage List Creatorの強みだ。また.NETインターフェースやJavaインターフェースをはじめ、各種帳票出力インターフェースもサポートしている。このため、従来は業務アプリケーションごとに帳票システムを開発する例も多かったが、複数のアプリケーションの帳票出力処理をInterstage List Creatorに一元化できる。
「これにより、オンプレミスからからクラウド上で稼働するアプリケーションまで、個別に帳票出力用の専用プログラムを開発することなく、Interstage List Creator1つで帳票出力処理機能を開発できる。帳票の出力先もプリンタ、FAX、PDF、Excelまで簡単に設定・変更可能だ。システム開発における帳票開発の手間と時間を大幅に削減できるはずだ」(山本氏)
各国の仕様に合わせて言語とレイアウトを自動変換
一方、前述のように、近年は新興国を中心に海外に拠点展開をする企業も多い。そうした動きを見据え、2012年10月、Interstage List Creatorの最新版であるバージョン10で、帳票運用のグローバル対応機能を強化した点も大きなトピックだ。
ポイントは大きく分けて3つ。1つは海外ビジネス拠点の約80%をカバーする世界32カ国で使われている13言語に対応したこと。日本語はもちろん、中国語(簡体文、繁体文)、韓国語、ベトナム語、タイ語という日本企業の海外進出が増加しているアジア圏6言語に加え、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、チェコ語、ロシア語という欧州、北南米地域の7言語の計13言語で帳票を設計・生成できる。取引先が指定するフォーマットや、税制をはじめ各国の制度に合わせて帳票を設計・生成できる点も強みだ。
2つ目は、既存の帳票様式を基にワンクリックで他言語へ翻訳・変換できる機能を搭載したこと。操作画面上で変換したい言語を選択するだけで、見出しの文字列、書体、日付形式、通貨記号、小数部桁数など、言語によって表記の異なる項目を抽出し、自動的に翻訳・変換する。
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| 図2 既存の帳票様式を基にワンクリックで他言語へ翻訳・変換可能。操作画面上で変換したい言語を選択するだけで、見出しの文字列、書体から小数部桁数など、言語によって表記の異なる項目を抽出し、自動的に翻訳・変換する≪クリックで拡大≫ |
帳票生成時には翻訳によって文字列の長さが変わってしまうケースもあるが、文字幅、文字間隔などレイアウトを自動調整して表示領域内に収めてくれる。こうした自動化により、帳票作成にかかる時間を最大で従来の10分の1まで短縮できるという。富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部の若山雄一氏は、グローバル対応機能強化について次のようにコメントする。
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| 富士通 ミドルウェア事業本部 データマネジメント・ミドルウェア事業部 第四開発部 若山雄一氏 |
「一般に、海外拠点の電子帳票システムは個別最適化が図られている例が多く、国ごとにバラバラのシステムが使われている。しかし運用コストの面から、国内外のシステムを統一したいというニーズが高まっている。こうした声に応えることもグローバル対応機能強化の狙いだ。日本国内で使っているInterstage List Creatorを海外拠点にも展開すれば大幅なコスト削減につながる」
3つ目は、流通業界の国際標準バーコード規格「GS1 DataBar」を始め、業界標準の「QRコード」や「PDF417」、米国郵便公社の「Intelligent Mail Barcode」など、国内外で幅広く利用されている32種類のバーコードを生成可能としたこと。「電子帳票システムの海外展開に当たっては、Unicode対応や数字の桁数、通貨記号の変換などは基本的に対応するがバーコードまでカバーできていない例が多い。バーコードは機械が読み取るものなので、ここをしっかりカバーすることが、海外でも電子帳票システムの導入効果を享受する上での大きな鍵になる」(若山氏)。
世界46カ国の販売・サポート体制という安心感
なお、富士通ではInterstage List Creatorの販売を世界46カ国に拡大。これに伴い各国でサポートが受けられる体制も構築した。万一の障害時にも業務への影響を最小限に抑えるためには、迅速な復旧が鍵となるためだ。ここにはサポート力に定評のある富士通ならではの配慮が隠されている。
「トラブルが起こった際は、迅速に原因をつかんで解決することが重要。そこで、Interstage List Creatorでは、各ユーザー企業のシステムの実行ログを記録している。この実行ログはユーザー企業に公開しているログとは異なるもので、内部的なデバッグ情報なども含まれている。これを解析することで、国内外のどの拠点のシステムについても、迅速に原因を究明し解決できる。ここまでのサポート対応ができている電子帳票システムは他に例がないはずだ」と山本氏は話す。
また、帳票は企業にとって重要な情報資産。Interstage List Creatorでは、過去の帳票資産を継承できるようバージョン間でデータの互換性を確保している点も、ユーザーの安心感に配慮した1つのポイントといえるだろう。
冒頭で紹介したアンケートのように、電子帳票システムを導入しているものの効率化を実感できていない場合、システムの使い勝手はもちろん、その運用管理のしやすさにも着目してみてはいかがだろう。帳票の開発・メンテナンスのしやすさ、グローバル対応機能、ライセンスコストなど、本稿で紹介した数々のポイントを基にチェックしてみると、効率化の阻害要因があらためて浮き彫りにされるのではないだろうか。
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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2012年12月25日
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