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データベースの常識・非常識
変貌する最新データベース事情。あなたの常識は間違っていないか?

 情報システムを構成する各種サブシステムの中で、データベースが極めて重要な役割を担っているということは、情報システムの開発やシステムの運用に携わったことがあるエンジニアなら、誰もが認めるところだろう。システムの応答性能やトランザクション処理性能、可用性やスケーラビリティなど、情報システムの重要なファクターが、システムの中核にあるデータベース・サブシステムの出来いかんによって大きく影響を受ける。

 一般にこれまで、高いスケーラビリティや可用性が求められるミッションクリティカル領域では、比較的早期から大規模システムでの採用が進んだUNIX系のデータベース・システムが選択されることが多かった。失敗の許されない大規模システム開発では、導入実績がプラットフォーム選択に大きな影響を及ぼす。早期から実績を積んだUNIX系システムが好まれるのは、自然なことだったろう。

SQL Serverは処理性能が低いのか?

 サイベースから技術供与を受けて開発した初期バージョンSQL Server 4.2から改良を重ね、第5世代となる現行バージョンのSQL Server 2005では、可用性のさらなる向上やセキュリティの強化、開発生産性の向上など、中小規模から大規模システムに至るまで、安全かつ効率的なデータベース・サブシステムを実現するためのさまざまな新機能追加、機能強化が施された。事実、昨今では、コストパフォーマンスの高いSQL Serverを採用した大規模システム案件も急速に増加している。

 このように、徐々に大規模案件での実績を重ねつつあるSQL Serverだが、歴史的な経緯から、今なお大きく誤解されている部分がある。例えば、次のような誤解である。

  • 処理性能が低い
  • バグが多い
  • セキュリティ・ホール(脆弱性)が多い
  • 他社製データベースに比較してシェアが低く、実績もない

 こうした誤解の背景には、「Windows OS開発から対象分野を拡大してきたメーカーが作ったデータベース。大規模なミッションクリティカル用途に耐える性能や信頼性は備えていない」というあやまった先入観があるようだ。しかしSQL Serverは、ジム・グレイを代表とするデータベースの大家をSQL Serverの開発チームに招聘し、前述した世代進化の過程で、リレーショナル・エンジン・アーキテクチャの再構築や、処理性能の大幅な向上などが施され、現在ではミッションクリティカル用途に十分対応できる性能と機能を備えている。

 とはいえ、何の裏付けもなくいくら説明を聞いても、簡単に納得できるものではない。技術者の誤解を解くには、響きのよい言葉よりも、客観的な事実が必要だ。前記の誤解がなぜ誤解なのか。その理由となる客観的事実をコラム「ファクトで見るSQL Server」にまとめたので参照していただきたい。

 システム・インテグレーションを前提とするデータベース製品では、開発環境やクラスタリングなどの高可用性機能、BIなどのアプリケーション機能などがすべてオプションとなっており、必要なオプションを揃えると、高額になってしまう場合がある。この点パッケージ販売されるSQL Serverでは、ほとんどの機能が標準で搭載されており、追加コストなしで多くの機能を使える。結果的に、データベース・システムかかるコストを大幅に圧縮できる。

 もちろん、あらゆる場面でSQL Serverが最適とは限らないが、SQL Serverがなぜミッションクリティカル領域で急速にシェアを拡大しているか、その理由を正しく捉えておく必要はあるだろう。

SQL Serverを手軽に評価できる「バーチャル・ラボ」

 SQL Serverの実力を評価するには、実際にSQL Serverをインストールし、試用してみるのが早道である。このためマイクロソフトは、SQL Server 2005 Enterprise Editionの180日限定評価版を提供している。

 ただしこの方法では、評価用のコンピュータを手許に用意し、Windows Server OSやダウンロードしたSQL Server 2005をインストールしなければならない。

 より短時間で手軽にSQL Serverを評価したいのなら、バーチャル・ラボを利用するのがよい。バーチャル・ラボとは、マイクロソフトがインターネット上に用意した仮想コンピュータ環境にリモートから接続して、製品を体験できるようにしたものだ。環境はすべて用意されているので、ブラウザでアクセスするだけで、製品を試用できる。もちろん無償で利用可能である。

 SQL Server 2005バーチャル・ラボには、以下のページからアクセス可能である。

 バーチャル・ラボには、SQL Server 2005の特徴を理解するための自習型コンテツが用意されており、準備された手引書に従って操作することで、実習できるようになっている。所要時間はシナリオによるが、おおよそ60〜90分程度である。具体的には、以下のようなコンテンツが用意されている。

コンテンツ 内容
運用管理編:管理者向け機能ダイジェスト SQL Server 2005の主な管理機能の概念と利用手順を学習する
運用管理編:バックアップ、リストア SQL Server 2005のデータベース・バックアップ、リストア、リカバリの概念や手法を学習する
BI開発編:開発者向け機能ダイジェスト SQL Server 2005の主な開発機能の概念と利用手順を学習する
運用管理編:SQLCMDユーティリティ SQL Server 2005のコマンドライン・ユーティリティであるSQLCMDの使用方法を学習する
運用管理編:管理ツール使用法 SQL Server 2005の主な管理ツールの使用方法を学習する
SQL Server 2005バーチャル・ラボの主要なコンテンツ

 なお、2008年に発売が予定されている、次バージョンのSQL Server 2008についても、同様のバーチャル・ラボが用意される予定である。

バーチャル・ラボを使ってみよう

 前述したとおり、バーチャル・ラボには、目的ごとにシナリオが用意されている。各シナリオをどのように進めればよいかは、トレーニング・マニュアル(ラボ・マニュアル)が用意されているので、あらかじめダウンロードしておく。

 バーチャル・ラボを使うには、Webブラウザでマイクロソフトの当該サイトにアクセスし、バーチャル・ラボを開始するリンクをクリックするだけだ。

バーチャル・ラボを開始する
バーチャル・ラボを開始するには、ブラウザでマイクロソフトの当該サイトにアクセスし、用意されたリンクをクリックするだけである。
このリンクをクリックすると、バーチャル・ラボが開始される。

 初めてバーチャル・ラボを使用するときには、NTLM認証に関するポップアップが表示される。ここでは“Don't ask me again”にチェックし、“Yes”をクリックすればよい。また、途中でユーザー名やパスワード入力が求められる場合があるが、これらについてはトレーニング・マニュアルに指示があるのでそれに従う。

バーチャル・ラボを実行しているところ
このように、ブラウザだけでSQL Serverを簡単に体験できる。バーチャル・ラボを終了したければ、右側にある[バーチャル ラボの終了]をクリックする。

データベース・エンジニアのためのポータル・サイト
SQL Server Engineer SkillUp Center

 バーチャル・ラボからさらに一段進んでSQL Serverについて学びたければ、SQL Server Engineer SkillUp Centerが有用だ。これは、SQL Serverについて詳しく学びたいと考えているデータベース・エンジニアのために、レベル別にさまざまなコンテンツが用意されたポータル・サイトである。初中級者を対象とした無償のトレーニングや、上級者を対象とした有償トレーニング、そしてスキルチェックまで、SQL Serverを実践活用したいエンジニアが短期間で技術やノウハウを学習できるようになっている。

 IT環境の激変はなお続いている。過去の常識は、将来においても常識だという保証はない。時代の変化をむしろ積極的に活用し、それを差別化ポイントとして生かせるエンジニアが求められている。これには、時代に応じて「常識」を柔軟に再評価できる力が求められるだろう。

[コラム]
ファクトで見るSQL Server

 ミッションクリティカル領域でSQL Serverの利用が拡大している、というのは本当だろうか? ここでは、第三者機関などがまとめた調査結果などを元に、データからSQL Serverの実力を明らかにしてみよう。

出荷台数シェア
  まずは、データベース製品を利用しているサーバーの出荷台数シェアを見てみよう。以下は、全世界で2005年に販売されたデータベース製品別のシェアである。

各社データベース製品の出荷台数シェア(2005年、全世界)
米国IDC社調べ【Server Workloads Forecasts and Analysis Study, 2005 - 2010(July 2007)】

 情報ソースの関係から、ここでは他社製品を匿名表記にしている。このように出荷台数で見ると、すでにSQL Serverが4割を超えていることが分かる。

 市場シェアを図る別の指標として、「売上金額シェア」があるが、これではSQL Serverは他社製品に遠く及ばない結果が出る。この理由は、SQL Serverの単価が他社製品に圧倒的に低いためだ。このことは逆に、SQL Serverのコストパフォーマンスの高さを示しているといってよいだろう。

■OLAP市場シェア
  ミッションクリティカル環境でのデータベースの活用として、OLAP(OnLine Analytical Processing)がある。以下は、このOLAPシステム向けに利用されているデータベース製品のシェアを年ごとの折れ線グラフにしたものだ。

OLAP市場シェア(2006年、全世界)
The OLAP Report調べ

 これを見ると、SQL Serverは、2000年から急激にシェアを伸ばし、2002年にはそれまで首位を独走していたHyperion Solutionsを抜いて1位になり、その後もシェアを伸ばし続け、圧倒的な首位の立場を現在も堅持している。特にSQL Server 2000が発売された2000年、SQL Server 2005が発売された2005年に大きくシェアを伸ばしていることが分かる。

TPC-Hベンチマーク
 システム構築において、データベースの実行速度は非常に気になるところだ。次にSQL Serverの性能評価について見てみよう。以下は、データベース・システムの性能評価を実施している業界団体のTPC(Transaction Processing Performance Council)が公開している2種類のベンチマーク・テストの最新データをグラフ化したものだ。

 TPC-Hは、アドホック・クエリとデータ更新性能を評価するもので、巨大で複雑なデータベースを使用するシステムでのデータベース性能が分かる。TPC-Hでは、テストに使用したデータベースの規模(データ・サイズ)に応じて結果が公表されている。

TPC-Hベンチマーク結果(2007年10月29日現在)
TPC調べ

 このとおり、100Gbytesと1TbytesでのTPC-H性能評価において、SQL Serverは首位を獲得している。

TPC-Eベンチマーク
  TPC-Eベンチマークは、OLTP(On-Line Transaction Processing)のワークロードをシミュレーションする性能評価である。以下のグラフに示したとおり、TPC-Eベンチマークは、テスト・システムの搭載プロセッサごとに結果が公表されている。TPC-Eベンチマークでは、2プロセッサ、4プロセッサ、16プロセッサのシステムにおいて、SQL Serverは1位の座を独占している。

TPC-Eベンチマーク結果(2007年10月29日現在)
TPC調べ

 なお、性能評価で1位を独占したことに加え、2プロセッサ、4プロセッサ(デュアルコア)、16プロセッサのシステムにおいて、SQL Serverはコストパフォーマンスでも1位を総なめにしている。

脆弱性公開件数比較
  実行性能やコストパフォーマンスだけでなく、ミッションクリティカル・システムでは、セキュリティ性能も重要なポイントである。以下は、各社データベース製品向けに報告されたセキュリティ・ホールの件数を、2003年〜2006年度までのグラフにしたものだ。一部には「SQL Serverにはセキュリティ・ホールが多い」という誤解があるようだが、実際には、SQL Serverの脆弱性は2005年、2006年ともに0件であった。これに対し、Oracleは増加傾向にあり、2006年は54件と脆弱性報告数が突出していることが分かる。

脆弱性公開件数比較(2003〜2006年)
Enterprise Strategy Group調べ【Microsoft SQL Server Runs the Security Table】

提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局
制作:デジタル・アドバンテージ
掲載内容有効期限:2007年12月18日
 
関連リンク
マイクロソフト株式会社
TechNet バーチャル ラボ
Microsoft SQL Server 2005 バーチャル ラボ
SQL Server Engineer Skill Up Center


 
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