ビジネスモデル(びじねすもでる)情報システム用語事典

business model

» 2004年09月05日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 企業が事業を維持・継続し、あるいは拡大・発展させるために行っている業務のやり方や取引先との関係、収益などの構造などを、特定の視点と形式で表現したもの。もしくはその構造そのものを指す場合もある。

 ここでいうモデルとは、現実(または計画や理想)を特定の側面で解釈・抽出した抽象概念のことで、ビジネスモデルとは事業活動における各業務プロセスの機能とその関係(ビジネスプロセス)、情報や資金の流れ、組織構造や収益構造などをそれぞれの断面で表した抽象モデル、ないしはそれを数理モデルや図式によって具象化したものをいう。いわば、現実のビジネスという複雑なものを、いろいろな切り口で単純化して本質を表現したものだといえる。図式化には、DFDERDIDEFUMLインフルエンス・ダイアグラム戦略マップなどの表記法が使われることが多い。

 モデルを作ること(モデリング)のメリットは、1.現状を分析して問題の理解、解決策の評価を行う、2.計画中のビジネスモデルをシミュレートする、3.他社のビジネスモデルを参照モデルとする、4.企業活動の設計図としてあるべき姿を設計してプロジェクトメンバー間で意識の統一を図り、BPRや情報システム化を推進するといったことが挙げられる。

 ITの世界では、企業システム開発の前提として企業の業務フローやビジネスプロセスの構造がどうなっているかを分析するという意味で使われることが多く(この場合、ビジネスプロセス・モデリングともいう)、経営の分野では収益が重視されるためか、「儲けを生み出す仕組み」を表す言葉として使われることが一般的である。

 なお、「ビジネスモデル特許」という言葉もあるが、これは本来business method patents(ビジネス手法特許)で、この“ビジネスモデル”は上記の抽象モデルではなく、ビジネスプロセスやITの利用、情報処理に関する「具体的な手法」「実現手段」と考えた方がよいだろう。

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