国際財務報告基準(こくさいざいむほうこくきじゅん)情報マネジメント用語辞典

IFRS / International Financial Reporting Standards / イファース

» 2008年01月15日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 国際会計基準審議会(IASB)が設定する会計基準の総称。特定国の基準によらない、世界的に共通な会計基準として設定・公表されている。2005年からはEU(欧州連合)ですべての上場会社に適用され、世界的にも適用国が100カ国を超えており(2007年現在)、会計基準の世界標準になりつつある。

 IFRSは詳細な規則が定められている米国基準と異なり、プリンシプルベース(原則主義)を採っており、最小限の適用指針しかない。これは、会計基準とは経営者や監査人が自ら判断するものという考えによるもので、実務上の運用基準は個々の企業が実情に応じて作成することになる。

 世界共通の財務諸表作成基準を制定する試みは、1973年設立の国際会計基準委員会(IASC)の国際会計基準に始まるが、IASBはそのIASCが2001年に改組されたときに設置された常設の作業機関で、ここで定められる基準書が「国際財務報告基準」(IFRS)である。

 IASBは新基準書(IFRS)の公表に加えて、IASCによる現行国際会計基準書(IAS)の改訂を行っていく予定だが、現行IASは新基準によって廃止されるまでは依然有効で、名称もIASのままになっている。そのため、新旧基準の総称として「IAS/IFRS」「IFRS/IAS」と表記されることがある。また、日本では新旧基準を併せて「国際会計基準」と表現することも多い。

 一般に日本で会計基準/会計原則というと一般企業を対象としたものとして認識されるが、IFRSは非営利組織や公共団体の財務諸表の作成と開示事項の基準としても適用できるようになっている。

 2007年8月には国際会計基準審議会(IASB)と日本の会計基準委員会(ASBJ)が、2011年6月30日までにIFRSと日本基準の相違をなくすこと(コンバージェンス)に合意したと発表しており、作業が進められている。

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