リーン生産方式(りーんせいさんほうしき)情報マネジメント用語辞典

LPS / lean product system / lean manufacturing

» 2005年01月16日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 1980年代に、マサチューセッツ工科大学(MIT)のジェームズ・P・ウォマック(James P. Womack)、ダニエル・T・ジョーズ(Daniel T. Jones)が、日本の自動車産業の強さを探るため、特にトヨタ生産方式を研究し、それを一般化・再体系化した際に用いた名称。leanとは「痩せた」「贅肉のない」の意味で、この場合「ムダのない生産方式」のこと。

 1980年代、米国の自動車業界も日本車の輸出攻勢にさらされ、危機に喘いでいた。こうした中、日本自動車メーカーの競争力の源泉は何か探るべく、1985年からMITを中心にしたIMVP(国際自動車プログラム)によって研究が行われ、1990年にその結果が「The Machine that changed the World」という報告書として公表された。

 この研究プロジェクトの中で、GMのフレミンハム工場とトヨタ自動車の高岡工場が比較分析された。GM工場が依然としてフォード生産システムによる大量生産を志向していたのに対し、トヨタの工場は多品種の製品を適量だけ生産することを目指しており、生産ラインで必要な分だけ部品発注をしたり、発注先の選定基準、外注会社と共同開発体制を敷いたりと多くの違いがあると指摘した。この生産方式を「リーン生産システム」と呼んだ。

参考文献

▼『リーン生産方式が世界の自動車産業をこう変える』 ジェームズ・P・ウォマック、ダニエル・ルース、ダニエル・T・ジョーズ=著/沢田博=訳/経済界/1990年11月(『The Machine that changed the World』の邦訳)


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