RPO(あーるぴーおー)情報システム用語事典

recovery point objective / 復旧時点目標 / 目標復旧時点 / リカバリポイント目標

» 2008年06月09日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 バックアップ/リストア作業やディザスタ・リカバリにおける指標で、バックアップ・データを取得するタイミング、ないし頻度のこと。災害や事故、障害の発生によるシステム停止時に、どの時点までさかのぼってデータを回復させるかを示す。

 一般に企業の情報システムの運用管理では、ハードウェア故障や論理障害などによるデータ喪失に備えて、データのバックアップを行う。障害が発生した場合はこのバックアップ・データからリストアを行うが、復元データは直近のバックアップ時の内容に戻ることになる。このデータ・リストアによってリカバリ可能な過去のある時点――すなわち、バックアップを取るタイミング(の予定、目標値)をRPOという。これはデータ鮮度を示すものであり、バックアップ計画を考えるうえでも重要な指標となる。

 バックアップ・ツールなどでは通常、「毎週○曜日の○時」「毎日○時」「○時間ごと」「○分ごと」「○秒ごと」のように、バックアップを実施する間隔として指定する。これは最大値であるため、実際の復旧時点はRPOの値よりも短くなる。

RPOのイメージ

 また、「毎日夜間に差分バックアップを、月に1度フルバックアップを行う」というように、内容とタイミングの異なるバックアップを行っている場合は、復旧を行う際にどの時点・どの内容のバックアップデータをベースに作業を進めるかを検討することになる。応急措置的復旧と本格的復旧でRPOの異なるバックアップ・データを利用することも考えられる。

 RPOは“この時点のデータ内容を保証する”ものだが、逆にいえばRPOを超えた時間はデータ復旧が保証されない期間(喪失許容期間)となる。予期せぬシステム障害による喪失データ量を少なくしたければPROの短縮が求められるが、一般にRPOが短くなればなるほど頻繁にバックアップを行うことになり、高価なバックアップ・システムが必要となる。

 RPOの短縮には、「レプリケーション」「ミラーリング」「定期スナップショット」などの技術が用いられ、“データ損失ゼロ”をうたうソリューションも存在する。

参考文献

▼『事業継続マネジメントの構築と運用の実践――事業継続計画(BCP)の上手な作り方』 KPMGビジネスアシュアランス=編/日科技連出版社/2006年4月

▼『コンピュータシステム災害復旧の対策――ディザスターリカバリ対策の構築』 谷井成吉=著/ダイヤモンド社/2006年9月


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