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「デバイス市場シェア14%」の挑戦者、新CEO時代のマイクロソフトはどう変わりつつあるのか日本のITエンジニアが「ヒーロー」になれる環境を共に創っていきたい

「企業が競争力を高め、イノベーションを起こすためにはITのパワーが不可欠」とは長く言われ続けているものの、実際に現場でITに関わるエンジニアの中には「理想と現実」のギャップを強く感じている人も多いのではないだろうか。技術を持ったエンジニアが正しく評価され、会社や社会の中で力を発揮していくためには何が必要なのだろう。日本マイクロソフト 執行役 デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長の伊藤かつら氏に話を聞いた。

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 エンジニアにとって、本当の意味でやりがいを感じられ、心の底から楽しめる仕事の環境、生き方とはどのようなものなのだろうか。

 日本では、2014年5月に日本独自の企画となるITエンジニア向けイベント「de:code」を開催し、同社の最新技術を披露した。しかし、主催者である日本マイクロソフトにとって、この「de:code」には、単なる「マイクロソフトの製品と技術をパートナーに紹介するビジネスイベント」以上の思い入れがあったようだ。

 その思いは、基調講演の最後に流されたビデオに凝縮されている。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

 「今、仕事として技術に関わっているエンジニアの皆さんの中には、次々と登場してくる技術へのキャッチアップや新たなビジネスニーズへの対応を負荷に感じている方もいらっしゃるかもしれません。でも、そういった方々にこそ、自分が最初に技術を知って、それに触れ、何か新しいものを作り出したときの楽しさ、興奮を思い出してほしい。最新技術に触れながら、自分が心から技術が好きだったんだということを、このイベントで再認識してほしい。あのビデオには、そうした私たちの思いが込められていました」

 こう話すのは、日本マイクロソフト 執行役 デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長の伊藤かつら氏だ。

 「エンジニアには、その手で新しいものを作り出してイノベーションを起こし、世界を変える力があると信じています」と伊藤氏は言う。それは、マイクロソフトという企業そのものの信条でもある。エンジニアがその力を十分に発揮できるようにするための環境作りは、同社の重要なミッションの一つであるという。

 「もちろん、そのためには、エンジニアの皆さんと共にマイクロソフト自身も、変わっていく必要があります」と言う伊藤氏に、マイクロソフトの今後の方向性と日本のエンジニアへ向けた思いを聞いた。

レベルの高いエンジニアが正しく評価されるためには?

――マイクロソフトは、日本のエンジニアの現状をどのように捉えているのでしょうか。


日本マイクロソフト 執行役 デベロッパーエクスペリエンス&エバンジェリズム統括本部長 伊藤かつら氏

伊藤氏 時々「日本企業はIT活用の分野で世界的に遅れをとっている」という意見を聞くことがあります。ユーザーの一部には、ITは価値を生み出すための「投資」ではなく「コスト」だと認識されている現状には問題があると感じています。エンジニアが仕事の中で時代遅れの技術を使い続けることを強いられて、労働価値も「何人月」といった形でしか評価されない。そういう風潮がいまだに根強く残っているのではないでしょうか。その状況そのものを変えていかなければ、日本のIT分野での閉塞感はなくならないでしょう。

 一方、世界的にはエンジニアの能力が正しく評価される環境があります。エンジニアが作った新たな技術やサービスがイノベーションを起こし、世界規模でビジネスになっています。

 IT分野では、これまでにできなかったことを可能にする新技術が続々と出てきています。エンジニアの方々は、新技術で作るサービスや新たなビジネスモデルが評価されることで「ヒーロー」になれると思っています。

――今「ヒーロー」という言葉を使われましたが、「ヒーローエンジニア」とは具体的にどういった人物なのでしょう。

伊藤氏 いろいろな「ヒーロー」像があると思いますが、まず、新しい技術や環境を目の当たりにしたときに、その人自身が心から「ワクワク」できるかどうかが大きいと思います。そして、その技術を自分のものとして即座に吸収し、既存の知識と組み合わせながら、より品質の高いもの、使い勝手の良い仕組みを考え出してしまう。さらに、それを実装して形にできる人は「ヒーロー」の素質が十分にあるでしょう。

 加えて、自分が技術を持っていることだけに満足せず、「技術で業務を、そして社会を変えるためにはどうすればいいか」を考える。仕事としてITに関わっている人なら「自分が扱う技術が、どれだけビジネスに価値を提供できるか」という視点で考え、行動を起こせれば、素晴らしいと思います。

 重要なのは、技術が本当に好きなエンジニアが、自分の技術力を使って世の中に働き掛ければ、それが正しく評価されるような環境があることです。そのためには、個々のエンジニアだけではなく、IT業界に関わる全ての人、そして技術や製品を提供するベンダーの意識が変わっていく必要あると考えています。

「挑戦者」となったマイクロソフト

――今、マイクロソフトも大きな変化の時期を迎えていますね。2014年2月に3代目のCEOとしてサティア・ナデラ氏が就任しました。新たなCEOの下で、企業としての意識はどのように変わったのでしょうか。

伊藤氏 ナデラの就任直後に、彼から全世界の社員に向けて「われわれにはチャレンジャー精神が必要だ」というメッセージが発信されました。

 これまでマイクロソフトは、PC分野で95%以上の強大なシェアを持つソフトウェア企業でした。しかし、タブレットやスマートフォンが急速に普及した現在、デジタルデバイス市場全体を見れば14%程度のシェアしか持たない企業になったのです。その現実を認め、「挑戦者」としての意識を持って技術革新や製品開発に取り組んでいかねばならないということをあらためて訴えたのです。

 実際、現場にいるマイクロソフト社員は「われわれは、すでに市場から“イノベーター”として技術革新を起こす企業と思われていない」という危機感を強く感じていますし、ナデラのメッセージを受けて、急速かつ大規模に製品戦略を変え始めています。

 変化のポイントは「クロスプラットフォーム」「マルチデバイス」そして「オープン化」です。

 ソフトウェアの分野では、Windowsだけではなく、AndroidやiOS、Mac OS Xといったプラットフォームも当然意識する必要があります。マイクロソフトのソフトウェアやサービスを複数のプラットフォームに対応させるとともに、開発ツールの「Visual Studio」も、「クロスプラットフォーム」「マルチデバイス」をターゲットとした開発が容易に行えるように取り組んでいます。

 「オープン化」についても、取り組みを強化しています。多くの方には「これまでマイクロソフトはオープン化に積極的じゃなかった」というイメージがあるかもしれませんが、実際はそうでもないんです。ただ、そうした取り組みを前面に出してこなかったのは事実なので、今後はさらに積極的にアピールしていきます。

 マイクロソフトによる「オープン化」への取り組みとしては「技術の標準化への貢献」「自社のプラットフォームによるOSSのサポート」「他のプラットフォームとの相互接続性の確保」といったいくつかの側面があります。こうした取り組みの成果は、クラウドプラットフォームである「Microsoft Azure」への反映といった形で、これまでも表に出してきました。2012年には、そうした取り組みを専門で推進する「Microsoft Open Technologies」という子会社を設立して、対応を加速しています。今後の新たな成果にも期待してほしいです。

10月2日のイベント生中継で「変わりつつあるマイクロソフト」を確かめよう

 このように、ナデラ氏のCEO就任で変わりつつある日本マイクロソフトは10月2日にイベント「de:code Special Edition」を開催する。11時20分から12時10分までの基調講演では、米国本社の新CEOサティア・ナデラ氏がエンジニアの未来について語る予定だ。

 こちらのイベントは、残念ながらすでに満席となっているが、ニコニコ生放送を予定しているので、視聴して「変わりつつあるマイクロソフト」は本当なのかを確かめてみてはいかがだろうか。

2014年10月27日追記

 こちらの生中継の模様を見逃した方は、下記リンクから録画された動画を視聴できるので、ぜひご覧いただきたい。

 ナデラ氏の基調講演のみならず、同日の12時40分から14時45分に生放送された「Mobile & Cloud World に生きる技術者に知ってほしい Mircosoft Technology 2014」も連続して視聴可能だ。ナデラ氏のメッセージを受けて日本マイクロソフトのエバンジェリスト5名がマイクロソフトの最新テクノロジを紹介している。

日本マイクロソフトからのセッションのご案内

ITの世界は時に、技術の変革、プラットフォームの更新など大きな変化の時期を迎えます。クラウドとモバイルの進化は開発から運用の世界をシームレスにつなぎ、そのスタイルをも変化させ続けています。それが Mobile First、Cloud Firstで形作る世界です。それはインフラの世界? それとも開発? このセッションでは、そういった相互の世界をひとまとめにしてご紹介します。皆さまと一緒に本気で次のITシステムの姿を考え、新しい形を見つけ出したいと思います。



提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年10月2日

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