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RPAと運用管理ツールの連携で実現する「ビジネスの運用管理」とは「攻めのIT」「経営への貢献」の具体像(2/2 ページ)

ビジネスの成果とITが直結している今、IT部門は「コスト削減」「システムの安定運用」だけではなく、「ビジネスへの貢献」が強く求められている。では近年、ビジネス部門が大きな関心を寄せているRPAやAIに対し、IT部門はどう取り組むべきなのだろうか?――2019年1月23日から販売開始された「JP1 Version 12」の新機能を軸に、「運用管理とは、システムの運用だけでなく、ビジネスの運用にまで拡大している」という現状を、伊藤忠テクノソリューションズ(以下CTC)と日立製作所との対談を通じて具体的に掘り下げる。

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『「点」をつなぎ「線」にするファーストステップ』の具体的中身とは?

編集部 2つ目の特長、「クライアント環境における業務実行の自動化」の制御・監視は、全く新しいポイントですね。「インフラ運用」が示す範囲が「ビジネスの運用」にまで拡大したことを受けた機能と感じます。

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図5 JP1のカバー範囲が、システム運用から「ビジネス運用」にまで拡大 《クリックで拡大》

渥美氏 そうですね。この点については、大前提の話からさせていただきたいのですが、まずCTCが考える「目指すべきITシステム像」として「自律化」があります。自律化はお客さまが求める理想のITシステムの姿でもあると考えています。「ビジネス運用」とは、自律化への過程のステップであると言えます。

 ITインフラの場合ですと、データセンターなどの「ファシリティ」、その中で稼働するサーバ、ネットワークなどの「ハードウェア」、その上で稼働する「ソフトウェア」「インフラを管理する人間」で構成されますが、「ソフトウェア」が「インフラを管理する人間」の代わりを行うことができれば、理論上「自律化」は実現できます。これは、基幹業務にせよ、オフィスのバックエンド業務にせよ、まったく同じです。例えば総務部にとっては、「オフィス」がファシリティ、「PC」がハードウェア、それに乗っている「ExcelやPowerPointなど」がソフトウェア、「それを使って結果を出す」のが人間です。

 JP1が近い将来に目指しているビジョンは、まさにこのソフトウェアの領域でコントロールを実施し、自律化を実現していくことだと理解しています。『ファシリティとハードウェアをそろえて、あとはJP1を入れることで、基幹業務からオフィスのバックエンド業務まで、JP1で一元管理・自律化できるようになる』というビジョンです。これが実現できれば、IT部門の在り方が根底から変わっていくと同時に、ビジネスの中心に存在するクリエイティブな部門になると思います。 その第一歩として、「ビジネス運用」の領域に踏み出すことは、非常に価値のあるものだと考えています。

編集部 JP1は「ビジネスの運用管理ツール」というわけですね。

渥美氏 JP1はジョブスケジューラとして圧倒的なシェアがありますが、前述のように、JP1/CPAとJP1/CPA for AJS3によって、基幹業務だけではなく、RPAを使ったバックオフィス業務に対象範囲が拡大しました。これは将来ビジョンに向けた第一歩としては大きなことなのです。われわれは20年にわたってJP1の販売を手がけていますが、ジョブスケジューラによる自動化は、業務のほんの一部分にすぎません。実際、「業務全体を自動化していきたい」というお客さまは数多くいらっしゃいます

 一方、われわれはRPAの導入支援も数多く手がけていますが、冒頭での話のように、一般的には、部分的に業務を肩代わりする「点」として導入するケースが多くあります。ポイントソリューションとしてRPAを導入するフェーズから、さらに業務プロセスも踏まえた自動化、いわゆる「線」に向けたステップに進みつつあります。この「点」をいかに「線」としての自動化につなげていくか――CTCのノウハウとJP1を組み合わせることで、ビジョンに向けたファーストステップを実現できるわけです。

ジョブスケジューラとRPAを組み合わせて統合管理

編集部 つまり「JP1/CPAを活用したソリューション」をCTCが提供するということですね?

渥美氏 はい。提供予定のソリューションは「JP1/CPA」と「弊社取り扱いの主力RPA製品」、そこに「弊社の自動化ノウハウ」の3つを組み合わせた新しいソリューションです。このソリューションでは大きく2つのメリットを提供できる予定です。

 1つ目は、RPAを導入するユーザーさまに対して、高い運用/管理性を提供できるようになります。具体的には、RPAのロボットをJP1/CPAを介してJP1/AJS3から管理できるようになります。これにより、細かな予実管理やジョブネットの利用ができるようになります。また、RPAロボットの実行結果は、監視システムなどと同様にインテリジェント統合管理基盤(IM2)にて管理できるようになるので、一元的な運用管理環境も実現できます。

 2つ目は、JP1/AJS3の自動化範囲を拡大できます。具体的には、今までのジョブスケジューラでは自動化が難しかった画面操作などを、RPAのロボットと連携することで実施できるようになります。幾つかの制限は付きますが、JP1/AJS3で実現する自動化の範囲が飛躍的に拡大されます。

編集部 まさに「インフラ運用」の意味合いをバックオフィス業務にまで拡大する「これまでにないソリューション」と言えそうですね。ただ、「線」にすると言っても、「全てを自動化」することを忌避する傾向もあります。

渥美氏 はい。今までにない、新しい視点でのソリューションに仕上がる予定ですので、期待していただければと思います。自動化において、人の介在有無は効率性とトレードオフの関係です。自動化する業務内容にも依存しますので、一概に申し上げるのは難しいのですが、「自動化+人による判断(確認)」という動きがベストとなる場合も出てくると思います。このような判断には、さまざまな知見から導かれる客観的なアドバイスが有効です。ぜひ、CTCをパートナーとして使っていただけると幸いです。

編集部 今回は「インフラ運用」の意味するところが「ビジネスインフラの運用」に拡大していること、またJP1/IM2、JP1/CPA とRPAの連携により、それを実現できることをお伺いしました。最後にメッセージをいただけますか?

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JP1とCTCの知見によって、まさしく「ビジネスとITを連携・一元的に運用する仕組み」を提供することで、「攻めのITへの変革を支援したい」と異口同音に力説する両氏

黒田氏 「JP1 Version 12」は、IT環境全体の可視化や業務プロセスの自動化を促進するものであり、企業のデジタル変革を支援できる製品です。渥美さんのお話のようにCTCとの協業の下、AIやRPAを活用したソリューションも提供していきます。ぜひビジネスに直接的に貢献する「攻めのIT」への変革、ひいては自社のデジタル変革に、生かしていただければと思います。

渥美氏 CTCのビジョンとJP1の目指す姿は共通のものです。前述した「JP1/CPAを活用したこれまでにないソリューション」については、3月にリリース予定です。次回対談の際には、本日お話しできなかった詳細に関してお伝えしたいと思いますので、期待していただければと思います。



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提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社/株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2019年3月1日

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