コマンド
意味
データ
コネクション
の使用
必須
USER ユーザー名 指定したユーザー名でログインする
 
PASS パスワード ユーザーのパスワードを指定する
 
ACCT 課金情報 課金情報を指定する。課金情報は特定のシステムでユーザーの利用状況に合わせた課金のための情報収集を行うことを想定している。実装していない場合も多い
 
CWD ディレクトリ名 指定したディレクトリをカレントディレクトリとする。絶対パスか相対パスが使用できる
 
CDUP 1つ上位のディレクトリ(親ディレクトリ)をカレントディレクトリとする
 
SMNT オプション 指定した外部や他ディレクトリのファイルシステムをマウントする。実装されていないことも多い
 
 
QUIT ログアウトする
 
REIN コントロールコネクションをリセットする。ユーザーは再度ログインしなくてはならない
 
 
PORT IPアドレスとポート番号 データコネクションで使用するIPアドレス(通常はクライアント)とポート番号を指示する
 
PASV パッシブモードへの移行を指示する。サーバはデータコネクションで使用するIPアドレスとポート番号を表示する
 
TYPE 形式オプション 転送データの形式を指定する。

A:ASCII
I:Image(バイナリ)
E:EBCDIC など
 
STRU ファイル構造オプション 転送するファイルのファイル構造をオプションで示す。これはOSによりファイルシステム上のファイル構造には差異があるためで、この差異を吸収する役目を持っている。

F:ファイル構造(バイト志向の通常のバイナリ)
R:レコード構造(シーケンシャルなどのレコードイメージを持ったデータ)
P:ページ構造(インデックス化されたページ志向のファイル)

デフォルトはファイルである。ただし、実質上は汎用機などのためのオプションで、現在ではほとんど使用されることはない
 
MODE 転送モードオプション 転送モードを指定する。

S:ストリーム(バイトストリームによる転送)
B:ブロック(転送をブロックごとに行う)
C:圧縮(Run-Length手法による圧縮)

デフォルトはストリーム。ストリーム以外はほぼ使用されていない
 
RETR ファイル名 指定したファイルの内容をサーバから取得する
STOR ファイル名 指定したファイル名で、サーバへ送信するデータでファイルを作成する。同一名のファイルがすでにある場合には、上書きする
STOU STORと同様に指定したファイルを作成するが、すでに同一名のファイルがあった場合には、重ならないようなファイル名を自動的に付けて作成する
 
APPE ファイル名 サーバへ送信するデータを指定したファイルへ追加する。ファイルが存在していない場合は、新規作成する
ALLO ファイルバイト数 [R レコード/ページバイト数] あらかじめサーバー上で指定したバイト分領域を確保する。レコード/ページでも指定しなくてはならない場合は、オプションで指定できる(必要かどうかはOSに依存する)
 
 
REST マーカー ファイル送受信をファイルの途中から行える一種のレジューム(リスタート)機能を提供する。ただしこの機能は、マーカーと呼ばれる目印を、転送モードがブロックか圧縮の場合にのみ任意に挿入して、指定したマーカーの位置から再開できるという複雑な仕様なので、仕様通りに実装されている例は少ない。拡張仕様として、マーカーにレジュームの開始位置(ファイル先頭からのオフセット)をバイトで指定できるようにしている実装も存在する
 
 
RNFR ファイル名 指定したファイル名を変更する。変更元ファイル名の指定である。RNTOを続けて実行しなくてはならない
 
RNTO ファイル名 RNFRの後に実行される。RNFRコマンドで指定したファイルを、指定したファイル名に変更する。変更先ファイル名の指定である
 
ABOR 現在実行中のデータ転送をすべて中止する。データコネクションは破棄される
 
 
DELE ファイル名 指定したファイルを削除する
 
RMD ディレクトリ名 指定したディレクトリを削除する。ディレクトリ名には、絶対パスか相対パスが使用できる
 
MKD ディレクトリ名 指定したディレクトリを作成する。ディレクトリ名には、絶対パスか相対パスが使用できる
 
PWD 現在のワーキングディレクトリを表示する
 
NLST [ファイル/ディレクトリ名] [オプション] 現在のワーキングディレクトリ内のファイル一覧を表示する。ファイル名やディレクトリ名が指定された場合は、そのファイルやディレクトリの内容を示す。オプションにより、詳細表示が行える
LIST [ファイル/ディレクトリ名] 現在のワーキングディレクトリ内のファイル一覧を表示する。ファイル名やディレクトリ名が指定された場合はそのファイルやディレクトリの内容を示す。NLSTとの違いは、LISTでは属性を含めた詳細情報を表示する点である。ただし、OSに依存した結果かも知れないことに注意が必要
SITE コマンド 任意のOSコマンドを実行する
 
 
SYST システム名を表示する
 
STAT [ファイル/ディレクトリ名] 現在のシステムや転送状態の情報を表示する。ファイル/ディレクトリ名が与えられた場合は、その情報を表示する(NLSTなどとほぼ等価)
 
HELP コマンド一覧を表示する
 
NOOP 何もしない。サーバの稼動を確認するために実行される。常に正常終了する
 
別表1 FTPのコマンド一覧