
IFRSチェックリスト(1)
あなたの会社の準備は大丈夫?
IFRS導入チェックリスト
ダイヤモンド社
2010/7/29
自社のIFRS適用に向けた準備は大丈夫か? 要員、情報、費用、経営の4つの観点から準備状況を判断できるチェックリストを用意した。Yesの数をカウントしてほしい(週刊ダイヤモンド臨時増刊 2009年10月30日号から転載)
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自分の会社ははたしてIFRS導入の準備は整っているのかと不安になっている読者もいるはずだ。そこで、以下に専門家の知恵を借りて、チェックリストを用意した。質問項目の解説と併せて、活用してほしい。
【要員】 IFRS導入に向けた人員の準備が整っているか?
1.社内でIFRS担当者が 任命されている
YES ■ NO ■
2.IFRS担当は経理部だけでなく、他部門も巻き込んでいる
YES ■ NO ■
3.経理部の中に英語力のある人材がいる
YES ■ NO ■
【解説】IFRS検討にあたってはまず検討担当者の指名がスタートとなる。指名にあたっては、決算時に検討が止まってしまうリスクを考えると、兼任よりは専任のほうが望ましい。また、他部門の中では、特に必要不可欠なのがシステム部門のほうである。会社の業態やビジネス展開にもよるが、海外子会社もプロジェクトの早めに担当を指名することが望ましいだろう。検討にあたって、英文の原文解釈や海外子会社へのコンタクトが必要になることを考えると、会計の知識だけでなく、英語力がある人材を配しておいたほうが望ましい。このほか、チェック項目には入れていないが、日本以外の会計基準で財務諸表を作成したことのある経験者がいれば心強いだろう。
【情報】IFRSに関する情報収集を始めているか?
4.IFRSにまつわる出版物、刊行物などを会社で購入している
YES ■ NO ■
5.外部のセミナーなどに関連部署の人間が出席している
YES ■ NO ■
6.社内で任意、強制にかかわらずIFRSに関する勉強会を開いている
YES ■ NO ■
7.外部アドバイザー(監査法人やコンサルタント)に相談している
YES ■ NO ■
【解説】情報収集で手っ取り早いのは、出版物や刊行物を読むことである。最近では大規模な書店で専門コーナーが設置されているほどだ。もちろん、一般的、網羅的に記述されているケースが多いため会社の業態に即しているとは言いがたい。監査法人やコンサルティング会社などが主催するセミナーに出席するのも有用な情報源といえる。Q&Aセッションなども設けられているため、疑問点なども解消しやすい。社内で適宜、勉強会が開かれていれば、さらに心強い。少なくとも社内で意識の共通化を図ることができるからだ。ただし、それでも専門家の知恵を借りなければ具体的な解決につながらないことが多い。身近な専門家といえば、自社の外部監査人が挙げられるが、様々な検討領域への発展も考え、他の監査法人やコンサルタントの登用も考えられる。
【費用】会社がIFRS準備のための費用を考慮しているか?
8.外部のセミナー出席のための 費用を確保している
YES ■ NO ■
9.外部からアドバイザーを 起用する予算を見込んでいる
YES ■ NO ■
【解説】外部セミナーの参加費は、通常、1日の集中セッションで数万円程度。経理部の人間が複数出席するとなると、ある程度のコストは覚悟しなければならない。こうした予算枠が確保してあるかどうかは、機動性にも影響するだけに確認したいところだ。また、本格的なプロジェクト体制の立ち上げに当たっては、監査人などの外部アドバイザー抜きに行うのは困難である。そのコストを織り込んだ来年度予算になっているかどうかは、注目すべきポイントであろう。3月決算の会社であれば、年末辺りから本格的な来年度予算の編成に入ることから、どのような方針で来年度以降に取り組んでいくか、大まかな方針の検討が必要な時期に来ているとも言える。

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