EMC、法人向けオンラインバックアップで新サービスSaaSプラットフォーム「EMC Fortress」上で提供

» 2008年01月23日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]

 ストレージベンダ大手の米EMCは1月22日、法人向けオンラインバックアップサービス「MozyEnterprise Powered by EMC Fortress」を開始した。北米地域以外へのサービス提供は2008年末を予定している。MozyEnterpriseは、同社がSaaSアプリケーションをホストするプラットフォームとして開発した「EMC Fortress」上で稼働する初のSaaSアプリケーションとなる。

 MozyEnterpriseは、同社が2007年10月に買収したベンチャー企業、米バークレイ・データ・システムズの「Mozy」をベースにしたサービス(参考記事:オンラインバックアップサービス「Mozy」を使ってみた)で、デスクトップPCやサーバのデータをオンラインストレージ上にバックアップできる。バックアップはポリシーに基づいてスケジュール化できるほか、差分バックアップに対応する。ネットワーク上で送受信するデータは暗号化される。

 クライアントPC向けサービスはWindows XP/Vistaをサポートし、1台当たり月額5.25ドル。これに使用容量1GB当たり0.7ドルが加算される。サーバ向けはWindowsサーバの2000/2003をサポート。利用料は1台当たり月額9.25ドルで、これに使用容量1GB当たり2.35ドルが加算される。Windows以外のOSのバックアップには対応していないほか、データベースや業務アプリケーションレベルでのバックアップには現時点では非対応。このため主なターゲットは、データセンターや大企業の業務システムではなく、企業内のデスクトップPCや中堅・中小規模のITシステムと見られる。すでに米GEがデスクトップPCのバックアップにMozyProを利用するなど、大企業での利用例もある。

 これまでに提供されている個人向けサービスのMozyHomeやMozyProと比較すると、EMCが買収したRSAのセキュリティ技術を用いて暗号鍵の管理スキームを強化したことや、法人向け機能を強化したことが上げられる。法人向け機能としては、クライアントPCへの配備とアクティベーションを自動化する機能やプロキシへの対応、2TBまでの大規模データの初回バックアップを、ネットワーク経由ではなく物理メディアで行う方法への対応などがある。

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