HPが「あじの開き」サーバ、サーバ2台を1台サイズに格納本体と蓋にサーバ部品を搭載

» 2008年05月26日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は5月26日、2つのサーバを1台分のサーバブレードのサイズに格納したサーバブレードの新製品「HP ProLiant BL2x220c Generation 5」を6月下旬に出荷開始すると発表した。従来のブレードサーバと比較して、同じ面積に2倍のサーバブレードを格納できる。サーバ台数を増やしてユーザー数の増加などに対応するスケールアウト型のシステムに対応する。

 BL2x220cは同社のブレードエンクロージャ「c7000」「c3000」に格納できるハーフハイトのサーバブレード。1台分のサイズに独立した2台のサーバノードを格納した。サーバ本体とサーバの蓋部分にそれぞれのサーバ部品を載せている。HPは「あじの開きのようにぱかっと開く」と説明する。

BL2x220cの内部。本体部分と蓋部分がそれぞれサーバとして機能。本体部分と蓋部分を併せてエンクロージャに格納する

 サーバノード単体には標準で、電源スイッチ、2基のクアッドコア インテル Xeon プロセッサ 5400ファミリ(デュアルコア Xeon 5200にも対応)、1基の120GBハードディスクドライブ(SATA)、4GBのメモリ(最大16GB)を載せる。サーバノードは管理ソフトウェアから別々に見え、別々の構成にすることも可能。BL2x220cを載せる場合、c7000には最大32サーバノード、c3000には16サーバノードを格納できる。ラックマウント型と比べると同じ面積に3倍のサーバを納めることができるという。

BL2x220cの構成

 価格は標準構成で73万5000円(税込)。同構成のBL260c、BL460cを2台購入するのと比較しても割安だという。日本HPのエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部マネージャの宮本義敬氏は、「半導体設計システムなどは1案件で500台くらいのサーバが必要になり、さらなるサーバスペースの削減が求められている」と説明する。限られたスペースで数多くのサーバを稼働させる必要がある科学技術計算分野や、ユーザー数の増加に従って大量のサーバが必要になるSNSなどのWeb 2.0企業に売り込むという。

 HPは同日、クアッドコア Xeonプロセッサを最大4基搭載するラックマウント型サーバ「DL580 G5」の新モデルとして、クアッドコア Xeon E7310を標準で1基搭載する「DL580 G5 1プロセッサモデル」を6月下旬に出荷開始すると発表した。従来モデルの最小構成はプロセッサが2基、メモリが4GBで、価格は136万3950円だった。1プロセッサモデルはプロセッサを1基、メモリを2GBにすることで価格を49万9800円に抑えた。データベースなどスケールアップ型のシステムに活用するサーバで、初期投資を抑えながら業務の拡張に合わせてプロセッサを最大4基まで増やすことができる。HPは「プロセッサを4基搭載できるサーバで最小構成が50万円を切る製品は他社にはない」と話している。

 

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