オラクル、IBM、アシストの3社が仮想化ソリューションで協業Oracle VMとIBMのサーバ製品の組み合わせを検証

» 2008年07月10日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 アシスト、日本アイ・ビー・エム、日本オラクルの3社は7月10日、オラクルのサーバ仮想化ソフトウェア「Oracle VM」を活用した仮想化ソリューションとITインフラ領域において協業すると発表した。

 協業では、Oracle VMとIBMのサーバ製品の組み合わせ検証などをメインとした「技術検証」や「販売・サポート」を実施。さらに、Oracle VMとIBMのサーバ製品の組み合わせを推進するためのコンソーシアム「アシスト・IBM・オラクル仮想化アライアンス」を設立する。

 技術検証では、オラクルとパートナーの検証施設である「Oracle GRID Center」や、オラクルとIBMの共同技術センターである「IBM オラクル コンピテンシー・センター」において、最新機器の検証を行う。具体的には、IBMのサーバ製品「IBM System x」や「IBM BladeCenter」、ストレージ製品「IBM System Storage」とOracle VMの組み合わせ検証や、推奨構成の作成を実施する。日本アイ・ビー・エム 理事 モジュラー・システム事業部長 諸富健二氏は、「IBMとオラクルは20年来の協業体制を敷いており、世界26箇所で9000人の人員がIBMサーバとOracle Databaseの検証を行っている。今回もその流れを汲んだものだ。今回のIBMサーバとOracle VMの検証では、3社から30人程度のエンジニアを投入して検証を行う」と説明した。

集合写真 左から日本IBM 理事 諸富健二氏、アシスト 取締役 大塚辰男氏、日本オラクル 常務執行役員 三澤智光氏

 販売・サポートにおいては、3社100名体制で販売を行い、サポートは30名体制で臨む予定。前述の検証に基づいて、検証済みのIBMサーバとOracle VMを組み合わせたパック製品などを提供するほか、パートナー各社へは検証のフィードバックを随時行っていくという。アシストが主体となって提供する仮想化導入サービスでは、アシストがOracle VMの導入サポートなどを行う「開発環境およびテスト環境への仮想化導入支援サービス」や、データベース診断サービスと組み合わせた「エンタープライズ環境への仮想化導入支援サービス」、最新のOracle 11gの新機能との組み合わせを提供する「Oracle 11gの新機能を活用した仮想化導入支援サービス」などを提供する予定となっている。

 アシスト 取締役 大塚辰男氏は、「検証済みの製品を提供することで、ユーザー側での検証をしないで済むことから、導入期間は従来の4分の1程度にまで減らすことできる。今後、サービス提供により、まずは年内に100案件以上取っていきたい」と意気込みを語った。

 3社で設立したコンソーシアム「アシスト・IBM・オラクル仮想化アライアンス」は、アシストが事務局となり、IBMサーバとOracle VMの組み合わせを推進していく団体。現在、ジャストシステムや電通国際情報サービスなど、14社が賛同しているとした。「8月にはアライアンス設立総会を開催し、8月下旬にはアライアンスのWebサイトを立ちあげたい。目標は年内50社だ」(大塚氏)とした。

 日本オラクル 常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏は、「Oracle VMは無料ということもあり、提供を開始した3月以降かなりの数が利用されている。有料サポートの導入数も順調に増えている。今回の取り組みで重要なのは、“PCサーバの仮想化”だけでなく“エンタープライズサーバの仮想化”もサポートしていくという姿勢だ。すでにIBM System xとOracle VMの組み合わせ事例は存在しており、国内のかなり大手企業において、検証・研修用のサーバにOracle VMを導入し、12台のIAサーバを4台に集約した実績がある。その4つのIAサーバで13の仮想マシンを稼働している。この事例のようにワンストップでサービス提供できるのは大きな強みだ」とコメントした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ