ITフロンティアがSaaS参入、仮想サーバ7台で運用コンテンツ管理システムを無償ベータ提供

» 2008年10月07日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 アイ・ティ・フロンティア(ITフロンティア)は10月7日、「OluOlu」(オルオル)のブランドでSaaS事業に本格参入すると発表した。アプリケーションの第1弾として企業コンテンツ管理(ECM)システム「OluOlu CABINET」の無償ベータ公開を始めた。OluOluはハワイの言葉で「快適な」の意味という。

 SaaSアプリケーションを稼働させるためのプラットフォームとして「OluOlu PLATFORM」を構築した。アプリケーションを疎結合するエンタープライズ・サービス・バス、統合マスタ管理、統合認証管理、JavaやFlex対応のアプリケーション・フレームワークの機能があり、SaaSアプリケーションの開発と運用を支援する。ITフロンティアの自社アプリケーションを順次追加するが、他社アプリケーションの対応も検討する。

「OluOlu」の構成(OluOluサイトから)

 ITフロンティアによるとベータ版提供時は、インテルベースの3台の物理サーバ上に、仮想化技術「Virtual Iron」で7台の仮想サーバを構築して運用している。2009年3月の商用サービス提供時には14台の仮想サーバを用意する計画。ITフロンティアが扱うVMwareによる仮想サーバや、日本IBMのメインフレームサーバ「IBM System z」による仮想サーバの運用も計画している。System zの運用では、ITフロンティアが提供しているLinuxホスティングサービス上で、メインフレームOS「z/VM」によって論理区画を設けて仮想サーバを運用する。

 第1弾アプリケーションの「OluOlu CABINET」は企業が保有する文書を安全に管理、共有できるECM。オープンソースソフトウェアのECM「Alfresco」をベースに開発した。日本版SOX法対応のテンプレート「OluOlu CABINET/J-SOX」も提供する。ITフロンティアはSaaSアプリケーションの入り口として機能し、Googleガジェットなどの追加も可能なポータルサービス「OluOlu START」も提供開始した。

 価格はベータ提供時は無償。2009年3月以降の商用提供時は、1社当たり月10万円と加えて1ユーザー当たり月3500〜5500円の課金を予定している。ITフロンティアは2013年度にはSaaS事業で年間100億円の売り上げを見込んでいる。

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