内部統制の仕組みで環境経営も、富士通が新コンサル「リスクユニバース」で文書化

» 2009年01月23日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 富士通と富士通総研は1月23日、顧客企業の環境活動を評価し、改善提案を行うコンサルティングサービスを新たに開始すると発表した。COSOフレームワークなど内部統制整備の仕組みを環境活動の評価、改善に組み込むのが特徴。富士通総研の常務取締役 伊藤大挙氏は「内部統制のリスク管理の考えを中核に据えて、環境活動における信頼性を保つ」と話した。

富士通の常務理事 環境本部長 高橋淳久氏

 新たに提供するのは「環境経営評価・改善コンサルティング」と、「環境保全活動評価・改善コンサルティング」。いずれも「環境経営の継続的な高度化を支援する」(富士通の常務理事 環境本部長 高橋淳久氏)サービスで、「環境を経営戦略に取り入れて、企業の新たな成長力とする」(同氏)ことを狙う。

 環境経営評価・改善コンサルティングは、顧客の環境活動を統合的に評価し、改善活動を行う。富士通、富士通総研は内部統制のフレームワークであるCOSOフレームワークと、ERM(エンタープライズ・リスク管理)のフレームワーク、GRI(Global Reporting Initiative)のCSR報告書についてのガイドラインなどを組み合わせて、独自の「環境経営フレームワーク」を開発した。

COSOフレームワークなどをベースに開発した環境経営フレームワーク」

 コンサルティングではこの環境経営フレームワークに基づき、約100の評価項目を設定。アンケートやインタビューによって企業の環境活動を評価し、改善、モニタリングというPDCAサイクルを回していく。また、内部統制整備における「リスクコントロールマトリクス」に似た形式の「リスクユニバース」を作成し、環境活動におけるリスクと、それに対する対策を洗い出して文書化する。

 もう1つの環境保全活動評価・改善コンサルティングは環境活動のうち、研究開発、調達、生産など業務プロセスのフェイズごとに環境上のリスクを抽出して、環境負荷の低減を提案するサービス。同時に業務の効率化など経営視点での提案も行う。

 両コンサルティングサービスとも4月1日から提供開始する。価格は個別見積りだが、3カ月のコンサルティング期間の場合で1000万円程度。コンサルティング単体では2011年度末までに累計30億円、関連ITソリューションの販売を併せて累計で330億円の販売を目指す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ