効果的なIT投資には業務の可視化・改善サイクル実施が有効日本BPM協会が調査

» 2009年01月29日 00時00分 公開
[鈴木崇,@IT]

 日本BPM協会は1月28日、プロセス志向イノベーション推進会議とともに昨秋に行った「業務の可視化・改善力に関する実態調査」の結果概要を発表した。業務の可視化に積極的な企業は、市場が低迷する中でも業績好調だということなどが判明した。

 この調査は、企業における事業環境、企業業績、IT投資、組織能力、可視化・改善サイクルなどの相互関係をとらえることを目的に実施されたもので、日本の主要企業約2500社の業務改革部門・経営企画部門にアンケートを送付し、257社から有効回答を得た。

 報告によると、業務の可視化・改善サイクルを高いレベルで回している企業は、市場低迷下にあっても、その42%が売上高成長率・営業利益率で業界上位の業績だった。成長市場ではこうした傾向は見られず、業務の可視化・改善サイクルは市場低迷下において真価を発揮すると見られる。

 また、業務の可視化・改善サイクルを回している企業の5割強が「プロセス志向土壌」が豊かだった。プロセス志向土壌とは、企業の制度や文化、社員1人1人のマインドを意味する。従業員が仕事のつながりや意味合いを理解して業務を行っていれば、土壌が豊かと判定される。こうした企業はIT投資と業績の高さに関係性が見られるが、これは個々人が「ITをなぜ使うのか」を理解しているからと考えられる。これに対して業務の可視化・改善サイクルが低レベルの企業では、プロセス志向土壌が豊かなところは1割にも満たなかった。

 ここから、業務の可視化・改善サイクルを回す企業が、プロセス志向土壌を豊かにし、IT投資を高い業績につなげていると分析している。

 また、BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)の手法やツールを導入・実施している企業の86%は、可視化・改善サイクルが高いレベルで回っていた。ここから、BPMは業務の可視化・改善サイクルの向上に効果的だとしている。

 調査の詳細は、2009年2月17日開催予定の「プロセス志向イノベーションフォーラム」で発表・配布される。

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