インフォア、既存ユーザーにSOAコンポーネントを無償提供職務に応じたユーザーインターフェイスを提供

» 2009年02月05日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズ(以下、インフォア)は2月5日、同社のSOA戦略である「Infor Open SOA」コンポーネントの第1弾として「Infor MyDay」を発表した。日本語版は2009年8月ごろにリリースされる予定だ。

ゴードン氏写真 米インフォア CTO ブルース・ゴードン氏

 Infor MyDayは、インフォアのアプリケーション製品向けのSOAコンポーネントで、職務に応じたユーザーインターフェイスを提供できるというもの。既存のインフォア製品の保守継続ユーザーに対して、無料で提供する。

 インフォア 代表取締役社長 村上智氏は、「Infor MyDayには大きく分けて3つの特徴がある。『無料』『共存』『分散型ビジネスネットワーク』だ。既存ユーザーに無料で提供するほか、バージョンに関係なくすべてのインフォア製品やユーザーが自製したシステム、他社製品との連携を実現した。また、ビジネスモデルの変更に柔軟に対応できるようにした点も大きい」と、特徴を説明した。

 インフォアは3年前に6カ年計画を作り、その中で同社のSOA戦略「Infor Open SOA」を策定したという。Infor Open SOAでは、標準化団体OAGi(Open Applications Group)が策定したビジネス言語「OAGIS標準」を用いているほか、Ajaxなど可能な限り標準ベースの開発ツールを用いてオープン性を保っているという。

 米インフォア CTO ブルース・ゴードン(Bruce Gordon)氏は、この点について「Infor Open SOAを作る際に重視したのは、『無償で使えなければならない』『過去バージョンでも利用できなければならない』『既存システムと共存できなければならない』という点だった。そのコンセプトはInfor MyDayでも実現されている」と説明した。

画面イメージ 「Infor MyDay」の画面イメージ。役職に応じて必要な機能をカスタマイズして表示し、クリックするだけで連携先のアプリケーションを閲覧できる

 Infor MyDayを導入することで、役職に応じたTOPページをポータル上でカスタマイズすることが可能となり、例えば営業担当の場合、自分のトップページには「部下の経費承認」や「出荷時期アラート」などが表示される。そして、その部分をクリックすることで「工場で生産の遅れが発生している」といった状況を調べることが可能となる。この際、ワークフローアプリケーションや工場でアラートを発しているアプリケーションは、インフォア製品以外でも連携可能な点が特徴だ。

 また、インフォアではInfor MyDay対応のERPとして、組み立て製造業向けERPの拡張パッケージ「Infor ERP LN Feature Pack 5」を2月27日より提供開始すると発表した。Infor ERP LNは、組み立て製造業が必要とする業務機能を統合するERPパッケージで、その機能拡張版であるFeature Pack 5では、サプライチェーンにおける高度なコラボレーションを実現するほか、組み立て作業の計画や管理機能を強化したという。また、Infor MyDayに対応することで、さまざまなアプリケーションとの連携を可能にしているという。価格は1ユーザー当たり25万円から。

 村上氏は、「当社のターゲットユーザーである自動車や航空業界は非常にいま辛い状況にあり、IT投資が落ち込んでいるといわれているが、それでも『経営の見える化』や『グローバルなITガバナンス』『従来のやり方にこだわらず、安く早く実現する方法』などを模索している。その手助けとして当社製品や今回のInfor MyDayが役立つはずだ。まずは年内にInfor MyDayの80社導入を目指す」と抱負を語った。

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