「40%の成長を」、日本プログレスがSOA事業強化へ製品、サービスでソリューション中心に

» 2009年02月16日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SOA関連ミドルウェアを販売する日本プログレスは2月12日、同社設立を記念したイベントを開催した。米本社の副社長 スコット・デヴェンス(Scott Devens)氏は「日本では今年40%の成長を期待している」と話し、2008年12月に設立された日本法人 代表取締役社長の田上一巳氏は「多くの製品を1つのプログレスとして提供できる環境が整った」と成長への自信を示した。

 米プログレスは1987年に設立された企業。当初はメインフレーム向けのソリューションを得意としてきたが、2002年からは買収戦略に転じ、eXcelonやDataDirectなどを買収してきた。特に2008年にはIONAテクノロジーズなど3社を買収するなど積極的な姿勢を見せている。各社の日本法人も合併することで成長を続け、2008年12月にはソニックソフトウェアとデータディレクトが統合し、日本プログレスが誕生した。IONAの日本法人だった日本アイオナ・テクノロジーズは別会社として残っているが、田上氏が代表取締役社長を兼任し、一体的な経営を行っている。

米プログレスの副社長 ワールドワイドセールス&フィールドオペレーション スコット・デヴェンス氏
日本プログレスの代表取締役社長の田上一巳氏

 歴史があり、企業買収も続けてきたことで扱うアプリケーションは5000以上にのぼる。その中で現在注力するのは「インフラ系のミドルウェア」、特にSOA関連だ。日本では「DataDirect」「SONIC」「IONA」の製品ブランドを主に展開する。ただ、「テクノロジを売るのではなく、ソリューションを販売する」とデヴェンス氏は話した。製品とサービスを組み合わせて「ゼロダウンタイム・インテグレーション」「リアルタイム・ビジネス・ビジビリティ」「アプリケーション・モダナイゼーション」などを提供している。

 田上氏もソリューション販売を日本市場で強化することを説明した。「製品中心では顧客のニーズを見誤ったり、競合ベンダとのスペック競争に陥る危険がある」として「製品中心から市場中心に移行し、顧客の課題を解決するソリューションに取り組む」と強調した。間接販売中心の日本では特にパートナーに対するサポートを強化すると説明。「単独のイベントではなく、プロセスとして顧客、パートナーを支援する」と話した。

 SOA関連ソリューションはIBMやオラクルなどがベンダの買収を続けていて寡占化が進んでいる。しかし、田上氏は「1つの色に染まらないSOA環境を構築できる」と話し、独立系ベンダのメリットを訴えた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ