人間系でカバーしてきたすき間を埋める成果物共有ソリューション富士通が「GLOVIA smart 製造 ECM」を販売開始

» 2009年02月19日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 富士通は2月19日、中堅製造業向けに図面や文書などの成果物を共有できる成果物共有ソリューション「GLOVIA smart 製造 ECM」の販売を開始した。年商30億〜300億円程度のアッセンブリ製造業者が主な対象で、同社のPRONESユーザーを中心に今後3年間で1000本の販売を目指す。

鈴木氏写真 富士通 中堅ソリューション事業本部 GLOVIA smartビジネス推進部 統括部長 鈴木俊久氏

 GLOVIA smart 製造 ECMは、これまで設計や購買、製造などの工程別に管理していた図面や文書などの成果物を共有し、基本となる「図面目録」と紐付けることで一元管理することを可能とした製品だ。富士通 中堅ソリューション事業本部 GLOVIA smartビジネス推進部 統括部長 鈴木俊久氏は、「この製品は『選べる』『つながる』『見える』の3点を重視した。中堅企業の予算を考えると、システムを一斉に入れ替えるのは難しい。従って、必要に応じて選んで入れられることが重要だ。また、既存システムが存在している現状では、システム同士がつながらなくては話にならないため、柔軟につながる点も重視した。また、会社経営に役立つシステムが求められていることから、経営全体が見渡せることも重要だ」と説明し、GLOVIA smart 製造 ECMの特徴をアピールした。

 製造業では現在、さまざまな問題を抱えているという。例えば、設計部門では「過去の類似物件の図面や部品表がうまく探せない」、調達部門では「設計変更情報がうまく伝わらず、誤手配や手配漏れが発生する」、製造部門では「必要なときにすぐに最新図面を参照できない」といった問題が山積している。従来は、これらの問題が発生した場合、FAXや電話などでやり取りし、いわゆる“人間系”がカバーしてきた。このような部分をシステムでカバーするのがGLOVIA smart 製造 ECMだという。

 同 GLOVIA smartビジネス推進部 担当部長 大澤尚氏は、「GLOVIA smart 製造 ECMはいわゆる基幹系システムではなく、基幹系をサポートするためのソリューションだ。いままで人間系がカバーしていた部門間のすき間を埋める潤滑油の役割になるものだ。従来、紙や電話、FAXなどでやり取りしていたデータをGLOVIA smart 製造 ECM上で共有し、必要な人が必要なときに取り出せるようにしたい」と説明した。

 具体的には、図面や文書といった「製造業で利用される成果物」を一元的に管理し、営業、設計、調達、製造など、製造業でかかわるすべての部門でこれを共有できるようにする。また、成果物を部品表に紐付けることで、図面の番号や品目名称などを簡単に検索できるようにする。「図面作成時に、図面に付帯する情報を図面目録として登録しておくのがこの製品のミソだ。この図面目録にさまざまな情報が入力されているので、他部門がさまざまな条件で検索しやすくなっている」(大澤氏)。

 また、同社の生産管理ソリューション「GLOVIA smart 製造 PRONES」や既存の生産管理システムとの連携を低コスト、短期間で実現できるという。これにより、設計と生産工程の双方から同じ成果物を共有できるようになるとした。価格は、10クライアントライセンス付きで140万円から。

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