iPhoneと同等の革新性で後進でも大丈夫〜ジュニパーエンタープライズスイッチ「EXシリーズ」の最新動向を説明

» 2009年03月13日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ジュニパーネットワークスは3月13日、2008年に発表したエンタープライズ向けスイッチ製品「EXシリーズ」の現状を解説するとともに新製品「EX8200シリーズ」を発表した。説明したのは、ジュニパーネットワークス アドバンスト・テクノロジ事業部門 アジア太平洋地域担当ディレクター グレッグ・ブント(Greg Bunt)氏。

 ブント氏はまず、「なぜジュニパーがいまごろになってスイッチ市場に自社製品で参入したのか、という問いに答えたい」とし、「確かに現在このエンタープライズスイッチ市場には大手1社と中堅企業7社の競合がすでに存在している。それに対して、当社が参入する場合、『パートナーと協業する』『買収する』『自社開発する』の3つの選択肢があった。しかし、当社の最大の特徴である“コアルータの技術”と“JUNOS”を生かすためには、自社開発の道が最適であると判断したのだ。それが2006年の時点だ」と説明した。

ブント氏写真 米ジュニパーネットワークス アドバンスト・テクノロジ事業部門 アジア太平洋地域担当ディレクター グレッグ・ブント氏

 そして市場参入が遅すぎるという指摘に対しては、「アップルのiPhoneは、携帯電話業界では遅すぎる参入だった。しかし、製品の独自性で見事にシェアを拡大している。当社製品もコアルータ技術の安定性とJUNOSという革新的な技術や管理性をスイッチ市場に投入することで、iPhoneと同じような存在感を出している」と答えた。実際、EXシリーズは2008年順調に売り上げを伸ばしている。

 2008年第1四半期にEX3200/4200シリーズをリリースした後、第2四半期のEXシリーズの売り上げは1000万ドル。第3四半期は前期比80%増の1800万ドル、第4四半期は同56%増の2800万ドルに上ったという。顧客数は第4四半期時点で370社となり、このうち30%程度が新規ユーザーだった。また、この購入者の50%以上がEXシリーズ以外の、セキュリティ製品やルータ製品も同時に購入したという。この点についてブント氏は、「新規ユーザーを獲得できただけでなく、半分以上のユーザーがほかの製品も購入している点は大きい。これにより、クロスセールやアップセールも成功した」と解説した。

 EXシリーズの地域や業界ごとの売り上げでは、地域別では、米国が55%、欧州などが25%、アジア太平洋が20%だった。業界別では、通信系が一番多く19%、政府系が18%、教育が17%、金融が17%と続いた。アジア太平洋地域の業界別を見ると、政府系が一番多く23%、続いて通信系が19%、教育と金融が16%と続いた。「政府系や金融系は保守的で、なかなか新機種や新規参入製品は導入しないものだが、かなりのユーザーが導入した。日本は国内メーカーで強いメーカーがいるなど特殊な環境ではあるが、JUNOSの強さなどをパートナー企業へ教育していくことで対抗していけるはずだ」(ブント氏)とした。

 続いて、ブント氏はEXシリーズの今後について説明。まずハイエンドのEX8000シリーズについて、「年内にEX8216に続く新製品を投入する予定だ」とコメント。各製品の位置付けについては、コア部分にはEX8200シリーズを、アグリゲーション/ディストリビューション部分にはEX4200/3200を、そして10/100/1000Mbpsをサポートするデスクトップスイッチ分野にも低コストな製品を投入するとした。

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