CIO関心事、1位「運用コスト削減」2位「ビジネスプロセス改善」ジュニパーとフォレスターが調査

» 2009年04月06日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ジュニパーネットワークスは4月6日、報道関係者向けの説明会を実施し、米フォレスター・コンサルティングが行ったCIOの問題意識に関する調査結果を解説した。説明したのは、米ジュニパーネットワークス ビジネス・ファイナンシャルアナリシス担当部長 キース・フォルター(Keith Falter)氏。

フォルター氏写真 米ジュニパーネットワークス ビジネス・ファイナンシャルアナリシス担当部長 キース・フォルター氏

 調査は、フォレスター・コンサルティングがグローバル企業のIT意思決定者206名を対象にオンラインで行ったもの。回答者は南北アメリカが32%、欧州が33%、アジア太平洋が35%、中東は1%だった。役職はCIOが35%、IT部長直下が28%、ITチームマネージャが37%だという。従業員規模は2万人以上が17%、5000〜2万人が29%、1000〜5000人が32%、250〜1000人が23%だった。

 フォルター氏によると、CIOの優先順位は1位が「運用コストの削減」で、46%のCIOが目標として挙げた。2位は「ビジネスプロセスの改善」で、同じく37%のCIOが目指しているという。同氏は、いまユーザー企業のCIOに訴求するためのポイントに「ユーザーのビジネスを成功に導くことが重要。CIOは投資とその効果のギャップを見定めてきた。ベンダ側はそのギャップを埋めなければならない」という点を挙げた。そして、そのギャップを埋めるために「ジュニパーでは、8億ドル以上の研究開発費を投じて技術面を磨いてきた。その結果、単一OSのJUNOSを提供できている。このテクノロジでギャップを埋めていきたい」と説明した。

 調査によると、大きく分けて「トラフィックの急増」「ネットワークのアップグレードの必要性」「帯域拡張だけでは問題解決にならない」「ネットワークの運用維持は複雑で時間がかかる」という点が明らかになった。トラフィックの急増では「調査対象企業では、平均で年間10〜30%のトラフィックが増えていた。多いところでは50%という企業もあった」(フォルター氏)という。これに伴い、ネットワークインフラのアップグレード間隔も短くなっており、45%のユーザーは更新期間が1〜2年短くなっているという。

 また、「帯域拡張だけでは問題解決にならない」や「ネットワークの運用維持は複雑で時間がかかる」といった点に関しては、VoIPや動画コンテンツなどの利用が増加したことによってネットワークインフラが複雑化しており、それに伴って運用オペレーションも複雑化したことが一因だという。「従って、帯域を拡張しただけではこの複雑化している問題は解決できない」(フォルター氏)とした。複雑化したことで、運用コストも上昇。調査によるとITシステム運用の50%程度がネットワークインフラのオペレーションにとらわれているという。

 「ルータやスイッチ、ファイアウォールなど機器ごとにOSが違うと、それぞれ別の作業をしなければならないし、当然パッチを当てる作業も別々のタイミングだ。それだけで、運用の効率を悪くしている。実際、調査結果では62%のユーザーが複数OSによる効率の悪さを認めている。また、同一ベンダで統一していても複数OSが混在するケースも多い。このようなベンダ側の都合で運用管理者の負荷を増やしているのも運用コストが増えている一因だろう」(フォルター氏)とした。

 実際フォレスターが、企業がスイッチやルータのOSを単一OSである「JUNOS」に絞った場合を試算したところ、スイッチやルータの運用コストを41%削減できることが分かったという。その点について、フォルター氏は「ダウンタイムの削減も重要なポイントだ。ダウンタイムが発生するとその修復作業だけでなく、顧客サポートやそのほかの作業でかなりのコストが発生してしまう。ダウンタイムを減らせるシンプルで堅牢なネットワークの構築を目指すことが結果として運用コスト削減につながる。その点、JUNOSはハイエンドルータで培った信頼と安定性が特徴であり、この点に応えられると自負している」と主張した。

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