「Javaと.NETの奇跡の協業」 イントラマートとMSが製品連携intra-martとOffice、SharePointが統合

» 2009年04月08日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 NTTデータ イントラマート(イントラマート)とマイクロソフトは4月8日、両社のソフトウェアを連携させるソリューションを開発したと発表した。連携させるのはイントラマートのシステム基盤「intra-mart」とマイクロソフトの「Microsoft Office」「Microsoft Office SharePoint Server 2007」で、エンドユーザーはOfficeをフロントエンドにワークフロー処理ができるようになる。

 開発したのは「intra-mart Microsoft Office 連携ワークフロー」。5月からイントラマートが販売する。マイクロソフトも導入提案などで支援する。両社は初年度に200社への導入を目指す。価格は1CPU当たり180万円から。

NTTデータ イントラマートの代表取締役社長 中山義人氏(左)とマイクロソフトの執行役 常務 エンタープライズビジネス担当 平野拓也氏

 intra-martはポータルや帳票など複数のモジュールを持つWebベースのシステム基盤。Javaで構築されていて、モジュールを組み合わせることで柔軟なシステム開発を可能にする。3月末時点の導入企業数は2000社以上。承認、申請などのワークフローエンジンを持つことが特徴で、今回のマイクロソフトとの提携でも中心的な役割を果たす。

 連携ワークフローを使うことで、OfficeのExcelやWordを承認・申請のフロントエンドクライアントとして利用できる。intra-martは標準でWebベースの承認・申請画面を備えるが「ワークフローに手を取られてエンドユーザーにとって使いやすいユーザーインターフェイスまでは手が回っていない」(NTTデータ イントラマートの代表取締役社長 中山義人氏)のが現状。企業内で広く使われるOfficeをクライアントにすることでエンドユーザーの定着率を向上させる。

ソリューションの概要

 また、SharePointのポータル画面とも連携し、SharePoint上で行いたい承認・申請処理を選ぶとExcelやWordの文書が開き、承認などの処理を文書上で行える。承認された文書はSharePointに蓄積されると同時に、intra-martのワークフローに乗り、次のユーザーに自動で渡される。文書をSharePointで一元化し、処理の証跡、履歴管理もできることから、両社は企業のコンプライアンス対応にも役立つと説明している。

Excelで申請書を作成し、そのまま申請ワークフローに乗せることができる
SharePointのポータル画面上でintra-martのワークフローを呼び出して状態を確認できる

 4月8日の説明会ではExcelやWordをクライアントに休暇申請や経費精算、見積書の申請などを行うデモンストレーションが示された。このようなOfficeとの連携を希望するintra-martの導入企業は多いが、これまでは個別カスタマイズで対応していた。

 intra-martとOffice、SharePointの連携ワークフローソリューションは、Javaと.NETという「対立する極にある製品同士」(NTTデータ イントラマート 経営企画室長の田中秀明氏)をつなげることになる。intra-mart上に.NETのライブラリを用意し、Webサービスで接続できるようにした。「現場では(Javaと.NETの)奇跡の協業と呼ばれている」(同氏)。イントラマートは、Javaアプリケーションの資産を抱えていて、フロントエンドの開発に苦労している企業に対する「1つの大きな回答になる」(中山氏)と見ている。

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