ジュニパー、リモートオフィス向けAdTMを提供開始WAN最適化とセキュリティを組み合わせてリモートオフィス向けに

» 2009年07月14日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 ジュニパーネットワークスは7月14日、同社が3月に発表したネットワークセキュリティ管理ソリューション「Adaptive Threat Management」(AdTM)の分散企業向けソリューションの提供を開始したと発表した。

小川氏写真 ジュニパーネットワークス マーケティング本部 エンタープライズソリューションマーケティング マネージャ 小川直樹氏

 AdTMは、セキュリティアプライアンスやSSL-VPNと、それらを管理する製品で構成されるセキュリティソリューション。具体的には、ネットワーク管理ソリューションである「Unified Access Control 3.1」(UAC)を中心に、SSL-VPN製品「Secure Access SSL VPN 6.5」(SA)や「Security Threat Response Management 2009.1」(STRM)、UTM機能を搭載した「Network and Security Manager 2009.1」(NSM)などで構成される。

 今回発表した分散企業向けソリューションではAdTMに加え、アプリケーション高速化ソリューションである「WXシリーズ」とIPS(侵入防御システム)を組み合わせることで、リモートオフィスなどでの利用を想定したソリューションとした。ジュニパーネットワークス マーケティング本部 エンタープライズソリューションマーケティング マネージャ 小川直樹氏は、「2009年5月の新型インフルエンザ発生時には、自宅勤務者が急増するなど、リモートアクセスの重要性が注目された。また、アプリケーションデータや海外のリモートオフィスなどが急増し、“リモートアクセスに配慮しつつ、セキュリティとWAN最適化”を図る必要が出てきている」と現状を分析した。

 分散企業向けAdTMソリューションでは、新たに「Windows向けWAN高速化クライアント」を提供。そのほか、UACやSAの新バージョンを提供することで、アクセス管理や侵入防止ソリューションも利用できるようにする。WAN高速化クライアントは、リモートオフィスのPCにインストールすることでWAN高速化を実現するソリューション。通常、WAN高速化ソリューションを利用する際には、本社/データセンター側とリモートオフィス側の両方にWAN最適化アプライアンスを用意しなければならないが、このWAN高速化クライアントを利用することで、リモートオフィス側にはアプライアンスを用意する必要がなくなるという。さらに、SAと組み合わせて利用することで、クライアントPCの状況を解析し、同クライアントがインストールされていない場合にはプッシュ形式でインストールさせることも可能だ。

 小川氏は、「やはり小さいリモートオフィスの場合、アプライアンスを導入するのはコスト的に難しい面もあった。その点、WAN高速化クライアントであれば高速化を実現しつつ、コストを他社の半額程度に抑えることができる。また、SAと組み合わせればクライアントの検疫機能も担うので、セキュリティも確保できる」と説明した。

 同ソリューションでは、ユーザーを個別に認識する「アイデンティティ認識」とインストールされているアプリケーションを認識する「アプリケーション認識」の2つを軸にセキュリティを提供する。アイデンティティ認識では、通常のユーザーIDによる認識だけでなく、クライアントPCの情報も精査したうえで認識するので、iPhone等の外部デバイスでも問題なく認識が可能だとした。

 また、クライアントPCにインストールされているアプリケーションを検査する。これにより、例えば「会計情報にアクセスするクライアントPCにPtoPアプリケーションがインストールされている場合にはブロックする」といったポリシー設定も可能だ。

 小川氏は「通常のウイルス対策、スパイウェア対策でチェックするだけでなく、インストールされているアプリケーション、使っているプロトコルまで判別・分析してアクセス管理するので、非常にセキュアなリモートアクセスを可能にする。セキュアな環境だけでなく、WAN最適化ソリューションを提供することで回線環境の乏しいリモートオフィスでも快適な回線利用を提供することができる」と語った。

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