PBC、流通・小売業界向けERPのテンプレート製品を発売ERPと同じプラットフォームでPOSを稼働、販売状況を可視化

» 2009年07月16日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 中堅・中小向けのITコンサルティングサービスを提供するパシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)は7月16日、マイクロソフトの中堅・中小向けERPパッケージ「Microsoft Dynamics NAV 2009 日本語版」のテンプレート製品、「NAV‐RETAIL 2009」を発表した。ERPと同一のプラットフォーム上でPOSシステムを稼働させられる点が特長で、店頭POSから購買、在庫といったバックオフィスの情報まで、一元管理を実現するという。8月下旬から販売する。

 NAV‐RETAIL 2009は、マイクロソフトの中堅・中小向けERPパッケージ「Microsoft Dynamics NAV 2009 日本語版」と、その流通・小売業向けアドオン製品「LS Retail NAV 2009」をベースに、PBCが日本の流通・小売業向けにローカライズしたテンプレート製品。手形管理、一括請求書、商流管理、銀行送金機能など、日本の商習慣に即した多数の機能を備え、最小のカスタマイズで“すぐに使える”製品に仕上げたという。POSとの連携機能を持ち、ERPと同一のプラットフォーム上で稼働させられる点が大きな特徴だ。

写真 Microsoft Dynamics NAVとLS Retail NAVにPBCのノウハウを結集。日本の流通・小売業にとって真に使いやすい製品を目指した。

 「ERPとPOSとの連携機能自体は珍しくないが、POSには別のアプリケーションを用意する必要があり、論理的には分断されている例が一般的だった。しかし本製品はPOSとERPが同一のプラットフォームで動作するため、店頭で行われる日計集計業務から、自動的に会計仕訳を生成できる。バックオフィスの経理担当者は、生成された会計明細から各店舗の売上取引明細まで、瞬時かつ正確に追跡することが可能だ」(PBC 取締役 戦略事業推進室 室長の吉島良平氏)。

写真 PBC取締役社長の小林敏樹氏

 また、売上・販売分析機能を標準装備しているため、経営層をはじめ、現場の営業スタッフやMD担当者にも、収益向上に対する有益な手掛かりを提供できるという。これらの点は監査対応というコンプライアンス面への貢献も期待できるだろう。

 PBC取締役社長の小林敏樹氏は、「Microsoft Dynamics NAVはグローバルで7万3000社、LS Retailは同じく1400社以上に導入されている。今回のNAV‐RETAIL 2009は、Microsoft Dynamics NAVの信頼性、リテール関連機能をワンストップで提供できるLS Retailの利便性に、あらゆる企業を支援してきた弊社のノウハウを結集させた製品となっている。収益とバックオフィスの業務効率向上を、強力にサポートできるはずだ」と述べた。

 当面の導入目標は今後3年間で50社。吉島氏は、「LS Retailは、海外では ASP提供も行っている。SaaSやクラウドが注目されているいま、NAV‐RETAIL 2009のASP展開も視野に入れつつ、まずは日本の商習慣にマッチした高度な機能を積極的に周知していきたい」と話している。

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