HP、製薬業界向けにDynamic CRM導入支援サービスを開始スクラッチ開発からの切り替えを提案

» 2009年07月29日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とマイクロソフトは7月29日、製薬・ライフサイエンス業界向けのソリューション提供で協業すると発表した。第1弾として、マイクロソフトのCRMアプリケーションである「Microsoft Dynamic CRM 4.0」をベースとした「製薬業界向けDynamic CRM 導入支援サービス」を日本HPが提供開始する。

 日本HPは20年以上にわたって製薬業界向けのシステムを構築してきた経験を持つ。そして、このノウハウをテンプレート化した統合ソリューション「Pharma Sales Suite」を提供している。今回の協業によって、日本HPはDynamic CRMを製薬業界向けに各種カスタマイズを施すほか、Pharma Sales Suiteとの連携部分も作り込んで提供する。

 日本HP コンサルティング・インテグレーション統括本部 インダストリ本部 医薬・ライフサイエンス担当 シニアソリューションアーキテクト 柴田郁博氏は「従来は、Pharma Sales Suiteをベースにして、必要な部分はスクラッチで開発して提供していた。しかし、GUIの洗練やOffice製品との連携へのニーズは大きく、また導入コストも抑えることができることから、Dynamic CRM導入を支援することにした」と説明した。

 Dynamic CRMを導入することでExcelなど、使い慣れたUIをフロントエンドのインターフェイスにできるほか、SharePoint Serverなどとの連携も強化できる。「製薬業界のユーザーはSharePointを採用しているケースが多いため、Dynamic CRMを導入する意義は大きい。また、他社製品やスクラッチと比較して、Dynamic CRMをカスタマイズする方がコストを抑えることができる。一般的にCRMの入れ替えは5〜10年サイクルだ。このサイクルに合うユーザーを中心に新規ユーザーにも、Dynamic CRMへの切り替えを提案していきたい」(柴田氏)とコメントした。

 また、今後はHPがサーバを用意してオンデマンド型で提供する「SaaS型」や、「ハウジング型」での提供、Dynamic CRMを社内に設置する「自社設置型」などさまざまな形態での提供を検討中だとした。また、日本HP EDS事業統括 アプリケーションサービス統括本部 ホリゾンタル・デリバリ本部 ソリューション推進担当 池田良輔氏によると、「このような業界向けサービスでは、HPのワールドワイドでも珍しいケースだ。まずは製薬・ライフサイエンス業界から始めたが、次は金融業界向けのソリューションを提供したい」と語り、今後の方針を示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ