ネティーザ、従来品2〜5倍の性能を実現したDWHアプライアンスブレード型を採用し、高性能を実現

» 2009年08月06日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ネティーザは8月6日、新たにブレードサーバ方式を取り入れたDWHアプライアンス新製品「Netezza TwinFin」の販売を開始した。10月末から出荷を開始する。1ラック当たり最大128テラバイトの容量を扱え、従来製品「Netezza Performance Server」(NPS)と比較して2〜5倍の処理性能を実現したという。

TwinFin写真 新製品「Netezza TwinFin」。ブレードサーバ形式を採用し、従来製品比2〜5倍の性能を実現した

 米ネティーザは2000年の会社設立以来データウェアハウスアプライアンス専業ベンダとして、NPSを提供してきた。現在ワールドワイドで280社、日本でも45社の顧客を持つ。従来製品であるNPSの特徴は、通常のサーバには搭載されていないFPGA(Field Programmable Gate Array)が、ハードディスクからのデータをCPUにわたす前段階で取捨選択する点だ。これにより、CPUが処理しなければならないデータ量を大幅に削減し、処理速度を向上させているという。ただし、このFPGAを搭載するため、汎用サーバを使えなかった。日本ネティーザ 代表取締役 ダグラス・エッツェル氏は、「高速処理を目指した結果、DWHアプライアンスという新たなジャンルを切り開いたが、独自仕様のハードウェアだったため、導入を見送った企業もあった。今回はその点を踏まえて汎用的なブレードサーバを採用しているため、前回見送った企業も検討してもらえるだろう」とコメントした。

 新製品の「TwinFin」は、ハードウェアにIBM製のハードディスクやサーバを採用したブレード型のDWHアプライアンス製品。最大10ラック、1.2ペタバイトまで扱えるほか、最大構成時には処理能力が413ギガバイト/秒に達するという。「従来のNPSと比較して、2〜5倍の処理性能を実現した。また扱えるデータ量も1ペタバイトまで対応した点は大きい。日本でもユーザーである電話会社などは、利用量の増大に伴って扱うデータ量が爆発的に増えており、慢性的にDWHのキャパシティが不足している状態だ。今回、ハードウェアをブレード型にしたことで、ハードウェア能力が上がった。今後はこのハードウェアを生かすためにソフトウェアを改良してリリースしていくことで、トータルな性能アップを目指す」(エッツェル氏)とした。

TwinFin写真 TwinFinにおけるデータの流れ。ハードディスク上のデータは一旦キャッシュされてFPGAでデータ量を絞った後、CPUで処理する
TwinFin写真 スニペットブレードの構成。「IBM BladeCenter サーバ」と「Netezza DBアクセラレータ」がワンセットになっている

 具体的にTwinFinは、「ディスクエンクロージャ」「SMPホスト」「スニペットブレード」の3層で構成されている。ディスクエンクロージャはIBM製のハードディスクで、ユーザーデータを格納し、ミラーリングやスワップ領域を確保している部分。1ラック当たり最大96台のディスクを搭載することができる。SMPホストは、ディスクやCPU管理などを行う心臓部。スニペットブレードはCPUやFPGAを搭載し、データの集計やソートなどを行う部分だ。1ラック当たり最大12台のスニペットブレードを搭載できる。

 スニペットブレードは、CPUとメモリを搭載した「IBM BladeCenter サーバ」と従来のFPGA機能を備える「Netezza DBアクセラレータ」の2種類のブレードがワンセットで起動。ハードディスクのデータは、SMPホストが処理をするスニペットに振り分け、Netezza DBアクセラレータで圧縮の解凍や列・行の絞込みを行ったうえで、CPUにデータを渡す仕組みだ。FPGAでデータの絞込みをしたうえでCPUにデータを渡すので、処理が高速化できるという。また、TwinFinでは「スニペットプロセッサテーブルキャッシュ」というキャッシュ機能を搭載。ハードディスク上にあるメインテーブルなどは、Netezza DBアクセラレータ側でテーブルキャッシュとして持っておくことで、ディスクI/Oを減らしてより高速化できるとした。

 ネティーザでは従来製品のNPSのサポートを継続するが、新規販売は停止。今後はTwinFinを販売していく。また、今後の予定としては、TwinFinの新しいモデルとして「開発用途・エントリーレベル」「大容量向け」「メモリインテンシブなモデル」などを予定しているという。

 エッツェル氏は、日本の販売戦略として「これからは机上の計算でDWHを選ぶ時代は終わった。とにかく、実機でパフォーマンスを比較することが重要だ。ぜひ、1度当社のテストセンターで試してほしい。実際、当社顧客45社のうち90%以上のユーザーが実機テスト後に購入している。今後、ユーザーの幅を広げるため、エントリーユーザー向けを2010年春に、大容量向けとメモリインテンシブタイプを今後1年間の間にリリースする予定だ」と説明した。

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