コスト削減にコンサルティングサービスは必須〜ジュニパーネットワークの自動障害診断サービスなども提供

» 2009年09月07日 00時00分 公開
[大津心@IT]

 ジュニパーネットワークスは、キャリア向けのハイエンドスイッチを中心に製品をラインアップしているが、販売は100%パートナー経由で行っているため、パートナー戦略は同社にとって非常に重要な位置を占める。今回は、アジア太平洋地域でサービスやパートナービジネスを担当しているメートリー・ティアンシーサーバン(Maytry Thianesysavanh)氏に話を聞いた。

ティアンシーサーバン氏写真 米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域のサービスビジネス担当ディレクター メートリー・ティアンシーサーバン氏

 ジュニパーのサービスサポートの軸となっているのは、「テクニカルサービス」「導入&調整サービス」「コンサルティングサービス」「教育サービス」の4つだ。

 教育サービスでは、「Certification Fast Track Program」(CFTP)を2年前に創設。CFTPでは、「第二言語としてのJUNOS」や「セキュリティ言語としてのJUNOS」「スイッチング言語としてのJUNOS」など、さまざまなコースのeラーニング教材を用意。さらに、同社ルータ・スイッチの操作や知識に関わる「JNCIA-ER Live Exam」、その上級編「JNCIS-ER Live Exam」、JUNOSのセキュリティ部分に関する知識を問う「JNCIS-ES Live Exam」、JUNOSのスイッチに関する知識を問う「JNCIA-EX Live Exam」という4種類のテストも実施している。

 同社ではeラーニング受講者に、2009年12月31日までは無償で上記のテストを受けられるバウチャーを配布。現在、アジア太平洋地域で1万4000人程度が登録/受験しているとした。ティアンシーサーバン氏は、「基本的には、企業内外の個人が受験する試験だ。受験者は自分で教材をダウンロードして勉強し、試験を受ける形になる。JUNOSの普及とともに、JUNOSエンジニアのニーズも増加しているので、非常に有益な資格試験になるだろう」とコメントした。

 テクニカルサービスでは、ジュニパー製品に監視用のスクリプトを埋め込んで製品の状況を監視するサービス「AIS(Advanced Insight Solutions)」が特徴だ。AISは、ジュニパーの公認パートナーが提供するサービスで、公認パートナーが顧客のジュニパー製品にAISのスクリプトをインストールすることで、迅速な障害対応やサポートを実現するというもの。従来の方法では、ネットワークに障害が起きると担当者がログオンして自動診断を実行、ジュニパーの技術者がその症状を再現、問題解決策を送付して実施する、という流れになる。この場合、問題を発見してから解決するまで20時間〜24時間近くかかるという。

 一方、AISを導入している場合、問題が発生するとAISのスクリプトが自動的に問題を診断してセンターに送付、ジュニパーのエンジニアは問題を再現する必要がないので、すぐに解決策を提供することができるという。この場合、5時間程度で対応が可能であり、AIS未導入時と比べ15〜19時間の時間短縮を実現できるとした。ティアンシーサーバン氏は「AISは障害対応を迅速にできるだけでなく、『最近は○○という環境で△△という障害が発生する傾向がある』という傾向を分析し、同じような環境のユーザーへ予防策をとることも可能だ。これで障害自体をかなり減らせるだろう」と説明した。

 そのほか、ジュニパーが注力しているのが「導入&調整サービス」と「コンサルティングサービス」だ。コンサルティングサービスでは、ネットワーク構築時に最初に行う「Plan」の部分について、ユーザーからのレビュー依頼が多いとした。また、計画やネットワークデザインができるコンサルタントを育成するための投資も増やしているという。

 この点について、ティアンシーサーバン氏は「ネットワークのコストを削減するために、ネットワークの最適化やネットワークのリスク軽減が必須だ。そのためには、適切なコンサルティング活動が必須であり、そのために有能なコンサルタントを育成しなければならないため、投資を増やしているところだ」とコメントした。

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