弥生、「弥生 10シリーズ」を発表サービスを拡充し、価格の大幅値引きも実現!

» 2009年10月20日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 弥生は10月20日、業務パッケージ製品の最新版「弥生 10シリーズ」を発表した。従来からの製品コンセプト「かんたん、やさしい」に、「あんしん」を加え、製品機能とサービスの拡充を図ったという。2009年12月4日から販売する。

Windows 7にシリーズ全製品が対応

 「弥生 10シリーズ」の第1の特徴は、Windowsの最新版「Windows 7」にシリーズ全製品が対応したこと。32bit版、64bit版ともに動作可能なほか、「よりセキュアなOSに進化した」といわれているWindows 7の技術ガイドラインに準拠しているという。

 「例えば、データを確実に保護するために、PCをログオフ/シャットアウトしてはいけないタイミングでその操作をした場合、ログオフ/シャットアウトを本当に行うか確認する画面を表示するとともに、『(データを)次年度へ繰越中です』といったメッセージを表示するなど、OSの進化に合わせてソフトウェアとしての安全性も高めた」(岡本氏)

写真 弥生 代表取締役社長の岡本浩一郎氏

 オンラインアップデートの機能も追加した。これにより、機能追加や不具合修正など一般的な内容はもちろん、「政権が変わったことを受けて、変更が予想される制度も存在するが、算定基礎届/月額変更届、介護保険料率、雇用保険料率など、各種法令改正があってもインターネットを通じて最新モジュールをタイムリーに提供することで、迅速に対応できる」という。

 操作性の面では、各業種の特性に即して入力項目を変えるなど、作業を行いやすくする「業種別テンプレート」に、「IT・情報サービス」「デザイン」「生保・保険」「運輸」の4業種を追加。会計ソフト、青色申告ソフトの導入がより容易になった。

 操作マニュアルも改善した。単にソフトウェアの操作方法を解説する「操作マニュアル」ではなく、日々の帳簿や伝票に入力する内容など、業務内容自体の解説も含めた「業務マニュアル」を提供することで、「業務の視点から、どんな作業が必要かを解説するとともに、それをソフトウェアではどのように操作するか」まで、分かりやすくまとめているという。 

 岡本氏は「ユーザーの目的はソフトウェアを操作することではなく、ソフトウェアを使って業務を行うこと。これも、ユーザーにとっての使いやすさを追求した結果の機能だ」と力説した。

“あんしん”を追求したサポート体制

 サポートサービスも「あんしん」をキーワードに大幅にメニューを強化した。まず「無料導入サポート」について、「弥生会計スタンダード」「弥生販売スタンダード」は従来の最大2カ月から最大4カ月に、「やよいの青色申告」「やよいの給与計算」は従来の最大2カ月から3カ月に延長した。「それでもダメな場合は返品可能としたが、逆にいえば、返品はまずないだろうというサポートに対する自信の表れでもある」(岡本氏)という。

 また、これまで有償で提供してきた「ハイパーサポート」も、「あんしん保守サポート」と名称変更した上でサービスを拡充。「業界初」という「ハードディスクデータ復旧保険」のほか、弥生カスタマーセンターのオペレータが、パソコン画面をユーザーとインターネット経由で共有して操作案内などを行う「画面共有サポート」などを追加した。

 さらに、サポートサービスの最上位版として、トータルプランも用意。弥生シリーズの運用に関連する他社製のソフトウェアに関する操作質問に答える「周辺ソフトウェアサポート」、パソコントラブルの際に問題の切り分けを支援する「PCトラブルサポート」も提供するという。

 「弥生会計のデータをExcelに移すなど、他社製のソフトウェアと併用しているユーザーが多いほか、パソコンに不慣れなユーザーも少なくない。そうした際、弥生に関することならどんなことでも質問を受け付けるのがトータルサポートだ。当面は『やよいの青色申告』ユーザーのみへの提供となるが、今後、こうした“あんしん”をより多くのユーザーに提供していきたい」(岡本氏)

価格を大幅に値下げ、半額以下の製品も

 価格値下げも今回のトピックだ。例えば、「やよいの青色申告」は「弥生09」シリーズの1万4175円から25.9%値下げの1万500円。同様に「やよいの給与計算」は2万6250円から20%値下げの2万1000円に値下げした。多人数利用に対応した「弥生販売 10 ネットワーク」も、「5ライセンスwith SQL」版を比較すると、「弥生09シリーズ」では99万7500円だったが、57.9%引きの42万円とした。

写真 製品価格を大幅に改訂。さらに導入しやすくなった

 岡本氏は、「弊社製品のユーザーは中小企業、個人事業主、そして起業家。こうした層にターゲットを絞り、製品・サービスの両輪でユーザーの業務を支援し続けてきた。その結果、2009年度は不況によって市場全体の規模は縮小したものの、弊社は本数、金額ともにトップシェアを記録し、利益も微増となった。この方向性は間違っていないと思う。この価格体系も、不況の中で投資をためらうユーザーに、あと一歩、効率化に向けて足を踏み出してもらうための配慮の1つだ。今後も、かんたん、やさしい、あんしんをキーワードに、ユーザーを“愚直なまでに”支援することを目指したい」と語った。

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