負荷の少ないRehost方式でレガシーマイグレーションを支援韓国のティーマックスソフトが日立製に対応した製品販売

» 2009年11月26日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ティーマックスソフトは11月26日、レガシーマイグレーションソリューション「OpenFrame for VOS3」を発表した。2010年1月初旬から販売を開始する。価格は2000万円から。

張氏写真 日本ティーマックスソフト 取締役営業本部長 張統氏

 ティーマックスソフトは、韓国ソウルに本社を置くソフトウェアベンダで社員数2000名、売上高77億円。ソウル郊外に建築中の研究開発センターオープン時には約1500名の研究開発者を抱える規模になる。韓国の金融業などを中心にユーザーを持ち、同国大手企業に約200システムあったメインフレームの8割強をオープン化したという。

 日本ティーマックスソフト 取締役営業本部長 張統氏は日本のメインフレームの現状について、「日本は2005年くらいまではレガシーマイグレーションが叫ばれていたが、現在では停滞しており、まだ1万台のレガシーシステムが存在する。中央官公庁ではIT予算の90%に当たる約6000億円が41のレガシーシステムの維持にかかっている。かなりの高コスト体質だ」と指摘。大手の金融機関や製造業事業者の半数以上がサポート切れのOSをいまだに利用しているとした。また、日本に多く存在するメインフレームの提供ベンダであるIBM、富士通、日立、NECなどのうち、「IBM以外はメインフレームへの投資が消極的な傾向にある」(張氏)とし、危険な状態だと強調した。

 レガシーマイグレーションの手法には、メインフレームのプログラムなどをそのままオープン環境へ移行する「Rehost」から、プログラムやUIを再構築する「Rewrite」、それに加えソフトウェア仕様も変更する「Rebuild」、業務仕様を含めたほとんどを再構築する「BigBang」の4種類が存在するという。OpenFrameでは、この中からインターフェイスやプログラムなどに変更を加えず、移行負荷の少ない「Rehost」方式を選択。メインフレーム環境をUNIX、Linux上で動作させることができるという。

 OpenFrameで提供するRehost形式では、メインフレームと同じファイルシステムやDBをOpenFrameが提供することで、変更を加えずに移行することができる点が特徴だ。OpenFrameは、すでにIBMと富士通のメインフレームに対応。今回発表した「OpenFrame for VOS3」により、日立のメインフレーム用OSである「VOS3(Virtual-storage Operating System 3)」にも対応可能になった。また、IMSやCICSなどのオンラインサブシステムに対応するほか、JCL(Job Control Language)をイメージとしてそのままの形で動かせるため、変更の必要がない点が大きな特徴だという。そのほかにも、COBOLやPL/Iで書かれたプログラムを書き換えなしで実行できるほか、メインフレームのファイル方式SAMやVSAMに対応している。

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