NRI、運用管理ツール「Senju Family」の最新版仮想化管理や運用管理自動化機能を強化

» 2010年08月03日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 野村総合研究所(NRI)は8月3日、システム運用管理ツールの最新版「Senju Family V11」の販売を開始したと発表した。最新版では、仮想化環境の監視・制御機能や、システム運用自動化、エージェントレス機能などを強化したという。

 NRIは自身がアウトソーシングシステム運用を手掛けており、横浜や大阪など、国内6個所でデータセンターを運用。350顧客、約7000サーバ、1日当たり約90万のジョブを処理している。その運用ノウハウを結集したのが、システム運用管理ツールのSenju Familyだ。昨今では、NRI自身が運用するサーバ群に仮想化技術を取り入れたものの、コール数などが増加。それに伴い、「メッセージ削減」「コール削減」「自動対応」などに取り組んだ。中でも、最近は「自動対応」に注力し、従来手作業で行っていた“手順書による切り分け・対応”の大幅な自動化に成功したという。NRI 千手事業部 営業主任 寺井忠仁氏は、「社内事例では、自動化を導入することでコール数を大幅に削減できた。多くのケースでも有効だろう」とコメントした。

 Senju Familyは大きく分けて、システム管理ツール「Senju Operation Conductor」、統合管理ツール「Senju Enterprise Navigator」、サービスデスクツール「Senju Service Manager」の3製品で構成されている。Senju Operation Conductorは、サーバのモニタリングやコンフィグレーション管理、ジョブスケジュールなどを行うシステム管理ツール。最新バージョンのV11では、システムの自動化を助ける「ランブックオートメーション」を強化したほか、仮想環境の監視強化の一環として物理環境と仮想環境の相関関係を把握する「バーチャルノードモニタ」機能を新設した。

 バーチャルノードモニタとは、管理している仮想サーバと仮想ノード、ホストOSとゲストOSなどの相互関係を可視化し、容易に管理できるようにしたモニタ機能。仮想環境では、物理サーバと仮想サーバの関係が複雑化して管理しにくくなる点を配慮したものだ。「これにより、例えば仮想マシンのアプリ障害時にOSを自動的に再起動することなども可能になった。このような自動化機能は現場には大きい」(寺井氏)。

 また、エージェントレス監視機能を強化し、Windowsセンサーのテキストログ監視やUNIXセンサーのSNMP監視強化などを実現。さらに、ジョブの実行制御、ステータス管理を行う機能を提供したという。この点について寺井氏は「エージェントレス監視機能を提供する製品は多いが、エージェントレスでジョブの管理を行えるのは千手だけだろう。この機能へのニーズは大きい」と述べ、期待を寄せた。

 Senju Service Manager V11では、システム運用を標準化する機能を強化。例えば、サービス要求や構成アイテムの1度に取り扱える量を増やした。また、申請から承認・実行までを自動化する「Senju Service Automation」機能を新設。運用プロセスの自動化を実現している。

 NRIでは、2010年度中に「Senju Family V11」の100社への導入を目指す。

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