PFU、PDFを拡張した長期署名ライブラリ発売Adobe Readerで閲覧できるメリット

» 2010年12月09日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 PFUは12月9日、PDF長期署名の標準規格「PAdES」に日本で初めて準拠した「PDF 長期署名ライブラリ V1.0」を販売開始した。価格は基本パッケージで250万円(税抜き)から。

 PDF 長期署名ライブラリ V1.0は、既存のソフトウェアやシステムにPAdES準拠の長期署名機能を追加できる開発者向けライブラリ。電子署名とタイムスタンプを併用することで、電子文書が改ざんされていないことを長期間にわたって証明でき、e-文書法など各種電子書類保管に関する法律に対応できるという。

 従来の長期署名方式では、CMSベースの「CAdES」とXMLベースの「XAdES」が主流だが、ファイルの中身を見るのに専用ビューアが必要など運用が不便だった。今回PFUが採用したPAdESはPDFの拡張規格で、PDFファイルに電子署名とタイムスタンプを内包する長期署名規格。同規格は、現在「ISO 32000-2」として採用手続き中となっている。PDFの中身と電子署名、タイムスタンプが1ファイル内で完結しているほか、Adobe Readerで参照可能な点が特徴だ。

 PDF 長期署名ライブラリ V1.0はPAdES規格に対応し、さらに電子署名の有効期限を延長することで10年を超える長期保存にも対応した。またライブラリ方式なので、PAdES規格やPKIの専門知識がなくても、APIを呼び出すだけで既存の業務システムに長期署名機能を組み込める点が特徴となっている。すでにPFUでは、PDF 長期署名ライブラリ V1.0を組み込んだシステムやパッケージソフトの開発を目指しているベンダの構築/運用サポートを開始。説明会だけでなく、メールによるQ&Aサポートなども実施している。

 PFU イメージビジネスグループ ECM営業統括部 担当部長 沖野重幸氏は、「PAdESに対応した製品は国内初だ。Adobe Readerで閲覧できる点は大きい。すでにPDF 長期署名ライブラリ V1.0を組み込んだパッケージ製品も登場しており、今後も出てくるだろう。当社では、運用ノウハウを凝縮したサポートパッケージでこれらベンダをサポートしていく」と説明した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ