CA、複雑なIT環境を包括的に監視、「Nimsoft Monitor」発表「システムが99.9%動いていても業務に支障が出ては意味がない」

» 2011年08月30日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 CA Technologiesは8月30日、データセンターからクラウドサービスまで含めたハイブリッド環境を単一の管理画面で包括的にモニタリングできる「Nimsoft Monitor」を発表した。2010年4月に買収し、現在はCA Technologiesの独立事業部となっているNimsoftの製品で、年々複雑化する企業のITシステムの運用管理の確実化・効率化とコスト削減に大きく寄与するという。

ハイブリッド環境をいかに効率良く、確実にモニタリングするか

 近年、仮想化技術やクラウドサービスの導入により、企業のITインフラは複雑化の一途をたどっている。これに伴い、運用管理の手間とコストが増大する傾向にあるが、運用現場に対する経営層からのコスト削減要請は年々シビアに。現在、コスト削減と運用管理の効率化・確実化をいかに両立するかが、企業にとって大きな課題となっている。

写真 Nimsoft事業部 部長 マイク・アルフォード氏

 Nimsoft事業部 部長 マイク・アルフォード氏はこうした状況について、「特に注視すべきは、仮想環境やクラウドサービス、データベース、ネットワークなど、ビジネスの円滑な遂行はシステム全体の安定稼働によって支えられているということだ。システムを部分的にモニタリングしたり、個別のツールを使って各部分を別々に監視している状態では、システムの安定稼働を確実・効率的に担保することは難しい」と解説。ビジネスの円滑な遂行のためには、「システム全体を包括的にモニタリングするアプローチが重要だ」と述べ、今回、日本市場に投入したNimsoft Monitorが「ITサービスのパフォーマンスをエンド・トゥ・エンドで監視できる製品」であることを力説した。

写真 ますます複雑化しているITシステム全体を、単一の管理画面で包括的にモニタリングできる

 最大の特徴は、レガシー環境からパブリッククラウド、プライベートクラウドの全アプリケーション、データベースやネットワークまで含めて、ITシステム全体を単一の管理画面でモニタリングできること。また、「各ベンダ製品が混在している」状況に応え、サーバ、ネットワーク機器、アプリケーション、各種クラウドサービス、ユーザーエクスペリエンス監視製品まで、幅広い製品・サービスをモニタリング対象としている点もポイントだ。

写真 幅広い製品・サービスをモニタリング対象とする

 管理画面はWebベースのUIとし、Webブラウザを使ってあらゆる場所からモニタリング可能。ユーザーの権限に合わせて、開示情報をコントロールできるほか、iPhoneで閲覧できる専用アプリも提供するなど、各社の状況に応じた柔軟な運用管理体制整備を支援するという。

 また、TCPソケットベースの軽量でスケーラビリティに富んだメッセージ・バスを採用し、小規模から大規模システムまで柔軟な対応が可能。ハイパーバイザー、SANストレージ、ネットワーク機器、クラウド環境など、エージェント配置が不可能な環境にも配慮し、エージェントレス/エージェントありでのモニタリングを選択できる。

 さらに、データセンターの内部環境、外部のクラウドサービスをモニタリング対象とした120種類以上のプローブを提供する専用Webサイトも用意。ユーザーは自社システムのモニタリングに必要なプローブをダウンロードして適用することで、随時、モニタリング機能を拡張できる点もポイントだという。

 価格は1年間のサブスクリプション契約で、サーバ50台、ネットワーク機器50台の場合、1カ月当たり22万1650円(税抜き)。アルフォード氏は、「特定の環境やインフラしかモニタリングできない従来のツールを導入するより、導入コストや人件費なども含めたTCOを大幅に削減できる」ことをあらためて紹介。

 「ITインフラが99.9%動いていても、ビジネスアプリケーションが正常に動いていなかったり、エンドユーザーの満足度が低かったりするようでは意味がない。データセンター内外にあるシステム全体を包括的に監視し、ビジネスの遂行を確実に担保することが何よりも重要だ」と述べ、年々複雑化するシステム環境にビジネス/サービスの観点から横串を通し、エンドトゥエンドで監視することの重要性を訴えた。

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