Twitterの裏技“Hashtags”[Analysis]

» 2009年02月16日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 先週、記事の中で記者のTwitterアカウントを公開したところ、100人以上の方にフォローしていただいた。同時にフォローもした。記者のFollowers、Followingは200人を超えた。それでどうなったのか? タイムラインをまったく追えなくなったのだ。記者にとってTwitterでコミュニケーションを取ることは楽しいし、有益な情報を得られることも多い。どうにかならないものか。

 特に先週は都内で「Developers Summit 2009」(デブサミ)があり、記者のタイムラインはさまざまなポストで常にあふれかえっている状態だった。ふと気付くとタイムラインに未読のポストが数十個貯まっている。外出していたりすると数百個だ。有益な情報を見逃していないか、不安を覚えることもあった。

 Twitterクライアントの中には自分がフォローしているユーザーをカテゴリに分けてコメントを効率よく読めるような機能を実装しているタイプもある。しかし、コメントとの一期一会を期待する記者は何となく使っていなかった。かといってポストを見落としていては元も子もないのだが。

 そこで注目しているのが「Hashtags」だ。Hashtagsとは一言でいえばTwitterのコメントに付けるタグだ。「Twitter Fan Wiki」が詳しく説明しているが、ポストする際にこのHashtagsを付けることで、ポストがタグによってグループ分けされ、そのタグに興味がある人が容易にチェックできるようになる。

 Hashtagsを使うには、投稿する前にボットの「@hashtags」をフォローする。自動でフォローされ、その後、Hashtagを付けたポストが追跡されることになる。例えば、デブサミについてのポストなら、投稿する際に「#devsumi」と文中のどこかに付ける。「まつもとさんの講演グッド! #devsami」という具合だ。これによってこのポストがデブサミについてのコメントということがほかのユーザーから分かるようになる。タグの前に「#」を付けるのがお約束。複数のタグを付けることもできる。

 Hashtagsは1人で使ってもあまり意味がない。複数のユーザーが同じタグを使うことでそのタグ関連の情報が集まる。自分がフォローしていない人のポストでもHashtagsで探せば読むことができる。Followers/Followingのネットワーク以外でも情報が入るようになるのだ。では、どのようなHashtagsが使われていて、どのようなポストがあるのか。それはHashtagsの検索サイトで調べられる。

 検索サイトで有名なのは「#hashtags」や「Twemes」、それにTwitter本家の検索サイト(買収したSummarizeを統合した)。#hashtagsやTwemesでは、現在話題になっているHashtagsを見ることができる。もちろんタグの検索も可能だ。HashtagsごとにRSSフィードが用意されているので、そのフィードを購読すれば継続的に話題をチェックできる。これならタイムラインがあふれるほどフォローしているユーザーでも、関心のある情報を見逃さない。もちろん、Hashtagを多くの人が使えばだが。

人気のHashtagsをチェックできる「#hashtags」。タグごとのポスト数やトレンドも見られる

 Twitter Fan WikiによるとHashtagsの利用が広まったのは2007年のサンディエゴの山火事の時。山火事に関する情報が「#sandiegofire」のタグを付けて流された。それ以降、災害や大きな事件の際にはHashtag付きのポストが多く見られるようなった。イベントや災害だけでなく、特定のテーマ(#iphoneや#coffeeなど)のタグも多く見られる。

 HashtagsはTwitterのシステムに実装された機能ではなく、コミュニティから使い方が広がった。まだまだ進化中で、さまざまな利用法が試みられている状態だ。その点がTwitterの日本語版が行っている「Twicco」とは異なる。Hashtagsは日本ではあまり使われていないようだが、もっと使われてもいいと思う。

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