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@IT > ニーズに応えたデルのOpteron搭載サーバ データセンターファシリティの最適解となるか? |
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■今、AMDプロセッサを選択した理由 これまで、デルのエンタープライズソリューションビジネスを支えてきたのは、インテルのプロセッサだった。競合サーバベンダーが相次いでAMDプロセッサ搭載サーバ製品を投入しても、デルだけはインテルプロセッサを搭載したサーバ製品のみを提供してきた。そこには、「最大のボリュームゾーンに対して業界の標準技術による製品を提供する」というデルの市場戦略があったからだ。 しかし今やAMDプロセッサは、パフォーマンスや消費電力面における技術力において、市場から高く評価されるようになった。それにより、AMDプロセッサがデルの市場戦略に合致するようになってきた。
AMDプロセッサを採用したサーバ製品を投入する理由について、デル株式会社エンタープライズマーケティング本部プロダクトマーケティング部 部長、中村智氏は次のように説明する。 「設計やフィナンシャルなど、シミュレーションが必要な分野では、高い計算処理能力が求められています。また、データセンターのフロントエンドで稼働するWebサーバやアプリケーションサーバでは、消費電力とパフォーマンスのバランスが求められます。そうしたニーズに応えるのが、最新のAMDプロセッサの市場価値であり、デルがAMDプロセッサ搭載サーバを投入する理由です」(中村氏) デルがAMDプロセッサを評価しているポイントは、ワットあたりの性能、消費電力、発熱量といったことだ。特にデータセンターでは、増大化の一途をたどる処理に対応するために、より最新の高速プロセッサを搭載したサーバが必要とされている。しかし、最新の高速プロセッサは、性能に比例して消費電力や発熱量が増加する傾向にある。データセンターの多くは、電源確保や冷却といった、ファシリティ面の問題を抱えてしまっているのが現状だ。 そうした課題を解決するのが、最新のAMD Opteronデュアルコアプロセッサだ。このプロセッサに搭載された「AMD PowerNow! テクノロジ」は、プロセッサの負荷に応じて動作周波数と電圧を動的にコントロールする。これにより、AMD PowerNow! テクノロジをディセーブルにした状態に比べ、最大75%もの電力消費を削減できるという。また、1つのダイに統合されたデュアルコアネイティブデザインにより、ワット性能も大幅に引き上げられている。 性能面では、プロセッサとメモリ、I/Oを直接接続して効率よくデータ転送を行う「ダイレクトコネクト アーキテクチャ」を採用。メモリ レイテンシを短縮し、プロセッサの性能を向上させている。このほか、プロセッサのオーバーヘッドを低減するAMDの最新仮想化技術「AMD Virtualization」のサポート、将来のクアッドコアプロセッサへのアップグレード対応などの特徴がある。
■混在環境での管理性も重視 もう一つ、デルのAMDプロセッサ搭載サーバの特徴と言えるのが、インテルサーバとの共通性を重視した管理性である。例えば、ストレージにSASまたはSATA IIを選択できるのはインテルサーバと共通であり、TCP/IPトラフィックを軽減する専用プロセッサを実装したTOE(TCP/IP Offload Engine)NICを搭載するというデル独自の機能も、インテルサーバと共通である。もちろん、デザインの統一性、LEDパネルの操作性など、運用管理の視認性についても共通したものになっている。一部、メモリのように、インテルとAMDのアーキテクチャの違いから相互互換性のないパーツも一部存在するものの、デルのサーバとしての基本的な共通管理性は高度に実現されていると言えるだろう。 また、標準化への取り組みも積極的に対応しており、最新の運用管理プロトコルであるIPMI 2.0準拠のBMC(ベースボード管理コントローラ)が搭載されている。 ■フロントエンドサーバに最適なPowerEdge SC1435 今回、デルが投入したAMDサーバは、AMD Opteron 2000シリーズ(Socket F)を最大2基搭載可能な1Uサーバ「PowerEdge SC1435」、およびAMD Opteron 8000シリーズ(Socket F)を最大4基搭載可能な4Uサーバ「PowerEdge 6950」の2機種。ラックマウント型サーバに限定し、タワー型サーバへのAMDプロセッサ採用を見送ったのは、消費電力や発熱量の低減など、AMDプロセッサの特性を生かすデータセンターにおけるニーズが中心になるからだという。 PowerEdge SC1435は、フロントエンドのWebサーバ、またはアプリケーションサーバを中心としたエッジサーバ分野、あるいはHPC分野を主なターゲットとする。シングルコアXeonを搭載した従来機「PowerEdge SC1425」の後継機種という位置付けになっており、42.5×437×610(高さ×幅×奥行)mmという省スペースな筐体サイズはまったくの同一だ。 ただし、スペックや性能は大きく向上している。まず、プロセッサバスに1GHzのHyper Transportを採用、最大4.8Gbpsのスループットは、従来機比で3倍にもなる。メモリは最大32GBまで搭載可能で、これはPowerEdge SC1425の2倍の容量。大容量メモリが搭載可能になったことで、大容量キャッシュが有効なWebサーバ、HPCなどの用途では、パフォーマンスの向上に大きく寄与するだろう。 そのパフォーマンスの差は、各種ベンチマークテストの結果でも明らかだという。
「AMDプロセッサの特性から、特にフローティングポイントにおける性能が向上しています。デルのラボで行ったベンチマークテストでは、PowerEdge SC1435は1425に比べ、最大でパフォーマンスが128%、ワット性能が138%高いという結果が出ています」(デル株式会社エンタープライズマーケティング本部プロダクトマーケティング部マネージャー、中溝良介氏) ■データベース/計算サーバ分野に最適なPowerEdge 6950 もう1機種のPowerEdge 6950は、デュアルコアXeonを搭載した従来機種「PowerEdge 6850」を補完する位置付けになっている。 「6950の大きな特徴と言えるのが、消費電力の少なさ。6850に比較すると、約20%も消費電力が少なくなっています。また、日本の一般的な電源環境である100Vで冗長電源に対応している点も特徴です。これにより、電源不足に悩むデータセンター、あるいは200V電源環境のないビルでも高性能サーバを導入することが可能になります」(中村氏) メモリが最大64GB、最大5台の3.5インチSASドライブが内蔵可能など、拡張性の面ではPowerEdge 6850とほぼ同等。パフォーマンスの差はプロセッサの特性を表し、AMDプロセッサが得意とするフローティングポイント性能ではPowerEdge 6950、インテジャー性能ではPowerEdge 6850の方が高速という結果になっている。このことから、データベースサーバや計算サーバの分野に最適な高性能サーバとして仕上がっていると言えるだろう。
提供:デル株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2007年1月31日 |
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