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@IT > 現在のWebサイト監視に欠けているポイントとは |
企画:アットマーク・アイティ 営業企画局 制作:アットマーク・アイティ編集局 掲載内容有効期限2004年3月10日 |
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現在、顧客の獲得と維持や、企業内・関連企業向けにWebサイトを活用している企業は膨大な数にのぼる。 こうしたビジネス用のWebサイトを構築する場合、公開前には各種のテストが行われているが、公開した後の運用フェイズでも常時、死活監視はもちろん、パフォーマンスチェックが必要だ。もしシステムのパフォーマンス低下によって顧客に必要なサービスレベルを提供できなくなれば、会社にとっては大きな信用失墜を招くことになるかもしれない。そこで当然、Webサイトを運営している企業ではシステムのモニタリングを行っているだろう。
システム監視のためのツールは、現在多くのベンダから提供されている。Webインフラストラクチャの構成要素であるサーバ、データベース、アプリケーション、ネットワークのそれぞれを監視したり、統合的に運用管理するツールも充実している。 そしてその利用者であるシステム部門、運用管理プロバイダの運用管理者たちも、これらツールを駆使することでWebシステムが管理できると考えてきたはずだ。 しかし実際はどうだろうか。 従来のエンラープライズ監視ソリューションが提供する管理コンソール上で、各インジケータが緑色で表示されシステムが良好に動作していることになっているにもかかわらず、実際にはそのシステムを利用しているエンドユーザーから「Webアプリケーションが使えない」といったクレームが数多く寄せられる事態が実際に起こっているのである。 ●システム側の監視だけでは不十分! なぜこのような事態を招いてしまうのかといえば、現在普及している監視ツールの大半はサーバサイドの視点で性能監視を行うものばかりで、残念ながらエンドユーザーの“体験”という視点で性能監視するものがなかったからだ。 すなわち、エンドユーザーの要求に対して正しくトランザクションが完了しているか、ユーザーが望む処理が適切に行われ、応答時間はユーザーが満足できるレベルだったかを監視するのは人手によるしかないのである。したがって運用の現場では、実際のサービスレベルを確認するために別途オペレータを雇って、ページの応答時間や空白ページが表示されてしまう様子など、サーバやネットワーク側での監視だけでは分からないアプリケーション層のエラーを目視でチェックするしかないという状況なのだ。 サーバが問題なく稼動していても、最終的に「購入申し込みをきちんと受け付ける」「商品カタログを快適に表示する」といったサービスをエンドユーザーに適切に提供できなければ、何の意味もない。つまりエンドユーザーに、最高の体験の質(QoE:Quality of Experience)を提供することこそが指標となるべきなのである。 そこでエンピレックスは、「Webシステムの性能監視・管理では、エンドユーザーが体感する“サービスレベル”という目安が、システムを客観的に可視化させる指針になる」という基本コンセプトの下、サービスレベル戦略の導入と維持を成功させるのに役立つソフトウェアパッケージ「OneSight」の提供を開始した。
ここで紹介するOneSightは、エンピレックスの性能テストとトランザクションテストにおける豊富な経験から生まれたWebパフォーマンスの統合監視ツールだ。 「OneSightというプロダクトネームは、Webシステムの監視項目を単一の監視コンソールの中から同時に識別できるところから由来している」と、浦口氏は説明する。OneSightでは監視対象すべてのパフォーマンスデータを単一の監視コンソールにリアルタイム表示させることが可能で、障害発生箇所のステータスは自動的に最上部へ移動表示され、ここではプラットフォームの違いも意識する必要はない(画面1-2)。
この統合表示により、例えばコンテンツエラーやサーバエラーを検知したとき、それがハードウェア側の問題なのか、アプリケーション側の問題なのか、障害の切り分けを迅速に行うことができるのだ。 実際の事例として、大手カード会社ではカード会員向けのWebサイトを監視するにあたり、ファイアウォールの外からサービスレベル監視するとともに、ファイアウォールの内側でも監視を行い、障害監視に活用しているという。こうした使い方をすれば、サーバのリソース不足、SSL接続処理にかかる応答時間、ファイアウォールのリソース問題などを分析することでレスポンス遅延の原因を迅速に特定できるようになる。 Webサーバ、データベースサーバ、ネットワーク機器を含めた統合監視を行いたい場合、OneSightは最適なソリューションといえるだろう。 ●サービスレベル管理に有効なトランザクション監視機能 もう1つ、OneSightにはサービスレベルを測定するためのトランザクション監視機能も搭載されている。この機能を使うと、実際のエンドユーザーのオペレーションを記録して再現させることができ、エンドユーザーの体感する応答時間計測や、コンテンツの自動チェックを実現できる。 例えば、エンドユーザーがオンライン販売するときの「商品の選択」「ショッピングカートの確認」「支払いの手続き」「購入確認ページの表示」といった一連の処理が、正しく動作しているかを定期的に自動監視できる。同時にそれらの処理のレスポンスも収集し、OneSightでベンチマーク測定することにより、そのサービスを受けるときにユーザーが体験する問題点を細かく洗い出すことができる。 ●開発と運用とのシームレスな連携ソリューション エンピレックスでは、Web環境統合テスト・監視ソリューションとして、OneSightを含めた「e-TEST suite」を提供している。これはWebアプリケーションの開発から運用に至るソフトウェア開発ライフサイクルのすべてのフェイズで求められるWeb環境統合テスト・監視ソリューションだ。 このソリューションは、システムレベルでの負荷テストを行う「e-Load」、機能テストを行う「e-Tester」、そして運用モニタリングを担当するOneSightで構成される(図3)。これら3つのツールはテスト要件が盛り込まれているビジュアルスクリプトを共有利用できる。これによってシームレスな開発/運用サイクルが実現でき、開発部門と運用管理部門との連携が取りやすくなる。
「OneSightはe-Loadで負荷テストを行っている顧客への提案としても有効なツールだ。負荷テストで明らかになったボトルネックになりそうな箇所をOneSightの監視ポイントに設定すれば、運用フェイズでの性能監視の全体工数を削減できる」と、浦口氏はツール間の相乗効果を強調する。また、OneSightから先に導入した場合でも、監視用件が見えてくるにつれて、最終的には負荷テスト(e-Load)の重要性にも気付くときが必ずやってくるという。
そして、「OneSightは、実際にWebを通じてエンドユーザーにサービスを提供するビジネスを行っている人で、サービルレベルに対する高い問題意識を持ったマネージャクラスの方々に訴求していきたい。このクラスの人たちにOneSightのコンセプトを理解してもらうことができれば、既存の運用管理ツールで十分だと考えているネットワーク担当とかサーバ担当といったシステム側に近い運用部隊の問題意識も大きく変わるだろう」と語る。 エンピレックスでは、単に監視ツールを提供するだけではなく、ツール導入の前にまず何をしたいのかという要求定義から始めて、どういうシステム構成を組めばいち早く障害を検知できるようになるか、Webアプリケーションの運用コンサルティングを軸に、OneSightの販促を展開していくという。 OneSightは、エンドユーザーにとってもストレスを感じることなく、Webサイトで提供サービスを利用できる環境が整備されるという意味で歓迎されるツールだといえるだろう。
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