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@IT > Oracle 10g SE Oneでビジネスチャンス到来 |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2004年11月11日 |
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Oracle 10gのライセンス体系が大幅に見直されたことで、ユーザー企業のボリュームゾーンである中小企業の開発案件にも積極的にOracleを提案できるようになった。とりわけOracle 10g Standard Edition One(以下、Oracle 10g SE One)は、XeonやEM64Tといったx86版Windows/Linuxの場合、2CPUまでのシングル・サーバに対応。最少構成の5ユーザー構成で97,650円から導入でき、プロセッサライセンスも1CPUあたり655,620円と、オープンソース・データベースやMS SQL Serverなどに限られていた低予算案件にも十分対応できる。Oracleに精通した開発会社にとって、新たなビジネスチャンスが到来したといえるだろう。 データベース構築に特化した開発会社のSEはOracleのノウハウを蓄積しており、「できるかぎりOracleを使いたい」という声が多い。パフォーマンス、セキュリティ、安定性などを考えると、やはり実績のあるデータベースを選択したいのだ。
「Oracle 10g SE OneはStandard Editionと同一バイナリです。ライセンス料が下がったからといって機能は制限されていない。制限は最大プロセッサ数やクラスタ構成は取れないという規模的な制限だけです。Enterprise Editionともデータベースエンジン自体は共通なので、大規模案件で培ったOracleの開発・運用管理のノウハウを生かして、中小規模の案件まで受注できるようになったのです」と、日本オラクルマーケティング本部 システム製品マーケティンググループ 担当シニアマネージャ 坂本英樹氏は自信を見せた。 さらに、Oracle 10gから導入されたGUIベースの管理ツール「Oracle Enterprise Manager」の新機能も心強い。このWebブラウザ・ベースの管理ツールは、メモリ管理やチューニングのアドバイスを提供してくれるため、従来Oracleアーキテクチャに精通したSEがSQLコマンドを駆使して行っていた管理コストを大幅に低減してくれる。経験の少ないエンジニアに低予算案件を任せ、Oracleエキスパートはクリティカル・ポイントだけチェックする、といった効率的な人員活用も可能になった。 ところで、ライセンス料が引き下げられても、開発予算の制約がきつい案件では、アプリケーション開発の効率化を実現しなければ、開発会社は利益を得られない。 中小規模ユーザーで想定されるアプリケーション開発として「パーソナルDBユーザーからのステップアップ」と「.NET開発」の2つの観点から、Oracle 10g SE Oneのもたらすアプリケーション開発でのメリットを考えてみよう。
社員規模50人程度の企業では、受発注伝票や経理事務にWindows環境のパーソナルDBやスプレッドシートを使っていることが多いが、事業規模が拡大するとマルチユーザー対応システムへのステップアップを迫られる。ここでOracle 10g SE Oneを提案するわけだが、このようなユーザーはデータベースのパフォーマンスをそれほど要求しないものだ。むしろ、ユーザーは従来どおりの操作性を強く求める。バックエンドのデータベースがいくら高性能になっても、オペレータのユーザビリティが下がるようでは顧客満足は得られないだろう。だからといって、本格的にGUI部分を作り込むだけの予算はない。 この難問を突破する方策の1つは、MS Accessをフロントエンドに利用することだ。すでにユーザー企業でMS Accessを使っているなら、オラクルが無償で提供しているサードパーティ製データベースからの移行ツール「Oracle Migration Workbench」を使用して簡単にデータを移行できる。また、「Oracle ODBC Driver」を使ったODBCアプリケーションとの連結や、 OLE/COM技術をベースにしたWindows専用のOracleネイティブ・アクセス・ミドルウェア 「Oracle Provider for OLE DB」「Oracle Objects for OLE」により、ActiveX Data Objects(ADO)、Visual Basic、Active Server Pages(ASP)、Visual C++などで開発されるWindowsアプリケーションとの連携にも万全に対応している。
一方、MS Office製品の導入に難色を示すユーザーもいるだろう。クライアント・アプリケーションはWebブラウザ・ベースで、という要求もある。これまでの低予算案件ではPHPなどでWebアプリケーションを構築することになるのだが、いくらプログラミングが楽なスクリプト言語とはいえ、コーディング+デバッグの工数は開発会社の利ざやを食いつぶしてしまいかねない。 Oracle 10gより登場した「Oracle HTML DB」は、まさにこのような案件にぴったりの機能(注)である。Oracle HTML DBはバックエンドのデータベースにOracle 10g/9i R9.2.03以降を利用するWebアプリケーションを、Webブラウザ・ベースの開発ツールで作成できるというもの。ウィザードに沿ってアイコンを選択していくだけのノンプログラミングで、驚くほど短時間にデータベースと連携したWebアプリケーションを作成できる。
「Oracle HTML DBは元々、Oracle社内のシステムで利用してきたアプリケーション開発ツールで、現在のバージョンは1.5になります。つまり、開発者の要望を反映した、こなれている製品なのです。さらに今後もテンプレートやアイコンなどを追加していきます。Oracle Technology Networkにデモサイトを用意していますので、ぜひ体験してほしいですね」(坂本氏)。
クライアント・アプリケーションの開発にある程度の予算が付いている案件では、開発生産性や開発者確保の点で、Visual Studio .NETを採用することが多いだろう。とかく「Oracle vs Microsoft」という競合の構図で語られることの多い両社だが、.NET開発環境に関して協調して開発者の支援を行っている事実がある。 「オラクルは.NETアプリケーションとネイティブに連携させるミドルウェア『Oracle Data Provider for .NET』を2年前にリリースしています。早い段階から.NET開発環境に対応してきたのは、それだけWindows環境のユーザーを重視しているからです。2004年5月20日には.NET開発環境とのシームレスな統合を強化していくVSIP(Visual Studio Industry Partner)への参加したことを発表しました。OracleとVisual Studio .NETとの統合を継続的に強化していくことをオラクルは確約しているので、Windows環境の開発者の方は、これから先も安心してOracleを利用していただけます」(坂本氏)。 これまでVisual BasicでOracle対応のC/Sアプリケーションを開発してきたプログラマは、Visual Basic .NETに移行した後もデータベースにOracleを選択できる。これは開発コストの削減にとって大きなメリットとなるだろう。 ☆ 「Oracleはエンタープライズ向け」という固定観念は、Oracle 10g SE Oneの登場によって完全に覆されたことが理解できただろう。もちろんOracleは引き続きエンタープライズ市場で重要な地位を占めるが、Oracle 10g SE One以降は中小規模のユーザーへも積極的にOracleを提案できる環境が整った。ただライセンス料が下がっただけでなく、開発者にとって利益を出せる総合的な製品体系が用意されているという点を理解し、新たなビジネスチャンスの獲得に生かしていただきたい。 |
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