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 @IT情報マネジメント編集部主催イベント「@IT情報マネジメントカンファレンス リスク・コストと戦うプロジェクト管理セミナー」が、2009年6月30日に東京・ベルサール神保町で開催された。

 リーマンショック以降、各社はコストカットに必死だ。失業率は5%を超え、派遣切りも話題になるなど、雇用情勢も不安定だ。そのような状況下、プロジェクト管理者に対するコストプレッシャーも増加している。

セミナー会場

 また、2009年4月から工事進行基準の対応が始まった。これにより、SIerやソフトウェア開発事業者は、これまでの完成基準から進行基準への変更が可能となり、対応を迫られている企業も多い。そこで、本セミナーでは工事進行基準のポイントや、プロジェクト管理のポイントなどを紹介した。

 セミナーに先立って行われた基調講演では、トーマツイノベーション シニアマネージャの安達裕哉氏が「50分聞けばできる工事進行基準対応プロジェクト」と題した講演を行い、工事進行基準のメリット・デメリットや、工事進行基準対応プロジェクトでは、作業WBSと成果物WBSを作成することが重要であると説明した。

 基調講演に続いて行われた3セッションでは、参加ベンダ各社がプロジェクト管理ツールの利点やノウハウを提供した。今回は、このうち株式会社システムインテグレータと日揮情報システム株式会社の2つのセッション内容をピックアップして紹介する。

セミナーレポート インデックス
『総合プロジェクト管理システムで実現した組織PM力の飛躍的向上』
‐ 株式会社システムインテグレータ
『プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立』
‐ 日揮情報システム


株式会社システムインテグレータ
『総合プロジェクト管理システムで実現した
組織PM力の飛躍的向上』
梅田氏
株式会社システムインテグレータ
代表取締役社長
梅田 弘之氏

 株式会社システムインテグレータのセッションでは、同社代表取締役社長の梅田弘之氏がプロジェクト管理ツールを開発した背景や、「脱Excel」を実現するまでのポイントなどを紹介した。

 梅田氏は自社でプロジェクト管理強化に取り組んできた同氏自身の経験上の結論として、「プロジェクトに関連するさまざまな要素や指標を統合的に扱うシステムでなければ、現場のプロジェクト管理力は向上しない」と強調。その要因として、「部分的な改善のつぎはぎ」「現場がそっぽを向くような複雑・面倒なものをあてがっている」「トップが強い意思を持って推進していない」「普遍的なプロジェクト管理の仕組みがない」の4つを挙げた。

 部分的な改善のつぎはぎとは、その場しのぎ的な部分改善を繰り返した結果、全体的な改善がなされず、全体最適がされていない状態。担当者やシステム基盤もすべてバラバラなので、収集がつかないのが問題だという。現場がそっぽを向くような複雑・面倒なものとは、プロジェクト管理者はプロジェクト管理論を勉強して理想を追い求め、その理想を実現するための複雑なシステムを導入するものの「現場は簡単で楽なものでなければ使わない」という大きなギャップが存在している問題だ。そして、梅田氏が最も重要な問題として挙げるのが「トップが強い意思を持って推進していない問題」だ。同氏はプロジェクト管理はボトムアップ型でなく、トップダウン型でなければ、組織的な合理化は図れないと強調した。

 そこで梅田氏が推薦するのが「ERP的な“パッケージオリエンテッドアプローチ”」だ。同氏は「脱Excelを実現するために、まずはパッケージソフトを導入して使ってみるべき」と主張する。例えば、同社のプロジェクト管理ツール「SI Object Browser PM」(OBPM)を利用することで、「PMBOKの9つの知識エリアを統合した形でのプロジェクト管理システム」「工事進行基準への対応」「CMMI3以上を実現できる」という3つのメリットが実現できるという。

 例えば、Excel中心の管理手法の場合、データ連携機能を備えていないことから、全体のデータ統合ができない問題がある。その結果、コスト管理や品質管理、スコープ管理といったPMBOKが定める9つの知識エリアを統合できない。一方、OBPMを利用した場合には、組織的な標準化やスケジュール進ちょく状況、品質の見える化などが推進できるという。「Excelベースだと部門長やPMO、そしてメンバーからもプロジェクトが見えない点が問題だ。その点、OBPMを利用すればコストに関するEVMなどを数値化することで、すべてのプロジェクトを把握可能になる点が大きい」(梅田氏)とメリットを説明する。

 また、工事進行基準対応として、世の中で多く利用されている原価比例法とEVM法の両方をサポートし、その差異の比較管理を可能とした。さらに、検収基準と進行基準の双方をサポートしているため、スムーズな移行も可能にしているという。そのほか梅田氏は、Excelベース管理のもう1つの欠点として、「いわゆるオレ流が、まん延して全社的な標準化がまったくされない」点を挙げた。Excelは各人が別々に使えるツールであるため、それぞれで独自の改良を遂げているケースが多い。その点、統合ツールを導入することで標準化が図れ、組織としての標準化を実現し、CMMIレベル3以上のレベルを実現できるという。そのほか、OBPMの特徴として、PMBOKが対象としていないアカウント管理や電子承認管理、ドメイン管理なども提供している点が挙げられる。

 続いて、梅田氏は自社の導入事例を紹介。同社では、経理・人事部がERP「GRANDIT」を、営業部門がSFA「eセールスマネージャー」を導入し、これとEAI「DataSpider」が連携している。そして、開発部門がそれに対応する形でOBPMを使用してプロジェクト管理を行っている。そして、2008年11月の本番稼働後には、それぞれが連携したことから、部門会議や経営会議はペーパーレス化したという。同氏はプロジェクト管理のポイントとして、「最も重要なのは、WBSリソースヒストグラムだ。この2つをうまく組み合わせることがポイントだった」と解説した。

 最後に梅田氏は、同社における導入について「当社は、社長である私自身がトップダウンで推進したため、迅速な導入が可能だったという事情があるが、実質3カ月で導入できた。やはり、プロジェクト管理ツールの導入においては、トップダウン方式による導入が非常に重要なポイントとなる」と語り、講演を締めくくった。

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プロジェクト管理会計、標準化、進行基準対応、PMBOK準拠のソリューション
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 関連リンク: 株式会社システムインテグレータ 

日揮情報システム
『プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立』
池田氏
日揮情報システム株式会社
営業本部 産業ソリューション営業部 担当マネジャー
池田 幸穂氏

 続いて講演した日揮情報システムの池田幸穂氏は、同社におけるプロジェクト管理のポイントと、同社のプロジェクト管理製品「SmartPMO」やプロジェクトコスト管理製品「J+Project会計」の説明、実際に両製品を同社が導入した事例の説明などを行った。

 日揮情報システムは、エネルギー施設など大型プラント建設を手掛ける日揮の情報システム子会社として、さまざまな活動を展開。Oracleデータベースの国内第1号ユーザーとして長年にわたり開発・運用を行ってきたほか、ERPパッケージ活用によるシステム化で実績を上げているという。さらに、プラント建設などで大規模プロジェクトを数多く管理してきた親会社からプロジェクト管理のノウハウを継承し、プロジェクト管理ツールにも取り入れているという。

 実際に日揮情報システムでは、プロジェクト管理手法として標準WBSやリスク判定表、プロジェクト遂行方法などを策定・実施。プロジェクトの推進に一役買っているという。また、2009年5月にはプロジェクト管理製品「SmartPMO」を自社で全社的に導入。営業フェイズからプロジェクトの終了、評価までを一括管理している。

 SmartPMOは韓国POSDATA社が開発し、日揮情報システムが2009年6月から国内販売を開始したプロジェクト管理ツール。案件管理機能やプロジェクトの計画・遂行・モニタリング機能、終了ジョブ情報管理機能などを備えている。POSDATA社はSmartPMOを自社採用し、2004年にはCMMIレベル5認定を受けているという。SmartPMOの特徴は、「CMMIで規定されたプロセスがワークフロー上に定義されているほか、PMBOK準拠のメニュー体系で標準化が図れる」「プロジェクトの進ちょく状況がリアルタイムでモニタリングできる」「ポートフォリオを管理するVRB(Value Review Board)機能で案件段階でのリスクを評価でき、プロジェクト開始可否を含めた意思決定をサポート」「過去プロジェクトの開発方法論やWBSなどをデータベースに保管して、新プロジェクト開始時にテンプレートとして活用可能」という4点が挙げられる。

 池田氏によると、「SmartPMO導入以前は、Excelを用いて案件管理や見積作成、売上計算などを行い、それと並行して別のシステムでプロジェクト登録や作業工数・原価管理なども行っていた。しかし、SmartPMO導入以降は、案件登録からプロジェクト管理登録に始まり、進ちょくや品質管理、最終的な評価まで一貫してSmartPMOで管理可能となった。これにより、かなりの工数削減を実現した」と説明した。

 さらに同社では、SmartPMOとプロジェクトコスト管理製品「J+Project会計」との連携を計画している。これにより、SmartPMOで管理しているプロジェクトのデータとJ+Project会計を連携させ、原価計算や売上計算などを自動化できるという。

 池田氏は「Excel中心の管理では、プロジェクト管理と会計ソフトの連携が難しい。一方、SmartPMOとJ+Project会計の連携ができれば、容易に工事進行基準への対応も可能となるほか、かなり精度の高い見積もりを作ることも可能だ。精度の高い見積もりや工事進行基準対応はクライアントに安心感を提供できる強みになりえるだろう」と語り、講演を終えた。

さらに詳しい資料を、TechTargetジャパンでご覧いただけます。
プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立
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 関連リンク: 日揮情報システム 

 3セッションに続く最後の特別講演では、株式会社日立コンサルティング ディレクター 篠昌孝氏が「失敗しないプロジェクトマネジメントとは? 〜プロジェクト管理力向上へ向けた組織的な取り組みと実践事例」と題した講演を行った。篠氏は、プロジェクト成功の秘けつとしてまずPMOの必要性を強調。実際、日立コンサルティングでは重点管理領域として、「スコープ管理」「進ちょく管理」「品質管理」「リスク課題管理」「コミュニケーション管理」の5点を掲げているという。同氏はその後、それぞれのポイントを説明した。

 そして、最後にプロジェクトマネージャの重要性を強調。優秀なプロジェクトマネージャを育成するためには「行動特性」「知識」「技能」の3点が特に重要だとし、その育成には、短期的にはコンサルティングファームの活用が、長期的にはプロジェクトマネージャコミュニティを組織した切磋琢磨できる環境作りが非常に重要だと説明し、講演を締めくくった。

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PMBOK準拠のソリューション
提供:株式会社システムインテグレータ 
さらに詳しい資料を読む⇒ プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立
提供:日揮情報システム 


提供: 株式会社システムインテグレータ
日揮情報システム株式会社

企画:アイティメディア 営業企画
制作:@IT 情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2009年8月22日


セミナーレポート インデックス
『総合プロジェクト管理システムで実現した組織PM力の飛躍的向上』
    ‐ 株式会社システムインテグレータ
『プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立』
‐ 日揮情報システム

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進ちょくや採算が翌月でないと分からない。原価の分析が行えない。プロジェクト進行が俗人化している。これらの悩みを解決できるソリューション。現場/管理/経営部門がプロジェクトデータを統合的に利用/管理できる。

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プロジェクトマネジメントにおける会計と品質の両立
会計基準の変更以前から進行基準に対応してきた日揮情報システムにおけるプロジェクト管理の要点と、プロジェクト管理製品「SmartPMO」やプロジェクトコスト管理製品「J+Project会計」、実際に両製品を導入した事例を紹介。

提供:日揮情報システム 

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株式会社システムインテグレータ
日揮情報システム