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@IT > ビジネスの拡大、リスクの減少、戦略実行支援のための統合ビジネスインテリジェンスソリューション |
アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2003年11月30日 |
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SAS Industry Intelligence Solutionsの中から今回紹介するのは、9月に日本市場に新たに投入された「SAS Insurance Intelligence Solutions(IIS)」だ。その名のとおり、生保・損保といった保険業界に特化したインテリジェンス・ソリューションである。
企業や個人の意識が激変していく中で、国内のあらゆる業界のビジネスも柔軟な変化対応が求められている。なかでも保険業界では、外資系保険企業、新規参入企業などが革新的な事業展開を行うことで、顧客ニーズの変化を捉えビジネスの拡大にチャレンジしている。同時に、日本で長年ビジネスを展開してきた保険会社も「足で顧客を獲得する」といった従来の営業スタイルに加え、ビジネスの拡大を図るためにビジネス・インテリジェンスに基づいた施策を打つ必要性に迫られている。 ちなみに、早くから規制緩和が進んでいた欧米の保険業界では、1990年代初頭からこうした課題が顕在化してきたという。そこで「顧客1人あたりの収益を最大化する」という戦略の下、さまざまな取り組みを実施してきた。その戦略策定基盤として、大手生保・損保企業がこぞって導入したのがSASのソリューションだ。SASのプロフェッショナルサービス第1部長・田井祥雅氏は「欧米でSASを導入した企業が成功した最大の理由は、『短期間でROIを実現できた』という1点に尽きます。今回発表したIISは、SASが欧米の保険業界で培ってきたノウハウがすべて集約されており、短期構築とROIの実現を約束します」と自信を見せる。 IISでは、保険業界に特化したデータウェアハウス機能を提供する「Insurance Intelligence Architecture」で業界固有のビジネス・インテリジェンスのプラットフォームを構築。その上に6つのアプリケーションをプラグ・インすることにより保険業界のビジネス・インテリジェンス課題を解決するソリューションだ。(図1)。
IISを含め、この業種別ソリューションを特長付けているのが、共通のインフラ基盤であるIntelligence Architectureだ。「多くの企業は、社内に蓄積されたデータを活用しきれていません。また先進企業でさえも、部門別に小さな分析用データマートを構築し、システムがバラバラに稼働している状態です。部門同士でシステムの機能が重複しているケースも多いし、何より運用コストもかかります。こうした状況を打破するため、まずは全社用の共通のインフラ基盤を作るというのがSASのアプローチです」(SAS プロフェッショナルサービス第1部 迫田奈緒子氏)。 Insurance Intelligence Architectureには、これまでSASが提供してきたデータウェアハウス構築のための製品がほとんど含まれている。具体的には、データ分析の基本機能を搭載した「Base SAS」をはじめ、さまざまなデータソースへアクセスするためのインターフェイスを提供する「SAS/ACCESS」、データの高速処理および分析を可能にする「Scalable Performance Data Server」などだ。これらは従来「完成品」として同社が提供してきた製品群。これらを基盤の中に取り込み、保険業界特有の分析データモデルをしっかり設計することで、部門やビジネス・ニーズにかかわらず、さまざまな分析が可能になるという。データハンドリングや分析アルゴリズム、レポートの作成はすべてこのアーキテクチャが処理する。 一方、この基盤の上に載せる6つのアプリケーションはそれぞれのビジネス課題別に個別に開発されており、ニーズにあわせて単体はもちろん、段階的に導入することも可能。このように「迅速な導入と、全体像を把握しながらニーズにあわせて段階的にアプリケーションを追加できる」というのがこのソリューションの強みだ。 業界別のデータモデルとは、顧客の氏名や属性のほか、入院や事故の実績、支払った保険額など、分析に際し必要な情報を基幹システムから抽出したもので、どのようなデータが必要になるかは「SASのノウハウとしてあらかじめ定義している」という。こうして収集したデータを、Insurance Intelligence Architectureの内部で、分析目的と利用するアルゴリズムに合わせ、最適なフローを設計・実行していく。ちなみにデータ取得に関しては、OracleやDB2、Sybaseといった主要データベースのほか、ODBC経由であらゆるデータソースにアクセスし、必要なデータをSAS Systemに取り込むことが可能だ。 そしてもう1点、忘れてはならないのがその「分析速度」。保険業界のように、商品の数が多く組み合わせが複雑で、かつ顧客数も膨大な場合、1回の分析に24時間以上かかるケースも多い。だが予測精度の高い仮説を引き出すためには、分析対象となるデータ項目を変え、何度も分析をかける必要がある。繰り返し分析を行うことで予測の精度を高め、より最適な意思決定につなげていくのである。そこでデータ処理に1日以上かかるようでは、厳しいビジネス環境にある保険業界で生き残れない。SASでは業界別データモデルを提供する際、分析速度を損なわないための最適なデータ設計を行うことによって、処理速度の問題を解決している。例えば解約予兆分析の場合、データ量によって差はあるが、1回の分析につき平均数時間で済むという点も大きなメリットだ。
データモデルを整備し、散在するデータを一元的に管理できるこのインフラ基盤を整備すれば、さまざまな分析ニーズに対応することが可能となる。しかし、ひと口に「どんな分析にも使える統合化したインフラ基盤を構築する」といっても、その実行は簡単ではない。そのため実際には、個別の分析ニーズごとに小規模なデータマートを構築して終わってしまうという例が多かったのではないだろうか。 これに対するSASの回答は「これまで当社が導入してきたノウハウを活かし、短期開発を実現するプロセスとプロジェクトの手順書を提供します」というものだ(図2)。
SASではワールドワイドでの実績をもとに、上記の開発プロセスについて、どのフェイズでどんな作業をすべきかまとめたドキュメントを作成している。これに基づいてプロジェクトを進めていけば、最短4カ月もあればインフラ基盤である「Insurance Intelligence Architecture」とアプリケーションの導入が済むという。また、作業中に何か不具合が発生した場合でも、ワールドワイドで導入例をデータベース化しているので、こうした過去のプロジェクトを参照して予想されるリスクを回避できる。こうした世界規模のサポート体制も大きなメリットだ。
本ソリューションの特長は、これまで説明してきたようなアーキテクチャや開発プロセスの整備だけではない。導入後、「どのように分析したらいいか」「ルールを導き出すにはどうすればいいか」といった、実際の利用段階におけるサポート体制も用意している。例えばユーザーが「解約者分析をやりたい」といったとき、SASの分析チームが参加して分析ノウハウを提供することで、初めて分析を行うユーザーでもより短期間で効率よく仮説を導き出せる。その仮説を実行し、結果データを投入することで、分析結果の精度も向上していくわけだ。 実際、米国のある大手生命保険会社では、解約予兆分析にSASソリューションを採用し、導入後3カ月で解約者数を1割削減したという結果が出ている。この事例に関しては「3カ月でこれだけの成果が出るのは大成功」(営業本部第1営業部金融第1グループ 加藤保光氏)と、SAS社員も太鼓判を押すほどだ。もちろん、こうした成功を収めるには、常日ごろからビジネスデータの利用に関心を持ち、分析・仮説・検証というサイクルを確立していることが条件となる。
残念ながら、国内企業は欧米企業に比べるとこうしたデータ活用の意識がまだまだ低いという。これは保険業界に限らず、国内のあらゆる業界に共通する課題だ。そこで、「まずは分析用の統合されたインフラ基盤を作り、データを活用する体制を作りましょう」というのが、今回SAS Industry Intelligence Solutionsが打ち出しているコンセプトだ。 SASはこのIndustry Intelligence Solutionsでビジネス・インテリジェンス・ソリューションを包含し、「ビジネス戦略・立案」を支援するソリューションカンパニーへと生まれ変わろうとしている。 |
SAS
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