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 @IT > イネーブリング・テクノロジの融合によって生み出された、SPSS製品が続々登場
 
@IT[FYI] 企画、制作:アットマーク・アイティ 営業企画局
掲載内容有効期限2004年2月23日

 
コアコンピタンスと“Enabling Technology(イネーブリング・テクノロジ)“の融合によって生み出された、SPSS製品が続々登場

 SPSS(本社)は、2003年10月に35周年を迎えた。現在、SPSS製品は統計解析ツールのスタンダードとして世界中で高い評価を得ているが、そうした高い評価を勝ち得た背景には、単なるツールベンダではなく、企業のデータ活用に関わる問題解決(ソリューション)を提案してきた実績が認められたということがあるだろう。そして、35周年を1つの節目に、SPSSでは、自社のコアコンピタンス(35年にわたって培ってきた独自の強み)は「Predictive Analytics」にあることをあらためて明確に認識し、このコアコンピタンスを最大限に生かしたソリューション展開に着手したところだという。

 今回は、SPSSが提唱する企業コンセプト「Predictive Analytics」の意味するところを解説すると共に、2004年2月に発売予定の新バージョン「Clementine 8」の新機能、およびWebサイトのアクセスログ分析を可能にする「Web mining for Clementine(2003年12月25日出荷開始)」の特徴について紹介する。

 取材にご協力いただいたのは、SPSS株式会社 上級副社長 村田悦子氏と同 リサーチ&デベロップメントデビジョン シニアプロダクトエンジニア 高田倫尚氏である。

 
「Predictive Analysis」によって初めて実現する
「売り上げが上がる仕組み」

 村田氏によれば、企業に導入されるシステムは、大きくは次の3つのフェイズに分けることができるという。


  1. Operational Systems
  2. Business Intelligence
  3. Predictive Analytics
図1 企業データとシステム導入目的の相関図(資料提供:SPSS)

 「Operational Systems(以下OS)」とは、基幹系システムのERP、顧客接点を管理するCRM、バーチャルな顧客接点であるWebサイトなどの業務システムである。これは、日常業務を支えるシステムであると同時に、さまざまな企業データの入り口になると、村田氏は解説する。このOSが導入される目的は、主に業務を迅速化する、労力を削減するといった効率化メリットにある。

 OSを入り口として生み出される多様な企業データを分析するために、「Business Intelligence(以下BI)」が導入される。BIでは、多様な企業データは、統一されたフォーマットに変換され、データウェアハウス化される。そして、OLAPツール、Query/Reportツールなどを用いて、多次元分析などが実行される。この分析系システムの導入目的は、主として企業活動の結果や現状の把握である。

SPSS 上級副社長
村田悦子氏

 さらに、データ分析の結果を現状把握にとどまらず、将来の予測や意思決定を行う「分析モデル」を実現するシステムが、「Predictive Analytics(以下PA、日本語にあえて訳すと『予測解析』)」である。膨大なデータの中からなんらかの法則性を見いだすデータマイニングはこのPAの範疇に含まれる。例えば、ダイレクトメールの反応率を改善する予測モデルや金融機関の与信審査に組み込む与信可否判定モデルなどはClementineによって開発され、それらが日常業務を支援するOSに反映されることで売り上げ拡大に寄与するのだ。

 村田氏は、次の点を強調する。

「OSもBIも導入のためのIT投資額は莫大なものになりますが、そのメリットは、OSの場合、効率化に伴う手間・コスト削減、BIでは、現状を把握することにとどまります。しかし、企業は、PAを導入することで初めて、データの活用を通じて『売り上げを伸ばす仕組み』を構築することができるのです」

 冒頭で述べたように、村田氏は、SPSSのコアコンピタンスは、PAのフェイズにあると再認識しており、今後のSPSSのソリューション展開の方向性を次のように語った。

「SPSSでは、企業におけるPAの活用がさらに進むよう、その周辺部分をサポートする“Enabling Technology(イネーブリング・テクノロジ)”と呼ばれる技術を提供していきます。これはPAへのデータ入り口部分の接続性だけでなく、PAで開発したモデルをOSにつないでいく、つまり、データやモデルの出口部分の接続性をも容易にするような技術を指します。“Enabling Technology”を駆使したソリューション製品を今後続次々にご紹介していく予定です」

 
Predictive Analyticsの核となるデータマイニングツール“Clementine”の最新バージョンの新機能とは?

 2004年春に出荷開始予定の「Clementine 8」の新機能をご紹介しよう。製品開発担当者である高田氏によれば、今回のバージョンアップの基本コンセプトは“easier(イージア)”だそうだ。例えば、分析前に必ず行わなければならないデータの準備(クレンジングなど)をさらに容易に行えるよう、新たな機能を持つノードがいくつか追加されているという。ここでは、今回追加される主要なノードについて紹介しておく。

 最初にあげられるのは「データ検査ノード」である。これは、入力された全データの概要を一括表示させるためのノードである。データがグラフ化されて表示されるので、データの分布をビジュアルにとらえることが可能になった。また、最小値、最大値、平均値、標準偏差など、データの特徴が一目で把握できるようになっている。データの概要をふかん的に確認することは、分析計画を立案したり、データのクレンジングなどを行ったりするには不可欠の作業であるが、「データ検査ノード」が追加されたことにより、データ概要を表示させるノードを作成する手間・時間が解消された。

画面1 データ検査ノードによって表示されたデータ概要のイメージ画面
(資料提供:SPSS)

 次は、データを等分割することができる機能をもつ「データ分割ノード」である。具体的には、購入金額の多い順番に顧客を並べて10等分に分割し、上位2等分の顧客が売り上げの8割を占めているといった分析(デシル分析と呼ぶ)を行うことが、「データ分割ノード」を利用することにより簡単に実行できるようになっている(分割する数は任意に指定できる)。

 上記のような新規のノード以外にも、Kohonenなどのクラスター分析の結果を数値だけでなく、円グラフやヒストグラムによって表示できる「クラスタービューワー」が新機能として追加されている。これまで、数表だけで見ていたものがグラフ化されたことにより、各クラスターが持つプロフィールの特徴がより理解しやすくなった。

画面2 クラスター分析結果をグラフ化する新機能「クラスタービューワー」
(資料提供:SPSS)

 
“Enabling Technology(イネーブリング・テクノロジ)”を駆使した
「Cleo(クレオ)」

SPSS リサーチ&
デベロップメントデビジョン
シニアプロダクトエンジニア
高田倫尚氏

 「Clementine 8」では、いわゆる「Enterprise」のコンセプトに基づき、大規模ユーザーへの対応力を高めており、データベースとの連携強化やデータの入出力の高速化などが図られている。

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画面3 Cleoの設定画面例
(資料提供:SPSS)

 “Clementine online”を意味する「Cleo」は、「Clementine 8」のオプションツールであるが、これも大規模ユーザーにおいて、Clementineの機能を一般ユーザーにも利用可能とする環境を実現するものである。具体的には、「Cleo」を導入すれば、Clementineを用いて開発された分析モデルをWebブラウザで利用できるプログラムに自動的に展開することが可能となる。

 「例えば、金融機関のスタッフが利用するWebベースの与信審査プログラムが、『Cleo』を用いることによりコーディング不要で開発・導入可能となります。したがって、多数の企業内ユーザーが、Clementineを知らなくとも、Clementineで開発された分析モデルを簡単に活用できるようになるのです」(村田氏)ということだ。

 「Cleo」こそ、村田氏が強調するPAの出口とOSをつなぐ“Enabling Technology(イネーブリング・テクノロジー)”、すなわち、PAで開発された分析モデルをOSに組み込むことを可能にする製品である。

 
膨大なデータの入り口であるWebサイトから発生する
「アクセスログ」の分析を可能とする“Web Mining for Clementine”

 OSの中で、膨大なデータが生み出されていながら、あまり活用されていないデータの筆頭が「テキストデータ(自然文データ)」であり、次いでWebサイトへのアクセス履歴である「アクセスログデータ」だろう。テキストデータの分析については、2004年春にアップグレードが予定されている「Text Mining for Clementine」がすでに出荷されているが、アクセスログデータの分析を可能とする、待望の「Web Mining for Clementine」が、2003年12月25日に出荷開始された。

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画面4 Webログファイルフォーマットの選択画面
(資料提供:SPSS)

 高田氏は、「Web Mining for Clementine」の特徴を端的に語ってくれた。「Clementineのオプションソフトである『Web Mining for Clementine』をインストールしていただくと、Clementine上の入力タブに新規ノードとして追加されます。IIS、Apache、iPlanet、BEAほか、ほぼすべてのWebサーバに対応しており、ログファイルのフォーマットを選択することが可能(画面4)です。分析する際には、分析対象をあらかじめ『イベント』として定義していただきます。例えば、『商品検索画面で何を検索したか』といったことをイベントとして設定するわけです。SPSSでは、ログ分析で通常行われる分析モデルとして、およそ35種類のテンプレートを製品とともに提供します。多少のカスタマイズは必要ですが、1から分析モデルを定義するよりははるかに容易にご利用いただけます」

  例えば、インターネットショッピングサイトの分析例では、どの語が頻繁に検索されているか(分析例1)、あるいはどういったページをたどることが多いのかといったページ遷移履歴(分析例2)を分析した結果を示している。アクセスログは、Web上に残された顧客の足跡データであるといえるが、こうした分析を通じて、例えば、Eコーマスサイトの業績向上のためにどのようなページ構成にすべきか、を検討することが可能となるのである。

分析例1 電気製品カテゴリ、映像分野のページで、検索に使われた言葉の一覧を表示
(資料提供:SPSS)

分析例2 Webログ分析の基本情報の1つとして、頻度の高いWebサイト内での訪問者のページ遷移履歴を表示
(資料提供:SPSS)

 「Web Mining for Clementine」を導入することにより、一連のアクセスログ分析が可能となるのはいうまでもないが、最大の強みは、単なるWebサイト内での行動履歴の分析だけでなく、顧客プロフィールや購買履歴データなどを連係させたうえでのより深いデータマイニングが可能になるという点だろう。また、PA領域において「Web Mining for Clementine」が分析した顧客の行動履歴や購買履歴を組み合わせたデータマイニングの結果をもとに、さらなるWebサイトのユーザビリティの向上やレコメンデーションエンジンの採用など、データの入り口であるOSに反映させることで、WebのROIを高めることが可能になる。つまり、「Web Mining for Clementine」もEnabling Technologyの一環として位置づけることができるツールである。

 今回紹介した、SPSSが提唱する「Predictive Analytics(PA)」の考え方、および「Clementine 8」の新機能、および「Web Mining for Clementine」の特徴をご覧いただければ、SPSSという企業が、売り上げを伸ばす仕組みを実現するPAのフェイズに軸足を置き、データ活用に取り組む企業を強力にサポートすることをコンセプトにしているということがお分かりいただけたはずだ。製品の1つ1つに、SPSSの企業コンセプトが組み込まれており、多くの製品群が多様な機能を実現するとともに、深く連携し合い、そして進化を続けている。2004年も引き続き、イベントや製品発表などを通じたSPSSの動向に注目していただきたい。


SPSSでは、“Clementine”をはじめ、“SPSS WebApp”
“Text Mining for Clementine”など、
SPSS製品に関する各種資料やデータマイニングに関する
各種資料をご用意いたしております。

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●資料一覧

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