企業のITインフラはクラウド一辺倒ではなく、再びオンプレミスに注目する動きもある。今後のオンプレミスの刷新はどうあるべきなのか。サーバOS「Windows Server 2025 」がリリースになる中で、新生エフサステクノロジーズが提供するサポートとは。
企業のITインフラはいま、大きな変化の過渡期にある。クラウドサービスへの移行が進んできた一方で、近年はクラウドサービスからオンプレミスに回帰する動きもあり、オンプレミス側のITインフラをいかに刷新するかが検討事項の一つになっている。VMwareの仮想化ソフトウェアのライセンス変更に伴う将来への不安や再構築の必要性も大きな課題となっている。
そうした中、MicrosoftのサーバOS「Windows Server 2025 」の一般提供が2024年11月に開始。企業のサーバ運用担当者は、サーバのリプレースや新規導入に向け、どのような動向や課題に向き合うべきなのか。
2023年11月にBroadcomがVMwareを買収して以降、VMware製品のライセンス体系をはじめとする販売戦略が大きく変更された。これにより、今後の仮想化基盤をどうすべきか、企業の悩みが尽きなくなっている。
エフサステクノロジーズはこうした状況を踏まえ、2024年6月に顧客のITインフラに関する課題について調査を実施。この調査では、約3割がVMware製品から他の仮想化製品への移行を検討していると答えている。移行先に関しては、Microsoftのハイパーバイザー「Hyper-V」に移行したいという回答が目立ったという。Hyper-Vが選ばれるのは、サーバとWindows Serverのライセンスがあれば仮想化基盤を構築できる手軽さが理由の一つになっている。
最近でも地方の教育機関において、仮想化基盤をVMware製品からHyper-Vに移行した実例があったという。その教育機関では、生徒向けに最新のクラウドサービス環境を提供しつつも、セキュリティの観点で個人情報などのデータはオンプレミスで運用する必要があったことから、ハイブリッドクラウド環境を構築。オンプレミスのWindows Serverからクラウドサービス群「Microsoft Azure」に連携するハイブリッド環境を、Microsoftの製品/サービスで一元管理できることがHyper-Vに移行する決め手だったということだ。
仮想化基盤の配置場所に関する設問では、約半数がオンプレミスを検討すると回答したという。「今回の調査でITインフラの移行先として、オンプレミスのニーズも根強いことが分かりました。オンプレミスが検討されているのは、企業システムの中に個人情報など、手元に置いておきたいデータがあるというセキュリティ上の理由です。オンプレミスとクラウドの使い分けが明確になってきたのではないかと思っています」。エフサステクノロジーズの原田 恵氏(プロダクトソリューション事業本部 ビジネス推進統括部 PRIMERGY推進部 シニアマネージャー)はそう話す。
オンプレミスで仮想化基盤を構築するためのサーバとして、エフサステクノロジーズはx86サーバ「PRIMERGY」シリーズを提供している。オフィスでの利用に最適な静音性を備えた1WAY(1CPUソケット)エントリーサーバから、GPUを標準で搭載し、より大規模な解析業務やAI(人工知能)モデルの学習や推論などの用途に最適な2WAY(2CPUソケット)ラック型サーバなど、豊富なラインアップを用意している。
PRIMERGYの特長の一つは「メイドインジャパン」品質のサーバ製品、サービスであることだ。福島県の工場で開発から生産、品質保証までを実施しており、各種検査を経て、品質を保証した状態でユーザー企業に向けて出荷される。
原田氏は「この体制により、日本企業が求める、よりきめ細かいサービスに見合ったサーバ製品を提供できます」と話す。
この、工場で提供されるサービスが、Windows Server 2025 をプリインストールして出荷する「インフラ基本導入サービス」という支援サービスである。サーバOSと運用管理ツールをインストール、設定するだけではなく、最新のセキュリティパッチも適用するという。顧客の要件に応じた出荷時の設定値一覧を納品物として添付し、設定内容の検査まで実施する。
エフサステクノロジーズの前川弥加氏(プロダクトソリューション事業本部 統合商品事業部 MS/VMビジネス開発部 シニアマネージャー)は次のように話す。「Windows Serverでは、Microsoftからサポート技術情報(Knowledge Base:KB)が次々と公開されますが、KBを福島の工場で工場出荷前に設定したり、お客さまの要望に応じた細かい設定を施したりして出荷できます。セキュリティ更新プログラムに関しても、出荷時に公開されているものを適用して出荷されるので、届いてすぐに安心して利用できます」と話す。
2024年11月にリリースされたWindows Server 2025 は、Hyper-V以外の仮想化基盤からの移行や、2027年1月に延長サポートが終了する「Windows Server 2016」をはじめとした旧バージョンのWindows Serverからのリプレースを検討する際の候補になる。
エフサステクノロジーズは、Windows Server 2025 への移行や旧バージョンからの移行を検討する顧客に対しては、仮想化アセスメントサービスにより最適なサーバ導入やリプレースを後押しする。
このサービスでは、現在利用しているハードウェアの情報をネットワーク経由で一定期間収集し、専門のエンジニアが解析することで、最適なハードウェア構成を提案するという。
サーバの導入時には、リソースを適切に見積もることも重要だ。前川氏は、「仮想化基盤を刷新する際、どれくらいのCPUやメモリ、ストレージを搭載したハードウェアを選定すればよいか分からない、どのように設計すればよいか支援してほしいといった要望が多くなっています。こうしたお客さまに対して、エフサステクノロジーズでは『仮想化アセスメントサービス』を提供しています」と話す。
さらに、アセスメントから構築、アフターサポートまで、エフサステクノロジーズがOEMベンダーならではの一貫したサポートを提供する。
「トラブルが発生した場合は、OSの問題なのか、ハードウェアの問題なのかを切り分け、適切なサポートを提供できます。仮想化基盤に関しても、各ハイパーバイザーのサポートチームと連携して問題を解決します」と前川氏は話す。
エフサステクノロジーズでは、利用型のオンプレミスソリューションとして、オンプレミスのITインフラを月額サブスクリプションで利用できるサービス「uSCALE サブスクリプションモデル」(以下、uSCALE)の提供も開始している。uSCALEは顧客企業のデータセンターに対象製品を設置可能で、同社のエンジニアがサーバの設置までを実施する。
原田氏は、「PRIMERGYを初期投資により5年間一括で購入してもらうといった方式がこれまでの一般的な導入方法でした。uSCALEはサーバやストレージ、OSなどの対象製品に関して、利用期間をあらかじめ決められないプロジェクトや、オンプレミスをクラウドサービスのように資産を持つことなく月額で支払いたいといった幅広いニーズに対応し、お客さまのITリソースを最適化します。すでに多くの業種、業態から問い合わせをいただいており、Windows Server 2025 でもご利用いただけます」と説明する。
エフサステクノロジーズはMicrosoftとおよそ30年にわたる長年の協力体制を確立している。エフサステクノロジーズの技術者がMicrosoftの本社に駐在することで、最新情報や最新技術をサーバの開発にいち早く取り入れる体制を確立するだけではなく、サポート面での連携により、顧客のシステムの安定稼働を支えている。前川氏は「『Windows NT』の時代から培った知見やノウハウを生かし、Windows Server 2025 の導入をトータルに支援します」と話す。
Windows Server 2025 に搭載された新機能も、移行を検討するきっかけになるだろう。例えば、セキュリティ面では、システムをリブートすることなくパッチを適用できる「ホットパッチ」機能がある。パッチ適用のために業務やサービスを止める必要がないので、システムの安定稼働や運用負荷の軽減などのメリットが見込める。GPUのリソースを仮想化して使える「GPUパーティショニング」機能も、AI活用を検討している企業にとって魅力的な新機能だ。
エフサステクノロジーズは2024年4月、ハードウェア事業の基盤強化に向け設立され、ハードウェアソリューションのトータルプロバイダーとして顧客の事業の継続や成長を支え、サステナブルな社会の実現に貢献するという。
「オンプレミスでもクラウドでも、広く利用されているOSがWindows Serverであり、アセスメントから生産、検証、保守まで、ハードウェア、ソフトウェアにかかわらずトータルに支援できるのが当社の強みです。これまで培った技術力と信頼により、Windows Server 2025 を安心して使っていただけます。今後のAI活用に関しても、データを手元に置きたいという要望が多く聞かれます。オンプレミスのサーバ導入を検討している企業の担当者はぜひご相談いただければと思います」(原田氏)
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年12月31日