「Windows Server 2016」の延長サポート終了が迫る中、タイムリミットに気付かずリスクを抱えたままの企業は多い。この状況を危惧する識者に、利用企業が置かれている現状や、現実的な移行の選択肢を聞いた。
「Windows Server 2016」の延長サポートが2027年1月に終了する。延長サポート終了まで1年を切った今、Windows Server 2016を稼働させている企業は、速やかな決断を迫られている(図1)。
多くのIT担当者が理解している通り、Microsoftによる延長サポートが終了すると、脆弱(ぜいじゃく)性が新たに発覚しても「セキュリティ更新プログラム」が提供されないため、脆弱性を悪用する攻撃に対して無防備な状態となる。
「サポート切れOSの継続利用は、想像する以上に複合的なリスクが生じる」と訴えるのが、NECだ。大企業から中堅中小企業まで多様な規模の企業を支援する同社は、「Windows Server 2016の延長サポート終了に気付いていない」現状を危惧している。
NECの宮澤満里奈氏は、こう話す。
「日々の業務に追われ、弊社が案内して『延長サポート終了までの期限が迫っているのを初めて知った』と反応されるお客さまが多い印象です。延長サポート切れのOSを使い続けることは、セキュリティ侵害による顧客情報の流出や業務停止といったリスクに加え、『長年稼働したハードウェアの老朽化による故障率増加』や『交換部品の枯渇』といった問題に直面するリスクもあります。もし故障やトラブルに直面した際に復旧できず業務継続が不可能になれば、ビジネス機会の損失にもつながりかねません」(宮澤氏)
加えて、技術者の異動や退職による解決手段の喪失、技術問い合わせ窓口の不在、インストールメディアやライセンスキーの紛失により再構築が不可能になるといったリスクもある。
「サポート切れOSや古くなったハードウェアを使い続けることでリスクが顕在化すれば、企業価値や信頼度を下げるような事態にもなりかねません。ビジネスリスクに直結することを強く再認識すべき状況です」(宮澤氏)
リスクを回避するためにも、移行は待ったなしの状況といえる。しかし、ここで注意が必要なのが「移行先」だ。特筆すべき点として挙げられるのが、仮想化基盤を取り巻く市場環境の変化だ。長らく企業の仮想化基盤として採用されてきた「VMware vSphere」のライセンス体系変更が、多くの企業に影響を与えている。
NECの梅元翔太氏はこう話す。
「Windows Server 2012のころとは状況が異なり、従来のコスト感で仮想化環境を維持することは難しくなっています。VMwareのライセンス変更に対応し、高機能な環境を維持し続けるのか、コストを見極めた上で別の選択肢を検討するのか、『自社の要件に合わせて最適な仮想化基盤を選び直す』という決断が迫られている状況です」
では、Windows Server 2016を利用している企業は移行先をどう検討しているのか。
MM総研の調査によると、2025年12月末時点でWindows Server 2016の総稼働台数は約25万台。うち、移行調査中/移行中のサーバの74%に相当する約14万台は、移行先として仮想化環境が選択されている。一方で、クラウド環境への移行は6%にとどまる(図2)。
図2 Windows Server 2016の現在の利用環境と移行先環境(出典:MM総研「国内Windows Server 2016稼働台数調査」2025年11月。図はMM総研調査情報を基に編集部作成)《クリックで拡大》梅元氏は、MM総研の調査をこう分析する。
「基盤を見直す上では、クラウド移行も選択肢の一つです。しかし、従来のオンプレミスとは異なる運用管理手法への適応が求められる上、OSの移行、仮想化基盤の見直し、さらにクラウド移行という3つの大きなプロジェクトを同時に進めることは、入念な準備をしていた場合を除き現実的ではありません。今回は、OSの移行と仮想化基盤の見直しにフォーカスし、中長期的にはクラウド移行も検討するというステップを踏むお客さまが多いのが実情だと考えます」(梅元氏)
つまり、Windows Server 2016からの移行を検討する企業の多くは、既存環境をベースに「OSを移行する上でどの仮想化基盤が自社のビジネスに最適か」を検討しているというわけだ。
だが、移行には大きな壁が立ちはだかる。MM総研の調査によると、Windows Server 2016の移行について具体的に行動を起こせない理由として最も多かった回答は「社内の人材不足(44.8%)」で「予算の確保、経営層への上申理由、理解(32.2%)」が続いた(出典:MM総研「国内Windows Server 2016稼働台数調査」<2025年11月>)。
梅元氏は「移行したくても移行できないという状況が垣間見える」と指摘する。
「Windows Server 2016の構築や設計を担当した技術者が異動や退職で不在となり、システム環境がどうなっているか把握できていないというお客さまもいます。長期間運用されたシステムは複雑化・ブラックボックス化しているケースが散見されます。問題を先送りするのではなく、速やかに移行を検討すべき段階だと考えます」
こうした状況を踏まえ、NECは中堅中小規模環境向けに、最新サーバOSである「Windows Server 2025」への移行と、仮想化基盤「Windows Server Hyper-V」(以下、Hyper-V)の採用を提案している。
NECがWindows Server 2025を推奨する理由は3つある。
1つ目は、セキュリティの強化だ。
「Windows Server 2025は、さまざまなセキュリティ機能が強化、追加されており、強固なセキュリティ基盤を実現できます。また、OSだけでなく、ファームウェアやドライバを保護する機能も実装され、OSブート時やデバイスドライバロード時に不正なプログラムが実行されるリスクを低減できます」(梅元氏)
2つ目は、運用管理の効率化だ。
「ブラウザベースのサーバ管理ツールとして『Windows Admin Center』が利用できます。ツールを使い分ける手間なく、単一のGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)からWindows ServerやWindows PC、Windows Serverクラスター環境など多様なWindows環境を一元的かつ効率的に運用、管理できます」(梅元氏)
3つ目は、「Microsoft Azure」(以下、Azure)との連携だ。
「Windows Admin Centerに搭載されているAzure連携機能を活用することでオンプレミスサーバとクラウドサービスを融合したハイブリッド環境を容易に構築できます。例えば、Windows Serverを簡単にバックアップできる『Azure Backup』や、VM(仮想マシン)をAzure上に複製して事業継続を実現する『Azure Site Recovery』などがあります」(梅元氏)
仮想化基盤としてHyper-Vを採用するメリットは「運用性(管理・習熟コスト)」「長期安定利用」「価格」にあるという。
運用面ではHyper-V マネージャーやWindows Admin Centerにより、使い慣れたWindowsのUIで直感的な操作が可能だ。また、長期利用の面では、Windows Server 2025の場合、メインストリームサポートは2029年11月、延長サポートは2034年11月まで提供されるため、頻繁なアップデートに追われることなく安定運用が可能だ。
「Hyper-Vは、WindowsやAzureなどとの親和性やコスト効率が評価され、多くの企業で採用が拡大しています。エンタープライズ向け機能も強化され、現在は一般的な利用において必要な機能を網羅しています。またWindows Admin Centerで『VM変換拡張機能』(プレビュー)が公開されており、VMware vSphere上のVMをV2V(Virtual to Virtual)でHyper-Vに移行できる仕組みも整いつつあります。NECは同機能を使った移行の検証を実施しており、そこで得られた知見やノウハウを基にした『利用手順書』をお客さまにも提供することで、スムーズな移行を支援します」(梅元氏)
「Hyper-VはWindows Serverの標準機能であり、サーバOSとHyper-Vを同じライセンスで利用できるため、コストメリットがあります。また、広く利用されているためナレッジやドキュメントも豊富で、新たな習熟コストを抑えられる点も評価されています」(宮澤氏)
NECは、移行に当たってどこから手を付ければよいのか分からないという企業に対して、移行の検討段階から最適解を模索して提案し、構築から運用保守まで一気通貫で支援する構えだ。
「検討段階では『仮想化アセスメントサービス』を通じて、仮想化対象サーバやVMの仕様とリソース使用率からサイジングして、最適なホストの仕様と台数を提案します。ヒアリングを踏まえたシートサイジングの他、ツールを使ったサイジングも可能です」(宮澤氏)
さらにWindows Server 2025向けのサーバハードウェアとして「Express5800シリーズ」をラインアップ。国内生産にこだわり、全国342カ所の保守拠点(2025年3月末時点)を有するなど、ユーザーの多様なニーズに応えられることもNECの強みだ(図3)。
「カスタマーサポートセンターを通じて、OSに限らず、サーバハードウェアやミドルウェアに関しても支援する一元化した窓口体制を確立しています。高度な問題に関しては、Microsoftの開発部隊とも連携した迅速な対応が可能です。OS、サーバ、ネットワークなどそれぞれのコンポーネントごとに深い専門知識を持った技術者が在籍しており、トラブルの際にも根本解決に向けて強力に支援します」(梅元氏)
「2027年の延長サポート終了までタイムリミットが残り約1年に迫っています。新環境での安定稼働を確実なものとするためには、十分な検証、準備期間が不可欠です。NECは多くのサーバ移行の経験とノウハウを持ちお客さまに最適なご提案が可能ですので、ぜひお早めにご相談ください」(宮澤氏)
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