いまだ約25万台が稼働 「Windows Server 2016」のEOSを「ただの延命」で終わらせてはいけない理由迫るWindowsとSQL ServerのEOS――専門家が語るAI Readyな移行の現実解

Windows Server 2016の延長サポート終了が2027年1月に、SQL Server 2016のサポート終了が2026年7月に迫る今、EOS対応を「ただの延命」と捉えてはいないだろうか。対応コストを価値に変えるためにはどうすべきか。「AI Ready」なインフラも視野に入れられる現実的かつ効果的なサーバ移行戦略に迫る。

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» 2026年04月21日 10時00分 公開
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 2027年1月の「Windows Server 2016」の延長サポート終了(EOS)まで1年を切った。2026年7月の「SQL Server 2016」のEOSも迫っており、これらを利用する企業は環境の早急な見直しを迫られている。

 しかし、この対応を単なる「延命」で終わらせてよいのだろうか。昨今の経営環境は変化が激しく、生成AI(人工知能)の活用やサイバー攻撃への対策など、ITインフラに求められる要件は高度化し続けている。現状維持のためにコストをかけるだけでは、こうしたビジネスの波に取り残されてしまいかねない。

 タイムリミットが迫る中、EOS対応を次なる成長に向けたステップにするためには、どう取り組めばよいのか。2026年3月、アイティメディアはオンラインセミナー「Windows Server/SQL Server延長サポート終了間近:単なる“延命”で終わらせない、コストを価値に変えるサーバ移行戦略」を実施。国内企業のインフラ実態に詳しい有識者と、企業のデジタル変革を支援しているプロフェッショナルらが、現実的なサーバ移行戦略について語り合った。

いまだ約25万台のWindows Server 2016が稼働

photo MM総研の中村成希氏(取締役研究部長)

 MM総研の中村成希氏は国内企業におけるWindows Server 2016の利用状況を解説した。

 MM総研が2025年11月に実施した調査によると、国内で稼働しているWindows Server 2016は約25万台に上る。大企業の12%、中小企業の20%がEOSを認知しておらず、過去の「Windows Server 2012」のEOSの際と比較して増加しているのは注目すべき点だ。

 「クラウド利用が増えてOSを意識しなくなった結果だと考えられます。クラウド時代の新たな課題です」

 インフラについては、約70%が利用する仮想化基盤も併せて検討が必要だ。「『VMware』のライセンス変更を受けて、『Microsoft Hyper-V』の利用が2021年調査時から倍増するなどシェアに変化が見られます。OS移行と仮想化基盤更新は同時に向き合わなければならないテーマとなっています」

 同調査では、「情報システム部門が人手不足に悩む状況も浮かび上がってきた」と中村氏は語る。目先のEOSをどう乗り切るかを考えがちだが、「日常の運用負荷をいかに下げるか」という観点も求められるという。

 「単に延命するだけでは、システムのビジネス価値を正しく評価できているとはいえません。自社のシステムが付加価値向上にどう貢献しているかを見直し、EOSを『インフラを見つめ直す機会』と捉えるべきです」

モダナイズを見通して、AI時代に適したクラウド移行を目指す

photo 日本マイクロソフトの間瀬千里氏(シニア GTM マネージャー)

 では、移行をどう進めればよいのだろうか。日本マイクロソフトの間瀬千里氏は「今、サーバ移行を考えるならば、AI対応は避けられません。クラウド移行によってAI時代に適したインフラを整備できます」と話す。

 「AI投資が進む一方で、『AIに対応したインフラ、データがない』ことがAI活用の障壁になっています。5年後、10年後にどのような基盤が必要かを踏まえて移行を検討すべきです」(間瀬氏)

 とはいえ、オンプレミスのサーバを一気にAI対応の状態にするのはハードルが高い。そこで、EOSやハードウェア老朽化対応、ガバナンスやセキュリティ対策などの「差し迫った優先事項」と、AI対応などの「イノベーション」のバランスを見ながら検討を進めることを推奨している。

photo クラウドへのサーバ移行によって得られる価値(出典:間瀬氏の投影資料)《クリックで拡大》

 中でも最優先のアプローチが、「Microsoft Azure」(以下、Azure)上でのモダナイズだ。バージョンを意識せずに利用できる環境を入手すれば、今後のEOS対応も回避できる。一足跳びにモダナイズするのが難しければ、まずはAzureに移行してOSを最新バージョンにアップグレードする方法を採り、その後モダナイズを目指す流れだ。オンプレミスに残す場合も、「Azure Arc」などを活用し、Azureと連携できる環境を整備しておくべきだという。

 どうしてもアップグレードできない場合は、延長セキュリティ更新(ESU)プログラムも選択肢となる。「世の中ではクラウドのメリットを享受しているのが当たり前になっています。今は難しいとしても、最終的にはモダナイズを視野に入れておくことが重要です」(間瀬氏)

photo サーバOSのEOSに当たって取り得る選択肢(出典:間瀬氏の投影資料)《クリックで拡大》

リフトの労力を抑え、いかにシフトに注力するか

photo ユニアデックスの竹原大輔氏(クラウドサービス本部クラウドソリューション一部基盤技術室 室長)

 リフト&シフトについて、「付加価値を生みにくいリフトの労力を極力減らし、シフトにかけるリソースや時間をどこまで確保できるかがポイントです」と話すのは、BIPROGYグループ(ユニアデックス)の竹原大輔氏だ。リフトに関する課題は、すでに解決策が共通化されているものも多く、BIPROGYグループは「クラウド移行パック」としてサービス化している。オンプレミスの仮想マシンをAzureに素早く移行して、できる限り早く使い始めることを目指して、アセスメントから回線の提供、移行後の運用まで包括的に支援する。

 「技術面はもちろん、クラウドをより浸透させるための風土や体制の改革もサポートします」(竹原氏)

 竹原氏はリフトからシフトまでは段階的に進めるとよいとしつつ、全システムを最初から最終形にする必要はないとして次のように話した。

 「システムを4つのステージに分け、まずは対応策が定まらない『ブラックボックス化したシステム状態』(ステージ0)から脱出します。次に、ブラックボックス化を解消すると、『古い技術が足かせとなって保守・改修が負担となっている状態』(ステージ1)が多いので、この状態から脱出するため、採用技術の見直しなどを行い『安定した保守・改修ができる状態』(ステージ2)にします。そして、その中からビジネスに本当に貢献できるものを選定し、『ビジネススピードに追従できる状態』(ステージ3)へと引き上げていく、地に足の着いたシフトを推奨しています」

 中村氏は「リフト&シフトはIT部門も重視している観点です。AIという強力なビジネスアプリケーションが登場する中、それを支えるインフラをどう整えるかは経営課題として向き合うべきでしょう」とした。

コスト最適化を徹底することで、クラウド移行を加速する

photo パーソルクロステクノロジーの桂川誠氏(DXプラットフォーム1部 マネージャー)

 パーソルクロステクノロジーの桂川誠氏は「いかにスピーディーかつコストを抑えて移行できるかが重要です」と語った。

 クラウド移行においては、オーバースペックなまま稼働しているケースも見られるため、移行後のコスト見直しが鍵を握る。そこでパーソルクロステクノロジーは、移行前のコスト試算だけでなく、移行後も改めてコストを見直すことで最適化を図っている。これによって業界・用途を問わず、大幅な削減余地を見つけ出す。

 「割引オプションや性能の見直し、モダナイゼーションにより月額150万円もの削減を達成したエイベックス、需要変動の生まれにくい社内システムにおいて短期間で月額30万円の削減に至った戸田建設の事例があります。月額コストの削減以上に、関わったメンバーの意識変化がメリットだと評価していただいており、このマインド醸成が長期的なビジネス価値につながると考えます」(桂川氏)

 パーソルクロステクノロジーは現在、アセスメントの割引(「クイックアセスメント」の無料提供)、移行作業費の最大100万円割引、移行後の運用保守3カ月無料という特典を用意している。

 「こういった特典で移行の一時的な支出を抑えることで、お客さまのクラウド移行を加速させています」(桂川氏)

AI Readyな環境は不可欠 いかにAzureを使い倒すかが鍵に

photo 日本ビジネスシステムズの西山正太郎氏(クラウドテクノロジーサービス事業本部ハイブリッドクラウド1部2グループ アシスタントマネージャー)

 サーバ移行後の環境について「キーワードはAI Readyです」と語ったのは、日本ビジネスシステムズの西山正太郎氏だ。

 「AI導入は、企業のデータをAIが活用できる状態にすることが重要です。規模に応じてスケールできるAIワークロード対応インフラやセキュリティ、ガバナンスなどを考えるとオンプレミスでは限界があり、クラウド移行が第一候補になります」(西山氏)

 Azureは「Microsoft Copilot」をはじめとするAIモデルからデータ基盤、ID統合まで一貫して設計できることが強みであり、「Azureをどこまで使い倒せるかでビジネスインパクトが変わる」と同氏は続ける。

 その一例として「Oracle Database@Azure」を挙げた。オンプレミスからクラウドに移行する際の課題となるOracle DatabaseをAzureでネイティブに稼働させるサービスだ。

 「Azureのデータセンター内にOracle Database環境が構築され、アプリケーションとデータベース間の物理的な距離が短くなり、レイテンシを最大限に抑えられます」(西山氏)

 このアプローチに対し、中村氏は「AIによる推論ワークロードは複雑で、レイテンシによりレスポンスが悪くなると価値が下がります。遅延を抑えるという観点で非常に重要です」とし、AI Readyなインフラ設計における要点になるとした。

 日本ビジネスシステムズでは、Azure移行に当たって現状調査から各種設計、運用保守、AI本格活用までワンストップで対応、PoC(概念実証)にとどまらないAIのビジネス活用実現に伴走する。

 移行前のアセスメントでは、Windows Server/SQL Serverともに現行環境と要望に合わせて、モダナイズまで見据えた選択肢を提示する。さらに、管理者のスキルアップや、グランドデザイン、実務フローの設計など、移行前に実施しておきたい点もカバーし、運用まで見据えた支援に取り組んでいる。日本ビジネスシステムズはマルチクラウドへの対応を強みに、複数クラウドの管理、監視・保守まで一元的に支援できる点もポイントだ。

AI活用を進めるためにも、早めのアクションを

 ディスカッションで共通していたのは、EOSをきっかけに現状を把握し、リフトだけで終わらせることなく、シフトを見据えて段階的に進めるべきだという点だ。

photo アイティメディアの内野宏信(DX編集統括部 統括編集長)

 特に、間瀬氏が「既存環境を把握した上で、そこからアプリケーションのマッピングやコード変換をするなど、AIがクラウド移行を強力にサポートできるようになりつつあります」と指摘したように、2026年に入って移行・モダナイズのプロセスにもAIを活用する動きが広まりつつある。

 モデレーターを務めたアイティメディアの内野宏信は「EOS対応は、今後の経営環境を生き残る上で必要な仕組みを考えなければならないきっかけと捉えるべきです。まずはアセスメントを通じて自社の現状を知り、パートナーに伴走してもらいながら自社のビジネス目的に向けていち早く行動を起こすことが大切でしょう。先を見越して動くことで先行者利益が得られるはずです」と、セミナーを締めくくった。

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提供:日本マイクロソフト株式会社、日本ビジネスシステムズ株式会社、パーソルクロステクノロジー株式会社、BIPROGY株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2026年5月20日