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入門編:PHP4での開発に必要なものを用意するPHP4で作るWeb-DBシステム(2)(4/5 ページ)

PHPはWebサーバとデータベースを結びつけるものだ。そのためPHPでの開発を開始するには、OS、データベース、Webサーバ、そしてPHPと、多くのソフトウェアのインストールを行う必要がある。今回はそのインストールについて説明しよう。

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PostgreSQLのインストール

 さて、必要なツールを準備することができたなら、いよいよPostgreSQLをインストールすることにしましょう。PostgreSQLは、カリフォルニア大学バークレー校で開発された、Postgresと呼ばれるデータベースを基にして作成されています。最新バージョンは「7.0.2」で、2000年6月7日にリリースされたばかりです。

 もちろん、オープンソースですから無償で利用することができるのですが、日本ではSRAが商用サポートを行なっています。オラクルなど商用のデータベースを使うまでもないけど、サポートは受けられるようにしておきたい場合などにも対応できるようになってきているのは、昨今のLinux市場を支える大きな力になっています。

 ソースコードの圧縮されたファイルは、「ftp://ftp.sra.co.jp/pub/cmd/postgres/7.0.2/postgresql-7.0.2.tar.gz」や、Ring Server Projectの各サーバーなどから入手することができます。物理的に近いサーバーを探して入手するといいでしょう。容量は約7.2MBとなっています。

Postgres用ユーザーの追加

 ファイルを入手してからでもかまいませんが、PostgreSQL用のユーザーを作っておくほうがいいでしょう。このユーザーは、PostgreSQLのオーナーとなるユーザーです。ほかのユーザーと兼ねてもかまわないのですが、専用のユーザーとしておくほうが、なにかと便利だと思います。筆者は「postgres」というユーザーを作成しました。今後、記事の中ではこのユーザーを使って作業を進めていきますので、違う名前のユーザーで作業をする方は、ユーザー名の部分を読み替えて行なってください。

 ユーザーを追加するコマンドは以下の通りです。

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tarでファイルを解凍

 ファイルを入手することができたら、そのファイルを適当なディレクトリ(/usr/local/srcなど)に置いて、tarを使って解凍します。この作業は、さきほどのpostgresユーザーで実行していきますが、通常は/usr/local/srcに書きこみ権限がありませんので権限を与えます。rootユーザーでログインして、以下の作業を行なってください。この作業で、PostgreSQLのソースファイルを解凍するディレクトリと、インストールするディレクトリを作成しています。そして、そのディレクトリにPostgresユーザーで書き込みを行なえるよう、ディレクトリの所有者を変更しています。

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ファイルを解凍するコマンドは以下の通りです。

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 このコマンドでエラーが出るようなら、tarがGNUの提供するtarでないのかもしれません。その場合にはgzip(gunzip)を使って、ファイルを解凍してから、tarで解凍してください。その場合のコマンドは以下の通りです。

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 解凍が終わると、postgresql-7.0.2ディレクトリの中に、いくつかのディレクトリができているはずです。ここからの作業は、その中のsrcディレクトリで行ないます。「cd src」と入力して、ディレクトリを移動しておきます。

PostgreSQLのコンパイル

 次に行う作業は、コンパイル前の設定です。この設定作業では、インストールするディレクトリや、ODBCの要不要などを決定します。デフォルトのままでかまわない項目は、指定する必要がありません。基本的には、日本語を利用することができるように、以下のような設定を行なうといいでしょう。

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 この他の設定用パラメータは、「./configure --help」とするか、postgresql-7.0.2ディレクトリにある「INSTALL」ファイルを見ていただくと確認することができます。

 設定を開始すると、環境を判断して、自動的に各種の設定が行なわれていくようすを確認できます。なにごともなければ、linkを終えてメッセージが終了します。逆に、うまくいっていないと、警告のメッセージが最後に表示されます。参考までに、筆者が実行したログをこちら(postgresql.log)で公開しておきます。

 設定作業の後はコンパイルを行ないます。コンパイルを行なうには、そのままのディレクトリ(/usr/local/src/postgresql-7.0.2/src)で、makeと入力するだけです。コンピュータの性能にもよりますが、この作業には数分から10分程度必要です。ちなみに、この作業は何度でも実行することが可能です。作業を始める前の状態に戻したければ、/usr/local/srcの中を削除してきれいにするだけで、元通りにすることもできます。

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 この部分のログは、あまりにも長大ですので公開することはしませんが、最後に以下のようなメッセージが表示されていれば問題ありません。

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いよいよインストール

 なんの問題もなければ、いよいよインストールです。インストールを行なうには、以下のように「make install」と入力します。このコマンドを入力すると、コンパイルしたバイナリファイルが、指定されているディレクトリ(デフォルトは/usr/local/pgsql)にコピーされます。この作業は、1分もかからないうちに終了する作業です。無事に終了すれば、以下のようなメッセージが表示されます。

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 無事にインストールされているか心配な方は、/usr/local/pgsqlに移動して、ファイルを確認してみるといいでしょう。いくつかのディレクトリが作成されていて、その中にpostgreSQLを構成するファイルがインストールされていることが確認できるはずです。

PostgreSQLデータベースの初期化

 これでインストールも終わり、PostgreSQLが使える状態になりましたが、作業完了というにはまだ不充分です。なぜなら、PostgreSQLはデータベースアプリケーションですから、データベースを作っておかなくてはなりません。それに、このままではPostgreSQLを利用するためのツールを呼び出すにも、不自由でなりません。

コマンドサーチパスを通す

 まずは、PostgreSQLの各種ツールを、どこからでも実行できるように、コマンドサーチパス(以下パス)を設定することから始めましょう。利用しているシェルによって、設定を行なうファイルが異なりますが、いずれにしても/usr/local/pgsql/bin(デフォルトのディレクトリにインストールした場合)にパスを設定します。

 bashの場合は、ユーザーのホームディレクトリにある「.bashrc」に以下のような1行を追加します。

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 cshとtcshの場合は、ユーザーのホームディレクトリにある「.cshrc」に以下のような1行を追加します。

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環境変数の設定

 また、同様にいくつかの環境変数も設定します。これらの環境変数も、パスと同様に設定していなくとも困ることはありませんが、設定していないと使い勝手が悪くて不便です。先ほどと同じファイルに、以下のような行を追加して、環境変数の設定を行ないます。

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 ここで追加した各行の意味は、以下の通りです。

  • POSTGRES_HOME PostgreSQLがインストールされているディレクトリ
  • PGLIB PostgreSQLのライブラリがインストールされているディレクトリ
  • PGDATA PostgreSQLで作成するデータベースファイルを格納するディレクトリ
  • MANPATH PostgreSQLのオンラインマニュアルがインストールされているディレクトリ。これを設定すると、manコマンドでPostgreSQLのオンラインマニュアルが参照できる
  • LD_LIBRARY_PATH PostgreSQLのクライアント用sharedライブラリがインストールされているディレクトリ(通常はPGLIBと同じディレクトリとなる)

 これらの環境設定は、環境設定ファイル(.bashrc/.cshrc)を再読み込みするか、一度ログアウトして再度ログインするまで有効になりません。環境設定ファイルを再読み込みするには、sourceコマンドを利用します。「source ~/.bashrc」もしくは、「source ~/.cshrc」と入力して再読み込みしてください。設定が反映されていることは、envコマンドで確認することができます。

 環境設定に続いて、PostgreSQLデータベースを初期化します。この作業は、インストール後に一度だけ行うものです。いくつかのデータベースを作成するとしても、何度も実行する必要はありませんから、注意してください。この作業を実施すると、PGDATAに設定したディレクトリ以下に、データベース領域が初期設定されます。実行するコマンドは以下の通りです。実行すると、いくつかのメッセージが表示されて、データベースを起動する準備が整います。

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デーモン(postmaster)の立ち上げとテスト

 PostgreSQLのデータベースデーモン(postmaster)を起動します。この作業は以下のコマンドで実行できますが、サーバを再起動するたびにデーモンの起動を行なうのは非常に面倒です。そこで、サーバの起動時にPostgreSQLが自動的に起動するよう、以下のコマンドをシステム起動用スクリプトに記述しておくといいでしょう。

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 このコマンドが実行されると、サーバのプロセスに「postmaster -S -i」というプロセスの存在が確認できます。


postgresql.log

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