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WindowsでLinuxをリモート操作(前編)ゼロ円でできるXサーバ(1)(1/3 ページ)

LinuxサーバをWindowsから操作しているというケースは多い。ほとんどの場合はtelnetやsshで十分だが、ときにはGUI(Xクライアント)を使いたい場合もある。そこで、このような用途に最適なVNCを紹介しよう。

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VNCとは

 UNIXのウィンドウシステムであるX Window System(以下X)は、もともとネットワーク環境を前提としたクライアント/サーバ構成になっている。Xサーバが画面表示や入力を担当し、Xクライアントはそれを利用して動作する。つまり、X上で動作するGUIプログラムがXクライアントである。

 XサーバとXクライアントはXプロトコルという独自のプロトコルで各種の情報をやりとりする。上記のとおりネットワークを前提としているため、別のマシン(マシンB)にXサーバを用意すれば、マシンA上で動作するXクライアントをマシンBから操作できる。

XサーバとXクライアントはXプロトコルを使って通信する。両者が同一マシン上にあるかどうかは問題ではない
XサーバとXクライアントはXプロトコルを使って通信する。両者が同一マシン上にあるかどうかは問題ではない

 UNIXあるいはLinuxの場合、X環境がそろっているので設定さえ行えばそのまま遠隔地のXクライアントを利用することが可能だが、Windowsから遠隔地のXクライアントを操作するにはWindows用のXサーバを用意する必要がある。ただし、Windows用のXサーバはほとんどが市販製品であり、価格もPCが1台購入できてしまうほど高価だ。Xクライアントを常用するならともかく、そうでない場合は高くつきすぎる。

 そこで無償ダウンロードできるVNCの出番だ。VNC(Virtual Network Computing)は、AT&Tケンブリッジ研究所(http://www.uk.research.att.com/)で開発されたリモートコントロールシステムである。操作される側にVNCサーバ、操作する側にVNCビューアをインストールすることで、物理的に離れたマシンをネットワーク経由で操作できる。

画面1 Windows 2000上でVNCを使ってLinuxの画面を表示しているところ。もちろんこのまま操作できる(画像をクリックすると拡大表示します)
画面1 Windows 2000上でVNCを使ってLinuxの画面を表示しているところ。もちろんこのまま操作できる(画像をクリックすると拡大表示します)

 VNCの場合、VNCサーバがXクライアントとXプロトコルを使って通信し、その結果の画面出力をVNCビューアに転送する。純粋なX環境と異なり、VNCサーバとVNCビューアとの通信はVNCプロトコルで行われるので、厳密な意味では「ゼロ円でできるXサーバ」というのは正しくないのだが、このあたりは大目に見ていただきたい。

VNCサーバは、XクライアントからはXサーバに見える。VNCビューアはVNCサーバから転送されてくる画面を表示するだけであり、Xサーバではない
VNCサーバは、XクライアントからはXサーバに見える。VNCビューアはVNCサーバから転送されてくる画面を表示するだけであり、Xサーバではない

 本稿では、Linuxマシン(LASER5 Linux 6.4 FTP版)にVNCサーバを、Windows 2000マシンにVNCビューアをインストールして、Windows 2000上でLinuxのXを利用する方法を紹介する。VNCは、LinuxやWindows以外のさまざまなプラットフォームにも対応しているが、これらについては割愛させていただく。

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