これだけ知っていればワンセグ博士!:5分でネットがわかるシリーズ(4)(2/5 ページ)
2006年4月1日から東京・名古屋・大阪を中心に開始された、携帯通信機器向けデジタルテレビ放送「ワンセグ」。ワンセグ対応の携帯電話も発売され、トレンドとなっていますが、いままでのテレビ放送と何が違うか? ワンセグの仕組みやその利点を解説します
2. ワンセグはなぜワンセグ?
ここからはワンセグについて解説しましょう。
新しい技術用語は、「何でそんな名前になったの」と調べてみると、その技術の本質が理解できるケースが多いです。「ワンセグ」はなぜ「ワンセグ」と命名されたのでしょうか。実はワンセグは略称で、正式名称は「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」といいます。この「1セグメント」の部分だけピックアップされて「ワンセグ」と呼ばれているのです。ちなみに「セグメント(Segment)」は分節、区分、部分という意味です。
「1区分(=セグメント)の区分って何?」と疑問に感じると思いますが、それは前ページで紹介した地上デジタル放送の放送形態に関係があります。
地上デジタル放送は、1つのチャンネルに13のセグメントが割り当てられています。そのうち12セグメントは本放送に使われて、残りの1セグメントを携帯電話や移動端末に当てています。だから「1セグメント部分受信サービス」=「ワンセグ」と命名されたのです。
●見るために必要な物、番組内容は?
ワンセグ対応にした機器でないと視聴できません。現在携帯電話を中心に、ノートPC、カーナビゲーション、携帯ゲーム機などモバイル端末を中心に、ワンセグ閲覧可能のハードウェアが増えています。また受信できる地域は、地上デジタル放送と同じ地域です。
ワンセグは、2008年まで地上デジタル放送と同じ番組を放送するように法律で決まっています。この内容の同じプログラムを2つ以上の違う放送波で流すことを「サイマル放送」といいます。サイマル放送は英語では「サイマルキャスト」(simulcast)といい、simultaneous(同時の、同時に起こる)とbroadcast(放送する)の2つの単語を使った造語です。
ワンセグは、地上デジタル放送の補完放送なので、視聴する際の料金はまったく掛かりません。NHK番組も「地上デジタル放送の方で受信料を払っている」ということで無料で視聴ができます。
受信のみは全くの無料なのですが、地上デジタル放送は、視聴者と放送局が双方向にデータのやりとりが可能なメディアです。なので、例えば番組のプレゼント応募やクイズに答えるなど、放送局に対して視聴者がパケット通信を行う際は、そのパケットに別途料金が掛かるので、注意が必要です。
●いままでの携帯テレビとはここが違う!
「ワンセグ・ワンセグと騒いでいるけど、いままで発売されているポータブルテレビと何が違うの?」と考える方も多いでしょう。ワンセグの大きな利点を3つほど挙げてみると……、
・デジタル放送なのでノイズに強く映像が美しい
・動画映像だけでなく、電子番組表などの文字データも同時に放送可能
・クイズやアンケートに参加できる視聴者・放送者の双方向に通信ができる
などが大きな違いでしょう。
では、次のページではワンセグに使われている技術的な部分に注目してみましょう。放送形態だけでなく、テクニカルな部分でもワンセグはとても特徴的なところがあります。
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