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サーバのリモートバックアップをさせたい 〜大容量になったハードディスクにバックアップ〜ツールを使ってネットワーク管理(20)(1/3 ページ)

大したものが入っていないと思っていても、サーバの内容はバックアップを取っておくに越したことはありません。rdiff-backupを使って安価で大容量になったハードディスクにバックアップに挑戦してみましょう

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Webサーバのファイルが消えた、ですと……

 このところ会社のネットワークも本業も落ち着いてきて、たまには定時で帰ったりするという日々を過ごしている律子さんですが、そんな夢のような日は続くはずもなく、相談が舞い込んできます。

 せっかく今日も定時で帰って、ゴロゴロしながらゴールデンタイムのバラエティでも見ようと思っていた律子さんのところに、新サーバになって会社のWebサイトを担当させられた健一君がやって来ます。健一君はいつもと違って元気がありません。WebのデザインやAjaxなんかで悩みでも抱えているのかもしれませんが、とにかく自分と関係ないことを願いつつ、話を聞いてみることにします。

健一君 「律子さん、あの、ファイルが消えたけど、何とかならない?」

律子 「どういうことですか?」

健一君 「あの、Webサーバのファイルを直接いじくってたんやけど、消えた」

律子 「え、どういうこと?」

健一君 「Webを直そうと思って直接エディタでHTMLをいじってたら、なんかおかしくなって…… いろいろやってるうちにいろいろ消えてもうた」

律子 「それって普通、自分の手元で確認してからアップするんじゃないですか?」

 それなりの常識人である律子さんには理解できませんが、健一君は逆ギレしてしまいました。

健一君 「そんなことはええから、サーバのファイルを元に戻してくれや!」

律子 「手元にその前のバックアップもないんですか?」

健一君 「ずっとサーバでいじっとったからな」

律子 「何めんどくさがってんですか」

健一君 「自分とこでいじって転送するんなんてかったるいし効率悪いやん」

律子 「私の手元にもないのですが……」

健一君 「えーっ! バックアップ取るのは管理者の責任やろ!」

 健一君は自分のミスを棚に上げて、律子さんに責任をかぶせようとします。律子さんは降ってわいたような災難に頭を抱えてしまいました。ああ、どうしよう。

律子 「もしかして、いま会社のページって……」

健一君 「ないページがあるんやな」

律子 「喧嘩してる場合じゃないですよ。部長にでも見つかったら健一さんクビですよ」

健一君 「それは困るなあ。先月車買ったばっかしやしな。よし、何とか復旧させよう。律子さんも協力してな」

律子 「分かりましたよ、いまから頑張りましょう」

 なんか腑に落ちないながらも、律子さんは健一君と一緒にファイルの復旧に励むことになりました。

 残っている別のページのファイルやたまたま残っていたバックアップファイル、ほかにブラウザのキャッシュに残っていたファイルを拾い出したりしながら、朝までには何とか以前とあまり変わらない形に戻すことができました。

律子 「これからはちゃんとバックアップを取りながら、自分のところで作業して、こんなことがないようにしてくださいね」

健一君 「さすがに俺も懲りたわ。横着するのはやめる」

 とにかくファイルが消えたことについては何とかなったのですが、さすがに律子さんもサーバのデータバックアップについて真剣に考え始めました。

 いままでデータについては各ユーザーにお任せだったのですが、健一さんを見ても分かるように、あまり信用できないようです。

 やはり管理者として何とかしないと、今度事故が起こったときに大変なことになってしまう。毎回フルバックアップを取るのもいいけれど、リモートにあるディスクなので時間もかかるうえに、無駄にネットワーク帯域を使ってしまいます。ああ、どうしよう。データをまた全力で復旧しなきゃいけないけれど、手元にディスクもないのにどうすればいいのかしら。また明日突然サーバが飛んだら、死んでしまう。

 徹夜明けの頭ではいい考えが浮かぶこともなく、ついついネガティブな方に考えがいってしまいます。そのまま律子さんは知らない間に机に突っ伏して眠ってしまいました。

律子 「あ、いけない」

目を覚ました律子さんの横にメモが置いてあります。今度は何の催促の電話? まだ夢心地のままメモを読むと、

「rdiff-backupを使えばいいですよ」

と書いてあります。

 そうか、rdiff-backupを使えばいいのか。ということで、サーバにアクセスしてrdiff-backupを使おうとしてみましたが、サーバに入っていません。律子さんはサーバにインストールして使ってみることにします。

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