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EMCがミッドレンジ・ストレージCXシリーズ刷新、総合力で勝負前世代に比べ2倍の拡張性とパフォーマンス

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 EMCジャパンは8月6日、ミッドレンジ・ストレージ・シリーズの全面的なモデルチェンジを発表した。新シリーズ「EMC CLARiX CX4」は、前世代のCX3シリーズに比べて最大ドライブ搭載数とパフォーマンスが2倍に向上した。さらに先進的なストレージの特徴とされる機能を網羅し、総合力で競合他社を圧倒できる製品だという。


EMCジャパン 代表取締役社長 諸星俊男氏

「日本ではEMCはハイエンドに力を入れているというイメージが強いが、市場としてミッドレンジが伸びている。EMCもミッドレンジに力を入れてきており、(今回の製品は)その集大成になる」と、同社代表取締役社長の諸星俊男氏は話した。

 EMCジャパンでは、今後の国内事業成長の原動力として、パートナー経由の販売などの新たなビジネスモデルに期待している。CX4は、パートナー経由のビジネス拡大戦略における中核製品になる。

 CX4シリーズは最大ドライブ搭載数120台の「CLARiX CX4-120」から同960台の「CLARiX CX4-960」まで、4つのモデルで構成されている。CPUにはインテルのマルチコアCPUを採用、プロセッサ性能はCX3比で2.5倍以上となった。OSは今回64ビット化することで、プロセッサの性能を有効に引き出せるようにした。結果として最大ディスクドライブ搭載数は960台と、従来に比べて2倍以上になった。


最大960台のディスクドライブが搭載できる「CLARiX CX4-960」

 CX4ではSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の搭載も可能だ。SSD対応はこれまでEMCでもハイエンド製品の「Symmetrix DMX-4」に限られていた。他社製品も含めてミッドレンジ・ストレージ市場でSSDを搭載できるようにしたのはCX4が初めてという。

 CX4は接続モジュールとしてファイバチャネルとiSCSIに対応している。接続モジュールの追加は、ストレージの稼働を止めることなく行える。2009年以降、同社は10Gbps iSCSI、8Gbpsファイバチャネル、Fibre Channel over Ethenet(FCoE)などの接続モジュールを提供するが、ユーザー企業はこうした新技術にも円滑に移行できるという。

 CX4では、先進的なストレージに見られる機能を、多数搭載している。例えばシン・プロビジョニング(EMCジャパンでは「仮想プロビジョニング」と呼んでいる)。これはサーバのOSやアプリケーションに対して、実際よりも大きなストレージ領域があるように見せかけておき、あとは必要に応じて共用領域から適切なサーバやアプリケーションに少しずつ領域を割り当てるという機能。この機能によって、ストレージ容量を前もって多めに確保せずに、必要に応じて後から追加していけるようになる。ストレージ容量の利用効率を高められる。


EMCはCX4で総合力を強調する

 ほかにもポリシーで設定できるディスク・スピンダウン機能(2009年初めに提供開始予定)や、5400rpmの省電力ドライブ対応、「VMware Site Recovery Manager」との連携などの機能を搭載している。他社のミッドレンジ・ストレージと比較し、総合力で大幅に上回っていると、同社マーケティング本部 プロダクト・マーケティング部の雨堤政昭氏は強調した。「さらに単一のストレージのなかで、SSD、SASドライブ、SATAドライブ、省電力SATAドライブを、用途に応じて使い分けることができる」(雨堤氏)。

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