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5分でわかるクラウド・コンピューティング5分で絶対に分かる(1/5 ページ)

なぜいま、クラウド・コンピューティングなのか。過去の類似コンセプトとの相違や、クラウドの階層と提供事業者、普及度は?

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 クラウド・コンピューティングという言葉が聞かれるケースが多くなってきています。あたかも雲から何かが降ってくるかのようなイメージで、ネットワーク上にあるサーバのサービスを活用できるというコンピューティング形態を指す言葉です。「確かにイメージとしては分かるのだが、あいまいでまさに『雲をつかむような』話だ」と考えている人も多いのではないでしょうか? また、SaaSやグリッド・コンピューティングなどのクラウド類似の概念は以前から存在しているため「どこが新しいのか?」といぶかる人もいるでしょう。

 以下では、クラウド・コンピューティングの言葉の定義、具体的内容、企業ユーザーへの影響などについて見ていくことにします。

1.クラウド・コンピューティングとは

 前述のとおり、クラウド・コンピューティングとは、ネットワーク上に存在するサーバが提供するサービスを、それらのサーバ群を意識することなしに利用できるというコンピューティング形態を表す言葉です。ネットワークを図示するのに雲状の絵を使うことが多いことからきた表現です。雲の中にはハードウェアやソフトウェアの実体があるが、その中身は見えない(気にしなくてよい)というイメージです。

図1 クラウドの中身は見えないもの
図1 クラウドの中身は見えないもの

 『ウェブ進化論』の梅田望夫氏の表現を使えば「あちら側」の世界ということになるでしょう。また、サン・マイクロシステムズの創業以来のコンセプトである“The Network Is The Computer”を別のいい方で表したともいえます。

 クラウド・コンピューティングという言葉は2006年8月に開催されたSearch Engine Strategies Conferenceにおいて、Google社CEOのエリック・シュミット氏が言及したことで広まったといわれています。しかし、ネットワークを雲の絵で表現するのははるか昔から行われていた慣行なので、クラウド・コンピューティングという言葉もそれ以前から使われていた可能性も高いと思われます。

 なお、クラウド・コンピューティングの「クラウド」はいうまでもなく“cloud”(雲)ですが、同じく注目のキーワードであるクラウドソーシング(企業がネットを通じて不特定多数の人に問題解決を依頼すること)のクラウドは“crowd”(群衆)ですので注意が必要です。

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