秘密のIPアドレス〜これで入門書が読める!超初心者のためのインターネットの仕組み〜:インターネットのモヤモヤを解消する(3)(2/3 ページ)
今月も芽衣子さんとIPアドレスの役割と振り分けのルール、IPアドレスの種類、自分のマシンのIPアドレスの確認の仕方を勉強しましょう
IPアドレスってどんなアドレス?
正男 「インターネットなどのTCP/IPによるネットワークでは、それぞれの機器にはIPアドレスという番号が振られているのです。基本的にすべての機器にはそれぞれ違った番号が振られているのですよ」
芽衣子 「なんだ、ただの番号なのね。それを早くいいなさいよ」
正男 「いや、この仕事していると常識みたいなもので、すみません」
何で怒られるかよく分かりませんが、管理者になってから正男さんは怒られるとつい謝ってしまうようになってしまったのです。
芽衣子 「いいわ。今度から気を付けてちょうだい。で、アドレスというからには住所みたいなものという理解でいいの?」
正男 「そんなものですね」
芽衣子 「そんなの、自動的に振られるから知らなくてもいいのではないの?」
正男 「自動的に割り振るにしても、私たちがルールを決めないといけないのですよ」
芽衣子 「面倒なのね」
IPアドレスの形
正男 「説明ついでにですが、IPアドレスのルールというか形について説明させてもらっていいですか?」
芽衣子 「いいわ、続けてちょうだい」
相変わらず教えてもらっているにもかかわらず、上から目線で物をいう芽衣子さんです。
正男 「IPアドレスはこの紙に書いているように192.168.1.1のような4つの数字に分けたブロックに分かれています」
芽衣子 「なんで?」
正男 「そういう決まりなのですよ」
芽衣子 「まあ、決まりじゃあ仕方ないわね」
芽衣子さんはプロトコルに対しても冷たいです。
正男 「1つのブロックは0から255までです。ということは、IPアドレスの範囲も0.0.0.0〜255.255.255.255までになります」
芽衣子 「なんで?255とか中途半端じゃない」
正男 「2進数とか16進数の話になりますが、いいですか?」
芽衣子 「数学は苦手なの。やめてほしいのだけど……」
正男 「じゃあそういうものだと思って覚えておいてください」
芽衣子 「はい、分かりました」
文系に数学は天敵なので、芽衣子さんはちょっと気弱なところが出てしまいました。
気弱な部分を見せた芽衣子さんに向けて、正男さんはまだまだ説明を続けていきます。弱っているうちにちょっとでも優位に立とうと思って頑張っているのです。
正男 「そしてインターネットに同じIPアドレスは存在しちゃいけないのですよ。これもルールなのです」
芽衣子 「同じ住所だと郵便屋さんも宅配便も困るからね。覚えておくわ」
芽衣子 「重なっちゃいけないんだったら、インターネットにいることができるのはこの台数だけになるのね」
正男 「とはいっても暗算できないくらいかなりたくさんですから」
グローバルアドレスとプライベートアドレス
正男 「そして、IPアドレスは大きくグローバルアドレスとプライベートアドレスに分けられます」
芽衣子 「ふーん」
正男 「グローバルアドレスはインターネットに直接接続するアドレスです。」
芽衣子 「外資系だとグローバルっていうと全社的なことになるけど、世界につながっているからグローバルなのですか」
正男 「まあ、間違ってないと思いますけど……」
正男さんは説明を続けます。
正男 「そして、プライベートアドレスは会社のようなLAN環境で使うアドレスです」
芽衣子 「プライベートってことはここからは私のプライベートエリアだから入っちゃダメってこと?」
正男 「そういうことになりますね。基本的にインターネットからはアクセスできません。また、ほかのLANで同じアドレスを使っても大丈夫です。LANで使う前提になっていますので、アドレスが重なることはないからです」
プライベートアドレスの範囲 | |
---|---|
クラスA | 10.0.0.0〜10.255.255.255 |
クラスB | 172.16.0.0〜172.31.255.255 |
クラスC | 192.168.0.0〜192.168.255.255 |
正男 「なので、ここのLANにもプライベートアドレスが設定されるのですよ」
芽衣子 「確かに192.168.1っていうのはプライベートアドレスね」
正男 「グローバルアドレスが足りないことと、セキュリティの面からも、社外から直接アクセスされないマシンにはプライベートアドレスが設定されることが多いのです」
芽衣子 「グローバルアドレスが足りないって、さっき暗算できないくらいいっぱいあるっていったじゃない、本当は何台くらいなの? ちょっと計算してみてよ」
正男 「え……」
正男さんが計算しているうちに芽衣子さんは勝手に休憩に入っていました。
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